修正申告しても延滞税は1年分しか計算されない
修正申告とは、法人が確定申告の後に納税額を過少に申告していたことに気づき、税額を増やす形で訂正する手続きです。確定申告期限を過ぎた後、本来よりも税金を少なく申告していた場合に行います。
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つまり税額の不足を自主的に正すということですね。
修正申告ができるのは、納税申告をした法人または法人税の申告を必要とされている法人で、税理士が代理で手続きを行うこともできます。修正申告を行うと、追加の税額だけでなく延滞税や加算税も納付する必要があります。
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法人税の修正申告には法定期限がありません。しかし、納付する税額を過少に申告していたことに気づいた時点で、できるだけ早く申告することが推奨されます。
期限がないのは事実ですが、放置すると損します。
理由は、法人税の納期限の翌日から実際に納付する日までの期間に延滞税が発生するためです。早期に修正申告を行うことで、延滞税の発生期間を短くでき、納税額を抑えることができます。税務調査によって指摘される前に自主的な修正申告を行えば、加算税の軽減や免除を受けられる可能性もあります。
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修正申告書の提出方法は、郵送・電子申告(e-Tax)・窓口提出の3つがあります。郵送する場合は、簡易書留等の追跡可能な方法で送付します。電子申告は基本的に24時間365日提出可能で、最も便利です。窓口提出は、最寄りの税務署に直接持参する方法です。
提出方法は選べるということですね。
修正申告に必要な書類は、修正申告書(別表一)や別表四、別表五など、確定申告と同様の書類を作成します。修正申告書には、当初申告した税額と修正後の税額、そして増差税額(追加で納める税額)を記載します。提出後は、追加税額と延滞税を速やかに納付する必要があります。
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修正申告と更正の請求は、申告内容を訂正する手続きですが、税額が増えるか減るかで使い分けます。修正申告は納税額を過少申告していた場合や還付金が多すぎた場合に行います。一方、更正の請求は納税額を多く申告してしまった(払い過ぎた)場合に行います。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/correction/
納税者が損をしているときは更正の請求です。
更正の請求ができる法定期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。以前は1年間とされていましたが、平成23年の改正で期限が延長されました。例えば、3月決算の法人の場合、法定申告期限は5月31日で、その日から5年以内に更正の請求を行わなければなりません。
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通関業務では、関税法に基づく修正申告の手続きがあり、法人税とは異なる流れで進みます。輸入申告をした後、納税すべき税額が過小になっていることに気づいた場合、まず税関に報告します。
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税関独自のルールがあるということですね。
正しい書類をもとに仮修正申告書を作成し、税関の管轄窓口に持ち込んで誤りがないかチェックを受けます。税関から誤謬がない旨の連絡を受けた後、本申告し税関に修正申告書を提出します。
最後に不足分の税金を納税して完了です。
輸入の許可前にする修正申告は、先の納税申告に係る書面に記載した税額等を補正することにより行うことができ、この場合は修正申告書の提出は不要です。
参考)関税の納税申告の際の修正、補正、更正、是正の意味:日本
修正申告を放置すると、税務調査で指摘され、加算税・延滞税を多く支払うことになります。税務調査によって修正申告を促された場合、過少申告加算税が10~15%課されます。
放置は明らかに損です。
さらに、申告漏れを隠蔽・仮装していた場合には、より重いペナルティとして重加算税(35~40%)が課される可能性があります。延滞税は年2.4~14.6%の利率で計算され、納期限超過日数に応じて増加します。自主的な申告内容の修正は、税務署に適正な申告・納税を行う意思があると認識させることができますので、追徴課税以外のデメリットは少ないです。
法定申告期限から1年を過ぎて修正申告書を提出した場合、延滞税の計算期間は1年間に限定されます。これは、全期間について延滞税を課すことは納税者にとって酷であること、また税務官庁の調査の都合によって更正の時期が納税者ごとに異なると不公平であることなどを考慮したものです。
