更正の意味と通関業務での手続き

通関業務における「更正」とは、税関長が納税申告の税額を正しい額に訂正する重要な手続きです。修正申告や是正との違い、期限や加算税のリスクを知らないと損をする可能性があります。あなたの申告は本当に正しいですか?

更正の意味と通関業務での手続き

修正申告しても加算税は免除されません。


この記事のポイント
📋
更正とは税関長による税額訂正

納税申告の税額が誤っていた場合に、税関長が職権で正しい税額に変更する手続き

⚖️
増額更正と減額更正がある

税額を増やす更正と減らす更正があり、それぞれ手続きと影響が異なる

期限は原則5年以内

輸入許可日から5年以内に手続きを行う必要があり、期限を過ぎると権利を失う

更正の意味と通関における基本的な定義


更正とは、税関長納税申告された税額を正しい額に変更する手続きのことです。通関業務では、輸入者が申告した関税額や内国消費税額に誤りがあった場合、税関長が職権に基づいて税額を訂正します。


この手続きには増額更正と減額更正の2種類があります。増額更正は納付すべき税額を増やす場合、減額更正は税額を減らす場合に行われます。


つまり税関側の権限です。



参考)https://tomorrowstax.com/knowledge/2023071911984/


更正は税務署長が行う税務上の更正と同じ概念です。課税の適正を図るため、調査に基づいて確定した税額を変更する権限が税関長にあります。


納税者にとっては重要な是正機会ですね。


更正と修正申告の意味の違いを理解する

修正申告は納税者自らが税額の誤りを訂正する手続きです。これに対し更正は税関長が職権で行う点が大きく異なります。修正申告は「自主的な訂正」、更正は「税関による訂正」という違いですね。


参考)修正・更正申告について。 - 通関士ブログ


修正申告が可能なのは、申告税額が本来納付すべき額より過少だった場合のみです。一方、更正は過少・過大どちらの場合にも適用されます。納税者が自ら「税金が少なすぎた」と申し出るのが修正申告、税関が「税額を直す必要がある」と判断するのが更正ということです。


参考)修正申告や更正の請求とは!?延滞税の計算についても解説! -…


修正申告は輸入許可日から5年以内に行えます。この期間内であれば、納税者の判断で手続きできます。ただし税関の調査通知を受ける前に自主的に行えば、過少申告加算税は免除されます。


具体的な例を見てみましょう。輸入者がHSコードを誤って申告し、本来20%の関税率のところを10%で申告したとします。この場合、輸入者が自ら気づいて訂正すれば修正申告、税関の事後調査で発覚して訂正されれば更正となります。


どちらの対応かで加算税の有無が変わります。


更正の請求の意味と納税者からの申し出

更正の請求とは、納税者が「税金を払いすぎた」と判断したときに税関長に減額更正を求める手続きです。


つまり納税者側からの申し出ですね。



この請求ができる期間は、原則として輸入許可日から5年以内です。例えば2021年4月1日に輸入許可を受けた貨物なら、2026年3月31日までに請求する必要があります。


期限が過ぎると権利を失います。



更正の請求が認められるケースは限定されています。計算間違いや税率の適用誤り、控除の計上漏れなど、客観的に税額が過大だったと証明できる場合のみです。税関がその内容を検討し、納める税金が多いと認めた場合に還付されます。


参考)更正の請求とは?期限や書き方を理解する


後発的理由による特例もあります。法定申告期限から5年を過ぎた後でも、判決や和解などで納税額が過大になった場合は、その事由が生じた日から2ヶ月以内に請求できます。


例外規定ですが知っておくと役立ちます。



参考)https://tomorrowstax.com/knowledge/2023102912229/


更正と是正の意味の違いと適用場面

是正は更正の一形態で、輸入許可前に行われる税額訂正のことです。通常の更正が輸入許可後に行われるのに対し、是正は許可前という点が特徴です。


タイミングの違いですね。



参考)『関税の納税申告の際の「修正」、「補正」、「更正」、「是正」…


是正が適用されるのは3つの条件を満たす場合のみです。①関税納付前、②輸入許可前、③減額更正の3つです。納税者が減額更正の請求をする際、許可前であれば税関長に口頭で申し出ます。


参考)https://tsukanshi.mhjcom.jp/1point/10481.html


税関長が是正すべき理由があると認めた場合、先に提出した輸入申告書の税額を朱書きで訂正します。


納付書も是正後のものと差し替えられます。


手続きが簡素ですね。


是正のメリットは、輸入許可前に処理できるため通関がスムーズになることです。例えば、納税申告後に特恵税率の適用漏れに気づいた場合、許可前なら是正で対応できます。許可後だと正式な更正の請求手続きが必要になり、時間がかかります。


更正における加算税と延滞税の意味

増額更正により納めなければならない税金には、過少申告加算税が課されます。これは申告税額が少なかった場合のペナルティです。税率は増加税額の10%が基本で、期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分には15%が適用されます。


延滞税も発生します。法定納期限(通常は輸入許可日)の翌日から納付日までの期間に対して課されます。計算式は「未納額×利率×日数÷365」です。例えば30万円の追加税額を2ヶ月遅れで納付した場合、約1,200円の延滞税がかかります。


税関の調査通知を受ける前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税は免除されます。


しかし延滞税は必ず発生します。


誤りに気づいたら直ちに対応することが重要です。


加算税・延滞税を避けるための対策として、申告前のダブルチェック体制が有効です。HSコード、原産地、課税価格の確認を複数人で行うことで、申告ミスのリスクを大幅に減らせます。通関業者に依頼している場合も、社内で最終確認する習慣をつけましょう。


更正の意味を理解して通関業務に活かすポイント

更正の手続きを正しく理解することで、不要な加算税や延滞税を回避できます。申告内容に誤りがないか、輸入許可前に必ず確認してください。特にHSコードや原産地証明の確認が重要です。


過大申告に気づいた場合は、5年以内に更正の請求を行いましょう。


還付を受ける権利を放棄することになります。


例えば100万円の貨物で税率を誤って20%で申告し、本来10%だった場合、10万円が無駄になります。


税関の事後調査に備えて、申告書類と根拠資料は5年間保管してください。インボイス、パッキングリスト、原産地証明書などを整理しておけば、調査時にスムーズに対応できます。デジタル化して検索しやすくしておくとさらに便利です。

通関業者に委託している場合でも、自社で申告内容を理解することが大切です。


最終的な納税責任は輸入者にあります。


定期的に通関実績を確認し、疑問点があれば通関業者に質問する習慣をつけましょう。

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