申告漏れ時効と更正請求の期限や修正手続

通関業務における申告漏れの時効は原則5年ですが、悪質な場合は7年に延長されます。輸入許可後の修正申告や更正請求の期間制限、申告外貨物発見時の対応方法、そして時効成立の現実性について解説します。時効を待つリスクは本当に低いのでしょうか?

申告漏れと時効

実は申告漏れに気づいても放置すると重加算税が最大40%まで跳ね上がります。

この記事の3つのポイント
📅
時効期間の原則

輸入申告の更正期間は原則5年、悪質な場合は7年に延長される

⚠️
修正手続の期限

更正の請求は輸入許可日から5年以内、修正申告は税関長の増額更正があるまで可能

💰
放置のリスク

申告漏れを放置すると延滞税に加え、重加算税が最大40%課される可能性がある

申告漏れ時効の基本的な考え方

通関業務における申告漏れの時効は、正確には「除斥期間」と呼ばれます。これは税関長が更正や決定を行える期限を定めたものです。
輸入申告の場合、税関長による更正は法定納期限等から原則として5年を経過した日以後においてはできません。つまり、輸入許可を受けた日から5年が経過すれば、税関は追加で税金を徴収する権限を失います。
参考)関税の納税申告の際の修正、補正、更正、是正の意味:日本


ただし、これは一般的な申告ミスの場合です。

申告漏れ時効が7年に延長されるケース

悪質性が認められる場合、時効期間は7年に延長されます。具体的には以下のような行為が該当します。
参考)脱税による税務調査の時効は5年?7年?罰金やペナルティについ…



  • 申告漏れや誤りが極めて多額である場合

  • 虚偽の資料を作成して申告漏れを隠蔽した場合

  • 組織的に不正を行っていた場合

税務調査の文脈では、「偽りその他不正の行為」があった場合に7年の枠組みに移行すると明記されています。通関業務においても同様の基準が適用される可能性があります。
参考)無申告の時効はいつ成立する?その仕組みとリスクを徹底解説

7年への延長は余程のことがない限り適用されません。しかし、意図的な脱税と判断されれば、過去7年分まで遡って調査される点に注意が必要です。
参考)税務調査の時効は5・7年!年数による違いや対処法を紹介


申告漏れ発見時の修正申告手続

申告内容に誤りがあった場合、自ら修正申告を行うことができます。修正申告ができる期間は、税関長の増額更正があるまでです。
参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/pdf/FAX1305.pdf


具体的な手続きは次の通りです。​


  1. 誤っていた納税申告と正しい納税申告の両方の内容を記載

  2. 関税修正申告書(税関様式)を納税申告をした税関官署に提出

  3. 税関が内容を検討し、認められれば訂正が完了

修正申告は自発的に行うことが重要です。税関の事後調査で指摘される前に自主的に申告すれば、ペナルティが軽減される可能性があります。
参考)税関申告漏れに際して修正自主申告時の罰則等の取扱いについて

申告漏れによる更正の請求期限

逆に、納めるべき税金が多かった場合には更正の請求を行います。更正の請求ができる期間は、原則として貨物の輸入の許可を受けた日から5年以内です。
更正の請求手続きでは、関税更正請求書(税関様式C-1030)を納税申告をした税関官署に提出します。税関がその内容を検討して納める税金が多いと認めた場合には、減額更正が行われます。​
つまり、5年以内であれば還付を受けられます。請求書には、訂正の理由・根拠資料・正しい税額の計算を明示し、証拠となる書類を添付する必要があります。
参考)コラム|ON税理士法人

申告外貨物発見時の通関遅延リスク

通関手続き中に申告外の貨物が発見されると、税関はその貨物を精査し、場合によっては通関を一時停止します。これは輸出入規制違反の可能性を検討しなければならないためであり、手続きが長期化する原因になります。
参考)輸入の申告漏れで貨物が止まる!?通関トラブル事例1

代表的な申告漏れのケースは以下の通りです。​


  • 予備の化粧箱

  • 無申告の貨物

  • サンプル品の混入

  • 贈答品の無申告

  • 作業員の工具の混入

申告漏れが発生すると税関で貨物が止まり、長期の遅延や罰則の可能性があります。事前確認を徹底し、インボイスとパッキングリストの内容を正確に申告することが重要です。​

申告漏れ放置時の罰則とペナルティ

申告漏れを放置した場合、複数のペナルティが課されます。まず延滞税が発生します。放置している期間が長いほど、延滞税の負担が増大します。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/retroactive-tax-return/

さらに加算税も課されます。税務調査の文脈では、無申告の場合に無申告加算税が課され、悪質な隠蔽があれば重加算税が課されます。重加算税は最も重いペナルティです。
中国の事例では、国の税金徴収に影響を及ぼす場合には、納付漏れの税金の30%以上2倍以下の罰金が科されるとされています。日本でも同様に、申告漏れの金額や悪質性に応じて重いペナルティが科される可能性があります。​
税関公式サイトの修正申告・更正の請求に関する詳細情報
刑事罰の可能性もあります。正当な理由がないのに期限内に申告をしなかった場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることがあります。
参考)【贈与税時効は原則6年】時効が成立しない理由と申告漏れリスク…

申告漏れ時効成立の現実性

理論上は5年または7年で時効が成立しますが、実際に時効が成立する可能性は極めて低いです。税務署から督促状が届いたり、一部でも税金を納付すると時効が更新されるため、時効が成立するのは不可能といっても過言ではありません。
税関の事後調査は毎年実施されています。2020年7月から2021年6月までの1年間の輸入事後調査では、多くの申告漏れが発見され、追徴税額が発生しています。ある事例では、申告漏れ課税価格が2億4,101万円、追徴税額が2,201万円に達しました。
参考)2021年 税関事後調査結果の総括(非居住者輸入の申告価格誤…

つまり、時効を待つ戦略は現実的ではありません。
申告漏れに気づいた時点で速やかに修正申告を行うことが、延滞税や加算税の負担を最小限に抑える最善の方法です。自主的な申告であれば、税関も比較的寛容に対応する傾向があります。​
通関業務従事者としては、日常的な申告内容の確認体制を整備し、ダブルチェックの仕組みを構築することが重要です。インボイス、パッキングリスト、契約書などの書類を照合し、申告前に漏れがないか確認する習慣をつけましょう。


私が日本語でリサーチ結果をもとに記事を作成します。