課税価格と登録免許税の計算方法を法務局で確認する手順

通関業務従事者が登録免許税を計算する際、課税価格の端数処理を間違えると思わぬ税額誤差が生じます。法務局での確認手順と計算の落とし穴を知っていますか?

課税価格と登録免許税の計算方法

課税価格を1,000円単位で丸めず、税額だけ100円未満で切り捨てるとあなたの申請が却下されます。


この記事の3ポイント
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端数処理の順序

課税価格は1,000円未満切り捨て、税額は100円未満切り捨て、両方の処理が必須

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法務局での確認手順

固定資産評価証明書を取得し、評価額から正確な課税価格を算出する方法

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通関業務での注意点

通関業許可申請時の登録免許税9万円は非課税扱いで計算方法が異なる

課税価格の計算における端数処理の基本原則


登録免許税を計算する際、課税価格は固定資産税評価額から1,000円未満を切り捨てた金額です。例えば固定資産税評価額が1,234万5,678円の土地なら、課税価格は1,234万5,000円になります。


参考)登録免許税とは?計算方法・納付方法から軽減される条件まで解説…


1,000円単位で切り捨てが原則です。
ただし課税価格が1,000円未満の場合は、1,000円として計算する特例があります。これは国税通則法118条で定められており、極端に低額な評価の不動産でも最低税額を確保するための仕組みです。


参考)https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001325693.pdf


課税価格の算出後、登録免許税額は「課税価格×税率」で計算し、100円未満を切り捨てます。例えば計算結果が123,456円なら登録免許税は123,400円です。


参考)相続登記の登録免許税は、どのように計算するのでしょうか?


二段階の端数処理が必須ということですね。
通関業務従事者の方がこの計算を誤ると、登記申請時に法務局から補正を求められる可能性があります。


参考)床面積/地積につき、課税明細書と登記上の記録に齟齬がある場合…

法務局における固定資産評価証明書の取得方法

登録免許税の課税価格を確認するには、まず市区町村役場で固定資産評価証明書を取得します。この証明書には固定資産課税台帳に記載された評価額が記載されており、登記申請の根拠資料となります。


参考)課税価格と登録免許税の計算方法と納付手続き

法務局では登記申請時に課税価格の内訳を確認しますが、評価証明書そのものは市区町村が管理しています。どういうことでしょうか?​
法務局は登記手続きを行う機関であり、固定資産の評価は市区町村の権限だからです。したがって評価額の確認は必ず市区町村役場で行う必要があります。


参考)固定資産税評価額から「取引額」の目安を算定する方

評価証明書の取得には、窓口での申請または郵送申請が可能です。本人確認書類と手数料(自治体により異なるが300~400円程度)が必要になります。


窓口なら即日取得できます。
固定資産税評価額は3年に1回見直されるため、古い証明書を使うと現在の評価額と異なる可能性があります。登記申請の直前に最新の評価証明書を取得することをおすすめします。

法務局の公式ガイド「登録免許税はどのように計算するのですか?」では、課税価格の算出から税額計算までの具体的な手順が図解されています。

税率の種類と登録免許税額の具体的計算例

登録免許税の税率は登記の種類によって異なります。売買による所有権移転登記の場合、土地は1000分の15(1.5%)、建物は1000分の20(2.0%)が原則です。


参考)https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001443859.pdf


相続による所有権移転登記では税率が1000分の4(0.4%)になります。相続なら税率は約4分の1です。

参考)相続登記の課税価格と登録免許税の計算方法(ケースごとの計算方…


具体的な計算例を見てみましょう。固定資産税評価額1,234万5,678円と234万5,678円の2筆の土地を相続登記する場合、まず各評価額を合算します。

1,234万5,678円+234万5,678円=1,469万1,356円です。次に1,000円未満を切り捨てて課税価格を算出します。


課税価格は1,469万1,000円になります。これに相続の税率0.4%を掛けると、1,469万1,000円×4/1,000=5万8,764円です。

最後に100円未満を切り捨てるため、登録免許税は5万8,700円となります。


つまり約6万円弱の納税が必要ということですね。



土地と建物で税率が異なる場合は、それぞれ別々に課税価格の端数処理をしてから税率を掛け、最後に合算した金額の100円未満を切り捨てます。税率が違えば別計算が原則です。

参考)メニュー - 司法書士事務所尼崎リーガル…

区分所有建物(マンション等)では、建物と敷地権(土地)で税率が異なるため、登記申請書の課税価格欄と登録免許税欄に内訳を記載する必要があります。

通関業務従事者が知るべき登録免許税の特例規定

通関業の許可申請には登録免許税9万円の納付が必要ですが、この税額は非課税扱いとなります。どういう意味でしょうか?
参考)https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12374014215.html


