仕入価格が漏れると取引停止もある
三国間貿易とは、仲介者を含む3ヵ国が関わる貿易取引のことです。通常の二国間貿易では、売主と輸出者、買主と輸入者が一致しますが、三国間貿易では仲介者が売買の中心となり、実際の物流ルートとは異なる商流が形成されます。
参考)【図解付】三国間貿易とは?メリットやインボイス作成の注意点を…
具体的には、日本企業が仲介者として中国から商品を仕入れ、アメリカの顧客に販売するケースが典型例です。この場合、商品は中国からアメリカへ直送されますが、金銭のやり取りは日本企業を介して行われます。
つまり3つの契約が存在するということですね。
仲介者は輸出者と輸入者の間に立ち、双方と別々の売買契約を結びます。輸出者は仲介者に商品を販売し、仲介者は輸入者に販売するという二重構造になっています。商品自体は仲介国を経由せず、輸出国から輸入国へ直接輸送される点が特徴です。
参考)https://www.digima-japan.com/knowhow/world/20498.php
三国間貿易の最大の特徴は、商流(お金の流れ)と物流(商品の流れ)が異なる点にあります。商品は輸出者から輸入者へ直送されるため、仲介者の国を物理的に通過することはありません。
一方、商流では仲介者が中心的な役割を果たします。輸出者は仲介者に代金を請求し、仲介者は輸入者に代金を請求するという構造です。仲介者は輸出者からの仕入価格にマージン(手数料)を上乗せして輸入者に販売することで利益を得ます。
参考)三国間貿易とは?取引の仕組みを図解で分かりやすく解説!
この仕組みにより、輸出者は販路開拓や代金回収のリスクを軽減でき、輸入者は信頼できる仲介者を通じて取引できるというメリットが生まれます。物流と商流を分離することで、3者それぞれにメリットがあるのが三国間貿易の特徴です。
参考)三国間貿易とは?そのメリットやリスク、留意点を解説します。|…
三国間貿易は、企業が直接取引できない、または直接取引するよりも効率的な場合に活用されます。例えば、国情として直接取引ができない場合や、商品的に直接販売できない場合などが該当します。
販売先の信用性が低い場合、信頼できる仲介者を挟むことでリスクを軽減できます。また、自社が販路を持たない国や地域への販売を促進したい場合にも有効です。輸出者にとっては、仲介者に代金回収を任せられるため、回収リスクのヘッジになります。
参考)https://www.digima-japan.com/knowhow/world/20498.php/1000
輸入者側では、自国で販売していない商品や貿易関係のない国の商品を入手できる点がメリットです。売買契約に関する交渉を行う手間とコストが少なく、注文した商品が届かない、不良品が送られてくるなどのリスクも回避できます。
結論は双方の信用リスク軽減です。
三国間貿易の最も大きなメリットは、輸送コストの削減です。商品が仲介国を経由せず輸出国から輸入国へ直送されるため、二重の輸出入費用や通関費用が発生しません。輸送期間も短縮され、納期の面でも有利になります。
仲介者が日本企業の場合、消費税の扱いも大きなメリットとなります。商品が日本国内に搬入されないため、仲介者の売上は国外取引となり、消費税の課税対象外です。
つまり消費税がかからないということですね。
参考)三国間での取引(三国間貿易)があった場合の消費税の取り扱い
輸出者と輸入者の両国間でFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)が締結されている場合、仲介者が間に入っていても輸入時の関税が優遇されます。仲介者は輸出者との仕入価格にマージンを乗せることで、在庫リスクなしで売上を計上できるのも魅力です。
三国間貿易では、輸出者と仲介者がそれぞれ別のインボイスを作成します。二国間貿易では輸出者と売主、輸入者と買主が一致しますが、三国間貿易ではそれぞれの立場によって売主や買主が変わるため、記載内容に注意が必要です。
輸出者が作成するインボイスでは、輸出者(Shipper)と売主(Seller)が輸出者自身、輸入者(Consignee)が実際の輸入者、買主(Buyer)が仲介者となります。一方、仲介者が作成するインボイスでは、輸出者(Shipper)が輸出者、売主(Seller)と買主(Buyer)が仲介者と輸入者になります。
インボイスに記載されている三者の関係性が不明確だと、税関から質問を受け、通関が長引く可能性があります。場合によっては、輸入国の税関が仲介者と輸出者の両方のインボイス提出を求めることもあるため、細心の注意が必要です。
三国間貿易において最も注意すべきなのは、仲介者の仕入価格が輸入者に漏れないようにすることです。仲介者の販売価格には輸出者の元値にマージンがプラスされているため、元値が判明すると仲介者の利益率が露呈してしまいます。
参考)「三国間貿易」取引をするときに知っておくべき注意点
この問題を防ぐため、輸出者が作成するインボイス(買主が仲介者と記載されたもの)を輸入者の手に渡らないようにする必要があります。実務上は、輸出者から輸入者へ商品を送る際、インボイスは仲介者のものだけを添付し、輸出者のインボイスは別途管理します。
税関が両方のインボイス提出を求める場合は、輸入者に見られないことを条件に、輸入者のフォワーダーに書類を送るなどして対応します。仕入価格の機密保持は仲介者にとって極めて重要で、これが守れないと今後の営業に大きな影響が出ます。
原価を守ることが基本です。
三国間貿易でFTAやEPAの特恵関税を利用する場合、原産地証明書の取り扱いに特別な注意が必要です。特恵関税は、第三国から輸入した物品を日本から別の国に再輸出するケースでは適用されません。
参考)https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/wto-fta/epa/pdf/epa_fta_04.pdf
付加価値基準を使って原産性を証明する場合、原産地証明書に輸出国のFOB価額の記載が要求されます。しかし、この価格と仲介者が発行するスイッチインボイスの価格が異なるため、整合性に注意が必要です。
参考)https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/wto-fta/epa/pdf/epa_fta_05.pdf
原産地証明書の発給には、輸出者が生産者と協力して原産品判定を受ける必要があり、証明資料の提出も求められます。三国間貿易でFTA特恵を受けるには、商品が真に原産品であることを確認し、迂回貿易にならないよう慎重に対応することが求められます。
三国間貿易は二国間貿易よりも取引が複雑で、手間や手数がかかるというデメリットがあります。二国間貿易でも発生するリスクは同様に存在し、納期遅れや品質不良によりクレームが発生した場合、2つの国を立ち回らなければなりません。
通関業務従事者として特に注意すべきは、書類の整合性です。誰が売主か、どこが輸出入の当事者かが明確でないと、税務トラブルに発展する可能性があります。原産地証明やHSコードの理解も不可欠で、「どこから来た商品なのか」が厳しく問われます。
参考)三国間貿易とは? 〜“直接やりとりしない”のに成り立つ不思議…
支払いや信用リスクの分散管理も重要です。実際にモノを送らない「中間者」である仲介者に信用を置いてもらえるかは、契約条件や実績に大きく左右されます。これらのリスクを理解し、適切な書類管理と関係者との円滑なコミュニケーションを維持することが、通関業務従事者には求められます。
サンプランの三国間貿易解説(インボイス作成の詳細な図解あり)
パソナの三国間貿易インボイス作成ガイド(実務者向け具体例)

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