HSコードの誤記で重加算税35%が課されます。
日本へ商品を輸入する際の関税率を調べるには、税関ウェブサイトに掲載されている実行関税率表を使うのが最も確実です。この表には原産国と品目、関税率の組み合わせが約1万品目あり、輸入者は最も適した関税率を見つけられます。
参考)関税率の調べ方
実行関税率表は頻繁に改定されるため、常に最新版を確認する必要があります。税関ウェブサイトでは最新のものが一番上に表示されるので、そちらを選択しましょう。古い税率表を参照すると、実際の通関時に異なる税率が適用される可能性があります。
参考)タリフとは?|実行関税率表の見かた入門 – EC…
税関のサイトから「輸入統計品目表(実行関税率表)」のページにアクセスし、商品カテゴリをたどって分類します。最初に大分類の「類」を選び、次に「項」、さらに細かい「号」へと進んでいくと、最終的に9桁の統計品目番号が確定します。
参考)HSコードとは?初心者向けに分類方法と確認手順をやさしく解説…
統計品目番号を決定したら、確認したい税率の列と統計品目番号の行が交差する部分で関税率を確認します。基本税率、暫定税率、WTO協定税率、特恵関税率など複数の税率が記載されているため、輸入条件に応じて適用される税率を選択する必要があります。
参考)実行関税率表(輸入統計品目番号表)の見方について 画像ととも…
税関の実行関税率表ページ
最新の関税率表や品目分類の詳細情報を確認できます。
実行関税率表を直接見る方法に加えて、無料で利用できるHSコード検索ツールを活用すると効率的です。WebタリフやHS CODERなどのツールでは、商品名や特徴をキーワードで検索すると、該当する可能性のあるHSコードと関税率が表示されます。
Webタリフでは「原産国」と「HSコード」を入力すると該当する実行関税率表が表示される仕組みです。調べたい製品の品目名を入力すると、HSコードの候補とその引用文が表示され、引用文の文脈から該当するコードを判断できます。
JETROが提供するWorld Tariffは世界各国の関税率をHSコードから検索できるサービスで、日本の居住者であれば誰でも無料で活用できます。テキスト検索機能を活用すれば、関税率の低いHSコードを発見することも可能です。
参考)【関税率チェックツール】ワールドタリフ(WorldTarif…
ただし、これらのツールはあくまで候補を提示するものです。最終的な判断は輸入者の責任となるため、不明確な場合は税関に確認することが重要です。
輸入前に正確な関税率を知りたい場合、税関の「事前教示制度」を利用すると安心です。この制度では、商品のHSコードと関税率について税関から文書による公式回答が得られ、その回答は原則3年間尊重されます。
事前教示の手順は、まず電話で税関に問い合わせることから始まります。「●●(国名)から●●(商品名)を輸入する予定です。関税の事前教示をインターネットを利用して照会したいです」と伝えると、必要な手続きを案内してもらえます。
参考)関税事前教示の手順・方法(輸入前に関税率を調べる)│中国輸入…
次にインターネット専用の「事前教示に関する照会書」をメールで送信し、税関からの返信を元に修正します。その後、文書専用の照会書を作成して税関に郵送する流れです。申請時には製品写真、仕様書、図面、カタログなどの情報を添付します。
参考)HSコードの違いで税率が3倍に!?~分類ミスによるリスクと事…
他者が同一品目について事前教示を受けている場合、税関ウェブサイトの事前教示回答事例で検索すれば、すぐに税率が分かることもあります。これは非常に効率的です。
参考)輸入する商品の関税率の調べ方
輸入申告の際には、NACCSの「事前教示(品目)」欄に回答書番号を入力するか、申告書類に添付して提出します。全国どこで輸入されても有効なので安心です。
参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/panphlet_bunrui.pdf
税関の事前教示回答ページ
