所有権移転登記 費用 計算の内訳と税率軽減措置の活用法

輸入物件や貿易関連不動産の所有権移転登記にかかる費用はどう計算する?登録免許税の税率や司法書士報酬の相場、通関業務従事者が知っておくべき計算方法を具体例とともに解説。費用を抑えるポイントは?

所有権移転登記 費用 計算

贈与や財産分与なら登録免許税が相続の5倍かかります。

この記事で分かる3つのポイント
💰
登録免許税の計算式

固定資産税評価額×税率で算出。売買・相続・贈与で税率が大きく異なる

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費用の内訳4項目

登録免許税・証明書取得費・必要書類費・司法書士報酬の合計額を把握

⚖️
軽減措置の適用条件

2026年3月まで土地の売買は1.5%。期限後は2.0%に上昇するため注意

所有権移転登記にかかる費用の全体像


所有権移転登記には主に4つの費用項目があります。登録免許税、登記事項証明書の取得費用、必要書類の取得費用、司法書士報酬です。この中で最も高額になるのが登録免許税で、不動産の固定資産税評価額に応じて数十万円単位の支払いが発生します。
参考)所有権移転登記の費用はいくらかかる?内訳や計算方法、司法書士…

通関業務従事者が輸入関連物件や倉庫などの事業用不動産を扱う際、所有権移転の理由によって税率が大きく変わる点に注意が必要です。売買は2026年3月まで1.5%、相続は0.4%、贈与と財産分与は2.0%という税率の違いがあります。つまり贈与は相続の5倍の登録免許税がかかるということですね。
参考)登録免許税の計算|土地(所有権移転登記)

例えば固定資産税評価額2,000万円の不動産の場合、相続なら8万円で済むのに対し、贈与では40万円もの登録免許税を納める必要があります。この32万円の差額は、通関業務で扱う貨物の関税額に匹敵する金額です。書類取得費は全体で数千円から2万円程度、司法書士報酬は案件の複雑さに応じて5万円から15万円が相場となっています。
参考)所有権移転登記の費用はいくら?相場やケース別シミュレーション…


所有権移転登記の登録免許税 計算方法

登録免許税の計算式は「固定資産税評価額×税率」です。固定資産税評価額は、毎年送付される固定資産税の納税通知書で確認できます。または市区町村役場で固定資産評価証明書(1件あたり300円程度)を取得して調べることも可能です。
参考)https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001443859.pdf


計算時には1,000円未満を切り捨てます。例えば固定資産税評価額が5,125,300円の土地を売買する場合、まず5,125,000円に切り捨て、税率1.5%(2026年3月まで)を掛けると76,875円となります。さらに100円未満を切り捨てるため、最終的な登録免許税は76,800円です。​
法務局公式の登録免許税計算書(PDF)
登録免許税の具体的な計算例が複数掲載されており、土地と建物を同時に申請する場合の計算方法も確認できます。
土地と建物を同一申請書で申請する際は、それぞれの課税標準に税率を掛けた後、合算した金額が登録免許税になります。通関業務で複数の物件や倉庫を一括で取得する場合、この計算方法が重要になりますね。​

所有権移転登記の税率と軽減措置の詳細

所有権移転登記の税率は、移転理由によって以下のように定められています。​

移転理由 本則税率 軽減税率(土地) 適用期限
売買(土地) 2.0% 1.5% 2026年3月31日まで
売買(建物) 2.0% 0.3% 一定条件を満たす住宅のみ​
相続 0.4% なし -
贈与・財産分与 2.0% なし -


