通関業者大手選び実績とコスト比較

通関業務従事者が知っておきたい大手通関業者の選び方から、実績やAEO認定の重要性、料金体系まで徹底解説。あなたの業務を効率化するために必要な情報をすべてお伝えします。大手と中小の違いは何でしょうか?

通関業者大手選び実績とコスト

大手業者に任せれば検査率が5割上がります。


この記事のポイント
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大手通関業者の特徴

日本通運やDHLなど大手は全国対応力と豊富な実績が強みだが、小口貨物では対応を断られるケースも

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通関料金の相場

輸入通関料は大額で11,800円、少額で8,600円が目安。取扱料金は1件あたり10,000~30,000円

AEO認定の重要性

AEO認定業者なら税関手続きが簡素化され、検査率も低下。リードタイム短縮とコスト削減が実現

通関業者大手ランキングと実績

日本の大手通関業者として、日本通運、DHLグローバルフォワーディングジャパン、DBシェンカー、近鉄エクスプレスなどが挙げられます。これらの企業は世界的なネットワークを持ち、年間数十万件以上の通関実績を誇ります。


参考)Portrich


大手通関業者の最大の強みは、全国の主要港湾・空港に拠点を持ち、24時間体制での対応が可能な点です。例えば日本通運は東京、横浜、神戸、名古屋など主要9港湾すべてに通関部門を配置しており、どの地域からでも迅速な手続きが期待できます。


実績の豊富さは通関業務において極めて重要です。


なぜなら、実績が少ない業者は税関検査の対象になりやすい傾向があるからです。税関は過去の申告実績やコンプライアンス体制を評価して検査対象を選定するため、大手業者を利用することで検査による遅延リスクを軽減できます。


参考)通関業者とフォワーダー・乙仲の違いは?業務内容やおすすめ大手…

一方で、大手業者には小口貨物に対応しない場合があるというデメリットも存在します。少量の輸入案件では中小規模の通関業者の方が柔軟に対応してくれるケースも多いため、貨物の規模に応じた業者選びが必要です。


参考)https://logimeets.jp/column/difference-forwarder-and-middleman

通関業者大手と中小のコスト比較

通関代行の基本料金は、輸入通関料(大額)が11,800円、輸入通関料(少額)が8,600円が一般的な相場です。これに加えて、輸入取扱料金として1件あたり10,000~30,000円、税関検査立会費用として5,000~10,000円が発生します。


参考)おすすめの輸入・輸出・通関代行業者【77社】を比較、一括見積…


大手通関業者と中小業者のコスト差は、基本料金よりも取扱料金の部分で顕著に表れます。大手は標準化された料金体系を持つ一方、中小業者は貨物の種類や頻度に応じて柔軟な価格設定が可能なケースが多いです。

自社で通関手続きを行うことも理論上は可能ですが、専門知識の習得と手続きの煩雑さを考慮すると、通関業者への委託の方が時間とコストの面で効率的です。特にHSコード(商品分類コード)の誤分類は過少申告と判断され、重加算税のリスクにつながるため、専門家の活用が推奨されます。


つまり費用対効果で判断すべきです。


単純な料金比較だけでなく、通関ミスによる遅延コストや税関検査の発生確率も含めて総合的に評価することが、真のコスト削減につながります。


通関業者AEO認定のメリット

AEO(Authorized Economic Operator)制度とは、セキュリティ管理と法令遵守体制が整備された事業者を税関が認定し、通関手続きの簡素化などの特典を付与する制度です。日本では財務大臣の承認を受けた通関業者がAEO認定通関業者として登録されています。


AEO認定業者を利用する最大のメリットは、輸出入の税関検査率が大幅に低下することです。一般的な通関業者と比較して、AEO認定業者を通じた貨物は優先的に処理され、物理検査の対象になる確率が低くなります。


参考)AEO(認定通関業者)とは AEO制度の概要やメリットととも…


具体的な優遇措置として、AEO通関業者は特定委託輸出申告と特定委託輸入申告が可能になります。特定委託輸出申告では保税地域に入ることなく輸出許可を受けられ、特定委託輸入申告では貨物が日本に到着する前に輸入許可が取得できます。

これは大きな時間短縮です。


通常であれば貨物の到着後に通関手続きを開始しますが、AEO業者なら事前に許可を得られるため、港湾での滞留時間が最小限になり、サプライチェーン全体の効率が向上します。