過去の事前教示回答事例を検索できます。
HSコードの誤記は単なるミスでは済まされず、重大な法的リスクを伴います。意図しない誤記であっても過少申告となれば追徴課税の対象となり、過少申告加算税10%が課される可能性があります。
より深刻なのは、意図的に低税率コードを使用した場合です。故意に関税を逃れるケースは脱税に該当し、税関から重加算税35%や、関税法違反による刑事告発の対象とされます。継続的に同じ誤りをしている場合には特に厳しい対応が予想されます。
実際にHSコードのミスで関税率が3倍に引き上げられ、大きな追徴課税を受けた事例があります。同じ商品なのに税関から「これは別の分類になる」と指摘されるケースは少なくありません。HSコードは必ずしも自明ではなく、判断が難しいケースも多々あります。
税関事後調査では、HSコードの妥当性について厳しく精査されます。同業他社と異なるHSコードの利用が続いている場合などは疑念が強くなるため、分類根拠を明確に説明できる準備が必要です。
分類ミスが起きる主な原因は以下の通りです。
分類は税関がインボイスやカタログだけで判断するとは限りません。実物の構造や機能に基づくため、申告者側の理解と準備が重要です。
商品ごとに社内で分類根拠台帳を整備することが重要です。HSコード、関税率、過去申告実績を記録しておくと、後から検証する際に役立ちます。
新製品や仕様変更時には必ず再確認を実施しましょう。過去に使用していたHSコードがそのまま適用できるとは限りません。商品の機能や構成が変われば、分類も変わる可能性があります。
通関業者任せにせず、輸入者として自ら分類を把握・理解することが不可欠です。最終的な責任は輸入者にあるため、通関業者の判断を鵜呑みにせず、自社でも確認する体制を構築してください。
分類が不明確な場合は早めに事前教示を依頼しましょう。事後に誤りが発覚するよりも、事前に正確な判断を得ておく方がリスクを大幅に低減できます。誤りが判明した場合は、修正申告の要否とリスクを弁護士等に相談することも検討すべきです。
商品の仕様書、カタログ、写真などの証拠資料を整備しておくと、税関からの問い合わせに迅速に対応できます。これらの資料は事前教示の申請時にも必要となるため、常に最新のものを保管しておきましょう。
輸入量が大きい場合は、対応経験のある弁護士等に事前確認を依頼することも有効な選択肢です。専門家の知見を活用することで、複雑な分類判断のリスクを軽減できます。
関税率を効率的に調べるには、まず6桁の国際共通HSコードで「アタリ」をつけてから、日本固有の9桁レベルで詳細を確認する方法が効果的です。6桁までは世界共通なので、輸出先国の関税率も同様の手順で調べられます。
実行関税率表では、基本税率、暫定税率、WTO協定税率、特恵関税率など複数の税率が記載されています。基本的にはWTO税率と特恵関税率を比較することが多くなります。WTO加盟国からの輸入は基本税率ではなくWTO税率を使用するためです。
参考)関税率、特恵関税率の調べ方 – 関税削減.com【HSコード…
暫定税率は、事情により関税を一時的に高くしたり低くしたりする必要がある場合に期間限定で使用されます。この税率が適用される期間は限定的なので、輸入時期によって税率が変わる可能性に注意が必要です。
サンプルや個人貿易、小ロットの場合は「簡易税率」が適用されることがあります。簡易税率は手続きを簡素化するための制度で、通常の実行関税率表とは異なる税率体系です。輸入規模が小さい場合は、この制度の適用可否を確認しましょう。
EPAやFTAを活用できる場合、特恵税率の適用により関税率がゼロになることもあります。ただし特恵税率の適用を受けるためには、輸出製品に適用できる原産地規則等を確認し、必要な証明書を取得する必要があります。
複数のHSコードが候補として挙がった場合、それぞれの関税率を比較検討することで、適切な分類と同時にコスト最適化も図れます。ただし、税率の低さだけを理由に不適切なコードを選択すると、前述の法的リスクを招くため、あくまで正確な分類が前提です。