参考)法人税の延滞税納付が必要なケースと計算方法│法人税・相続税 …
1年分だけで済むということです。
例えば、2022年分の確定申告(納期限:2023年3月15日)の修正を2025年6月にすると、期限から2年以上経っていても、通常は延滞税は366日分だけです。ただし、納付完了までに日数がかかると延滞税がかかる恐れがあるため注意が必要です。この特例は、遅延による納税者の負担を一定範囲に抑える配慮として機能しています。
修正申告を行う際、本税に加えて附帯税として延滞税と加算税が課される場合があります。延滞税は納税した金額に不足があった場合に課され、税率は年2.4~8.7%です。
ペナルティには複数の種類があります。
過少申告加算税は税額を少なく申告していた場合に課され、税率は10~15%です。具体的には、修正申告書の提出により納付する税額(増差税額)の10%相当額で、増差税額のうち期限内申告税額相当額または50万円のいずれか多い金額を超える部分については15%相当額になります。税務調査の事前通知前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税は課されません。
参考)修正申告のペナルティ | 税理士は新田会計事務所 - 税理士…
税務調査の開始前に自主的な修正申告を行うと、ペナルティが大幅に軽減されます。税務調査の事前通知前に修正申告すれば、通常10%の過少申告加算税が課されず、本税と延滞税だけの納付になります。
加算税が免除されるのは大きいですね。
税務調査の事前通知があってから税務調査当日までの間に自主的に修正申告する場合は、通常10%の過少申告加算税が5%に軽減されます。重加算税のリスクの回避も期待でき、事前通知後であっても税務調査前に申告すると、重加算税の納税を回避できるケースがあります。延滞税も生じる期間を短縮させられ、納税額の軽減につなげられます。
延滞税の基本の計算式は「未納額×利率×日数÷365」です。未納の税額と納期限からの日数、そして年ごとの利率によって変動します。
計算式はシンプルです。
具体例を挙げると、本来の納付期限が2024年3月15日で修正申告の提出日が2024年5月15日(2ヵ月遅れ)、修正申告での追加税額が30万円、納付日が修正申告提出と同日(5月15日)の場合を考えます。この場合、延滞税額は1,200円(100円未満は切り捨て)となり、納付金額は30万1,200円になります。修正申告書の提出後、納付金額(追加税額+延滞税)を計算し、納付手段を選んで納付します。
確定申告期限よりも前に確定申告の間違いに気づいたときは、訂正申告を行います。税金を多く申告していたときも少なく申告していたときも、対処方法は変わりません。
参考)確定申告は修正できる?修正申告・訂正申告・更正の請求を解説 …
期限内なら訂正申告が正解です。
訂正申告の期限は確定申告の期限と同じで、原則として2月16日から3月15日までです。この期間内であれば訂正申告により申告内容を修正でき、加算税は課されません。一方、申告期限後に訂正する場合は修正申告と更正の請求に分かれ、納税者が本来払うべき税額より少なく納税した場合には修正申告を、多く払い過ぎた場合には更正の請求を行います。
参考)「修正申告と更正の請求」「更正と決定」、手続きの違い│法人税…
修正申告で納付する増差税額のうち、期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分については、加重分として加算税が5%上乗せされます。例えば、期限内申告税額が100万円で修正申告により増差税額が80万円だった場合を考えます。
加重ルールがあるということです。
この場合、100万円を超える部分は適用されないため、全額に対して10%の過少申告加算税が課されます。しかし、増差税額が150万円だった場合、100万円までは10%、超過分の50万円に対しては15%の加算税が課されます。以前は税務調査の事前通知後から調査当日までの期間に提出した修正申告書は自主申告扱いとなっていましたが、平成28年度の税制改正で過少申告加算税が賦課されるようになりました。
税額が変わらない軽微な修正の場合、修正申告は不要です。例えば、別表の記載ミスがあっても最終的な納税額に影響がない場合は、修正申告を提出する義務はありません。
税額に影響がなければ不要です。
また、確定申告期限内に間違いに気づいた場合は、修正申告ではなく訂正申告を行います。法定申告期限前に間違いが発覚したときは、確定申告書の内容を修正し、改めて提出できます。税額を多く申告してしまった場合は、修正申告ではなく更正の請求を行うため、この場合も修正申告は不要です。判断に迷う場合は、税理士や税務署に相談することをおすすめします。