通関業法では通関業の許可に登録免許税が課されますが、通関業を新規に開始する場合は非課税、通関業を譲り受ける場合のみ課税という特殊な扱いになっているのです。

新規なら実質的に免税です。
通関業許可の標準処理期間は20日で、許可後に登録免許税の納付通知書が送達されます。納付は金融機関での振込または税務署窓口で行い、領収証書を通知書裏面に貼付して税関に提出します。


参考)通関業許可申請の代行 東京税関・横浜税関


この手続きは不動産登記とは異なり、登記申請前の納付ではなく許可後の納付という流れです。


通関業務で扱う輸入申告においては、CIF価格(商品価格+輸送費+保険料)が課税価格の基準となります。価格申告に誤りがあると追徴税や延滞税のリスクが生じます。


インボイスの記載ミス(通貨単位の混在、数量の不一致等)により課税価格が税関から否認された事例も報告されています。価格確認の徹底が損失回避につながります。

参考)インボイスの記載ミスで申告価格が否認された!


修正申告を早期に行えばペナルティを回避できる場合がありますが、更正予知後の修正申告や税関による増額更正の場合は増加税額の10%に相当する過少申告加算税が課されます。

税関の公式ページ「納税申告に誤りがあった場合」では、修正申告と更正の請求の違いが詳しく解説されています。

複数不動産の一括申請における課税価格の計算注意点

同一の登記申請書で複数の不動産を申請する場合、課税価格の端数処理には特別なルールがあります。税率が同じ不動産なら、各不動産の評価額を合算してから1,000円未満を切り捨てます。

しかし税率が異なる不動産を一括申請する場合は、各不動産ごとに1,000円未満の端数処理をしてから各税率を掛ける必要があります。これは昭和42年の会同協議で確立された取扱いです。

税率の違いで計算方法が変わるということですね。
例えば租税特別措置法の軽減措置が適用される建物と適用されない建物を一括で所有権保存登記する場合、適用建物と非適用建物ごとに課税価格を計算し、それぞれの税率を乗じた金額を合算します。

マンションの売買登記では、建物(税率2.0%)と敷地権(税率1.5%)で税率が異なります。登記申請書には以下のように記載します:​

項目 建物 敷地権 合計
課税価格 ○○万円 △△万円 -
登録免許税 12万3456円 1万2345円 13万5800円

最終的な登録免許税は両者を合算してから100円未満を切り捨てます。合計額でまとめて端数処理です。

この内訳表示を忘れると法務局から補正を求められるため、申請書作成時には十分注意が必要です。


📊 表:登記の種類別の税率一覧

登記の種類 対象 税率 計算例(課税価格1,000万円)
相続による所有権移転 土地・建物共通 0.4% 4万円
売買による所有権移転 土地 1.5% 15万円
売買による所有権移転 建物 2.0% 20万円
所有権保存登記 建物 0.4% 4万円

国税庁の登録免許税の税額表では、すべての登記類型の税率が網羅的に掲載されています。

通関業務と不動産登記の課税価格概念の違い

通関業務における「課税価格」と不動産登記の「課税価格」は、名称は同じでも全く異なる概念です。通関業務ではCIF価格が基準となり、不動産登記では固定資産税評価額が基準となります。


通関業務のCIF価格は「Cost(商品価格)+Insurance(保険料)+Freight(運賃)」の頭文字で、実際の取引価格に基づく客観的な金額です。一方、不動産登記の課税価格は市区町村が3年ごとに評価する固定資産税評価額から算出されます。


評価基準が根本的に違うわけです。
通関業務では申告価格の誤りが即座に追徴税につながりますが、不動産登記では登記官が課税価格を認定して通知する仕組みがあります。


厳しいところですね。



通関業務従事者が不動産登記の手続きを行う際は、この概念の違いを理解しておく必要があります。特に通関業許可申請で9万円の登録免許税を納付した経験があっても、不動産登記では評価額ベースの計算が必要になるため、混同しないよう注意が必要です。


通関申告では修正申告の期限(輸入許可前または更正予知前)が厳格ですが、不動産登記では申請後でも補正が可能な場合があります。


いいことですね。



ただし不動産登記でも課税価格の計算ミスが大きい場合は申請却下のリスクがあるため、事前の確認が重要です。法務局の登記相談窓口では、登記申請前に課税価格の計算方法について相談できます。


国税庁のウェブサイトでは登録免許税の詳細な計算方法が公開されており、不動産登記を行う際の参考資料として活用できます。
登録免許税のあらましでは、課税対象となる登記の範囲や非課税規定についても解説されています。


通関業務と不動産登記、両方の分野で正確な課税価格の計算ができることは、業務の幅を広げる重要なスキルになります。




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