相続の税率0.4%が原則です。これは他の理由と比べて圧倒的に低い税率となっています。評価額1,000万円の不動産なら4万円、2,000万円なら8万円の登録免許税で済みます。
売買の軽減措置は2026年3月31日までの期限付きです。期限を過ぎると土地の税率が1.5%から2.0%に上昇するため、評価額3,000万円の土地なら4.5万円増(45万円→60万円)、5,000万円なら7.5万円増(75万円→100万円)となります。通関業務で扱う倉庫や事務所物件の取得時期を検討する際、この期限を意識する必要があります。
建物の軽減税率0.3%が適用されるのは、床面積50㎡以上の個人住宅で、中古なら築25年以内(木造は20年以内)または一定の耐震基準を満たす場合のみです。事業用不動産には適用されないため注意が必要ですね。​

所有権移転登記の司法書士報酬の相場

司法書士報酬は自由化されており、事務所ごとに金額が異なります。日本司法書士連合会の報酬アンケートによると、地域別の相場は以下の通りです。

地域 相続登記 売買登記 その他登記
関東エリア 51,909円 65,800円 47,806円
近畿エリア 64,090円 78,326円 54,505円
九州エリア 45,729円 62,281円 41,798円


基本報酬は5万円から10万円程度が目安です。ただし取得・作成する書類が多い場合や手続きが複雑な場合は加算されます。遠方の法務局へ出向く必要があれば日当が発生することもあります。​
通関業務で港湾近くの倉庫物件を扱う場合、管轄法務局が遠方になるケースがあります。そうした場合の追加費用を事前に確認しておくと安心です。相続登記で収集する戸籍謄本類が多い場合は、さらに費用がかかります。​
司法書士に正式依頼する前の面談や無料相談で、事情を伝えた上で費用の見積もりを出してもらうのがおすすめです。相見積もりを取って比較することも可能ですが、事務所によっては「相見積もりはNG」というところもあるため事前確認が必要ですね。​

所有権移転登記の必要書類と取得費用

必要書類の取得費用は全体で数千円から2万円程度が目安です。共通して必要な書類とその費用は以下の通りです。​
📄 基本的な必要書類


  • 住民票の写し:300円程度

  • 固定資産評価証明書の写し:300円程度(不動産1件につき)

  • 印鑑証明書の写し:300円程度

  • 登記原因証明情報:1万円程度(司法書士作成の場合)

土地と建物の両方を取得する場合、固定資産評価証明書は2件分必要になります。つまり600円程度かかるということです。​
所有権移転登記申請書は法務局の窓口でもらうか、法務局ホームページからダウンロードできます。売買の場合、売主側は登記識別情報通知(登記済証)・印鑑証明書・固定資産評価証明書を用意し、買主側は住民票の写しを用意します。​
法務局ホームページ
不動産登記の申請書様式のダウンロードや、管轄法務局の検索ができます。
相続の場合は、亡くなった人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍が必要です。遺産分割協議を行う場合は、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書も必要になります。書類収集のための郵送費や交通費も実費として発生しますね。​

所有権移転登記の費用を抑える方法

登録免許税額は法律で決まっているため、それ以外の費用を抑える工夫が必要です。自分でできることは自分で行うのが基本的な節約方法となります。​
例えば相続登記で、相続人全員の戸籍謄本の写しを集めたり、亡くなった方の戸籍をすべて調べたりする作業を自分で行うことが考えられます。ただし司法書士事務所の中には「登記の手続きは一部ではなくすべてまとめて請ける」という形をとっているところも多いため、書類集めを自分で行っても報酬が安くならない場合があります。​
正式依頼の前に「書類集めなどは自分でするので、その分費用を割り引いてもらえるか」を確認する必要があるということです。​
司法書士報酬自体を抑えるには、複数の事務所から相見積もりを取って比較する方法があります。報酬は自由化されており、事務所ごとに金額が異なるためです。通関業務で複数の不動産取引を定期的に行う場合、信頼できる司法書士と継続的な関係を築くことで、報酬面での優遇が期待できることもあります。​
軽減税率の適用期限(2026年3月31日)を意識した取引時期の調整も、大きな節約につながります。評価額が高い物件ほど、期限前の登記完了による節税効果が大きくなりますね。​




所有権移転登記申請の代理(ゴム印) ヨコ