通関業者選び専門性と対応力

通関業者を選ぶ際には、自社が扱う商品に対する専門知識と実績の有無を最優先で確認すべきです。食品・アパレル・精密機器・化学品など、業界ごとに固有の規制や必要な許認可が異なるため、該当分野での経験が豊富な業者を選ぶことが失敗を防ぐ鍵となります。


専門性の確認方法として、日本通関業連合会のウェブサイトや国際フレイトフォワーダーズ協会の会員リストを活用できます。これらの団体に加盟している業者は一定の信頼性があり、取り扱い品目や得意分野も公開されているケースが多いです。


通関業者の対応力も重要な選定基準です。


貨物の遅延や税関からの問い合わせなど、想定外のトラブルが発生した際に迅速に対応できる体制が整っているかを事前に確認しましょう。特に他法令(薬機法、電波法など)に関わる商品を扱う場合、規制品目の見落としは輸入差止や廃棄処分のリスクにつながります。


海外ネットワークの有無も評価ポイントになります。取引相手国で同様の通関業務を行う法人や契約代理店を持つ業者なら、輸出国側でのトラブルにも一貫して対応できるため、国際物流全体の安定性が高まります。

通関業者任せのリスクと対策

「専門家に頼んでいるから大丈夫」という考え方は、通関業務において最も危険な落とし穴です。通関業者はあくまで輸入者が提供した情報に基づいて申告手続きを行うため、最終的な責任は常に輸入者自身に帰属します。

よくある「通関業者任せ」のリスク事例として、HSコードの誤分類が挙げられます。業者が判断したHSコードが実際の商品と合っていない場合、税率が大幅に異なり、税関から過少申告と判断されて重加算税が課される可能性があります。

原産地や価格の確認不足も深刻な問題です。インボイスや契約書の記載内容が曖昧でも、業者がそのまま申告してしまい、後日税関調査で否認されるケースが実際に発生しています。

規制品目の見落としは致命的です。


薬機法や電波法の対象となる商品でも、業者が気づかずに申告してしまうと、輸入差止や廃棄の対象になり、金銭的損失だけでなく取引先との信頼関係も失われます。

リスク回避のために、輸入者自身が以下の情報を正確に把握し、通関業者に提供することが不可欠です。商品の正確な品名・用途・成分、取引条件や価格の根拠、該当する規制法令の確認、原産地証明書などの必要書類の準備です。通関業者とのコミュニケーションを密にし、疑問点があれば申告前に必ず確認する姿勢が、トラブルを未然に防ぐ最大の対策となります。

通関業者大手の独自視点での活用法

大手通関業者の真の価値は、単なる通関手続きの代行だけでなく、グローバルなサプライチェーン最適化のパートナーとして機能する点にあります。特に複数国からの輸入や複雑な三国間貿易を行う企業にとって、大手業者の国際ネットワークは計り知れない価値を持ちます。


参考)https://www.emergenresearch.com/jp/blog/%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%9710-%E5%A4%A7%E6%89%8B-%E4%BC%81%E6%A5%AD-%E3%82%A4%E3%83%B3-%E3%82%B6-%E7%A8%8E%E9%96%A2-%E4%BB%B2%E4%BB%8B-%E5%B8%82%E5%A0%B4-%E3%82%A4%E3%83%B3-2023

大手業者の多くは相互承認AEO制度の恩恵を受けられる体制を整えています。日本が相互承認協定を結んでいる国(アメリカ、EU、シンガポールなど)との取引では、相手国でも優遇措置を受けられるため、輸出入双方で通関時間が短縮されます。


参考)https://service.shippio.io/glossary/aeo


データ分析による継続的な改善提案も、大手ならではのサービスです。


年間の通関実績データから、繰り返し発生する遅延の原因分析や、HSコードの最適化による関税削減の提案など、単発の通関業務を超えた戦略的なコンサルティングを受けられるケースが増えています。これは中小業者では難しい、大量のデータと専門人材を持つ大手ならではの強みです。


一方で、業務量が少ない段階では中小の専門業者と関係を構築し、事業拡大に伴って大手への移行を検討するという段階的アプローチも有効な戦略となります。初期段階では柔軟な対応と細やかなサポートを重視し、規模が拡大したタイミングで大手のスケールメリットを活用する方法です。

通関業者の選択は、現在の業務量だけでなく、3~5年後の事業計画も見据えた戦略的な判断が求められます。取引量の増加、取扱品目の拡大、進出予定国の通関環境など、将来的な変化を想定した上で、自社の成長とともにスケールできる業者を選ぶことが、長期的な競争力強化につながります。