登記事項証明書オンライン閲覧の手順と通関業務での活用

通関業務従事者が登記事項証明書をオンラインで閲覧・取得する方法を解説。窓口より安い手数料、24時間対応の利便性、証明力の違いなど実務で押さえるべきポイントを網羅。オンライン閲覧と証明書取得、どちらを選ぶべきでしょうか?

登記事項証明書オンライン閲覧

オンラインで閲覧した登記情報は公的書類として使えません。
参考)履歴事項全部証明書と登記情報提供サービスが提供する登記情報P…

📋 この記事のポイント
💰
オンライン閲覧は331円で済む

窓口取得600円に比べて半額近く安く、複数物件調査でコスト差が拡大

即座にPDFで確認可能

申請後すぐダウンロードでき、通関業務の迅速な判断に貢献

📝
証明書が必要なら別途取得

税関提出用には登記事項証明書の原本が求められる場合あり

登記事項証明書オンライン閲覧サービスとは

登記情報提供サービスは、法務省が提供するインターネット経由で登記情報を確認できる有料システムです。登記所が保有する登記情報をパソコンやスマートフォンの画面上で閲覧できます。
参考)サービス概要|登記情報提供サービス


このサービスでは不動産登記や商業・法人登記の内容を即座に確認可能です。通関業務従事者が輸出入企業の法人情報を確認する際に、法務局窓口まで出向く必要がなく業務効率が大幅に向上します。利用時間は平日8時30分から21時まで、土日祝日を含めて利用できる時間帯が設定されています。
参考)登記情報提供サービスとは?料金・時間から使い方まで司法書士が…

提供される情報はPDF形式でダウンロードでき、社内での情報共有も容易です。ただし、このPDFには法的な証明力がないため、公的手続きには使用できません。あくまで情報確認用のツールです。​
通関業務では企業の商号や本店所在地、代表者情報などを迅速に把握する必要があります。登記情報提供サービスを使えば、取引先の基本情報を数分で入手できるのがメリットです。

登記事項証明書との違いと使い分け

登記情報提供サービスの閲覧データと登記事項証明書は全く別物です。最大の違いは法的な証明力の有無にあります。​
登記事項証明書は法務局が発行する公文書で、登記官の認証印が押印されています。銀行での口座開設や融資申込、許認可申請など正式な証明が求められる場面では必ず証明書原本が必要です。一方、登記情報提供サービスで取得したPDFは「登記情報の写し」に過ぎず、認証印がないため公的書類として認められません。​
費用面では登記情報提供サービスが331円、登記事項証明書が窓口請求で600円と約2倍の差があります。複数の企業を調査する場合、この差は無視できません。例えば10社分を調べるなら、登記情報なら3,310円で済みますが証明書だと6,000円かかります。つまり2,690円の差です。​
取得スピードも大きく異なります。登記情報は申請後即座にPDFがダウンロード可能ですが、証明書は郵送なら数日、窓口受取でも申請手続きに時間がかかります。​
通関業務では、税関への許可申請などで登記事項証明書の原本提出が求められる場合があります。ただし2017年以降、通関業許可申請などでは登記情報連携システムにより証明書添付が不要になったケースもあります。提出先の要件を確認してから取得方法を選びましょう。​

オンライン閲覧の具体的な手順

登記情報提供サービスの利用には事前の登録が必須です。まず登記情報提供サービスのウェブサイトにアクセスし、個人利用者登録画面から必要事項を入力します。​
登録に必要な情報は以下の通りです。
参考)登記簿謄本(登記事項証明書)のオンライン申請方法は?手順と注…


  • 利用者ID(半角英数字11文字以内)

  • パスワード(8文字以上20文字以内)

  • 氏名とフリガナ

  • 郵便番号と住所

  • 職業

  • 電話番号

  • メールアドレス

  • 秘密の質問と答え

入力完了後、登録したメールアドレスに仮登録完了の通知が届きます。メール内のリンクから認証を行うと正式に登録が完了し、サービス利用が可能になります。個人登録の場合、初回登録費用として300円が必要です。法人登録なら740円です。
参考)法務省:登記情報提供サービスの利用料金等一覧


登録後はIDとパスワードでログインし、検索画面から物件や法人の情報を入力します。不動産なら住所や地番、法人なら商号や本店所在地で検索できます。検索結果から該当する登記を選択し、全部事項や所有者事項など必要な情報種別を選んで請求します。
請求ごとに手数料が発生し、全部事項なら331円、所有者事項なら141円です。支払いはクレジットカードや銀行振込に対応しています。請求後すぐにPDFがダウンロードでき、保存や印刷が可能です。​
このPDFは社内での情報確認や取引先与信調査には十分活用できます。ただし税関や金融機関への提出用としては使えないので注意が必要です。

登記事項証明書のオンライン請求方法

公的書類として使える登記事項証明書もオンラインで請求できます。法務局の「登記ねっと 供託ねっと」システムを利用する方法です。
参考)法人の登記簿謄本や履歴事項全部証明書をオンラインで取得する方…

まず申請用総合ソフトをダウンロードするか、ブラウザ版の「かんたん証明書請求」を使います。ソフト版は機能が豊富ですが、初めての方はブラウザ版が簡単です。利用には申請者情報の登録が必要で、氏名や住所、連絡先などを入力します。
登録完了後、証明書の種類を選択します。履歴事項全部証明書や現在事項証明書など、必要な種類を指定してください。次に対象となる法人の商号や本店所在地を入力し、該当する登記を検索します。
交付方法は窓口受取と郵送受取の2種類から選べます。窓口受取なら手数料は490円、郵送受取なら520円です。窓口請求の600円より100円以上安いのが特徴です。
参考)履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の手数料はいくら?法務局より…


手数料の支払いはインターネットバンキングやクレジットカード、電子納付に対応しています。支払い完了後、郵送なら指定した住所に証明書が届き、窓口受取なら指定した法務局で受け取れます。
通関業務で税関提出が必要な場合、この方法で取得した証明書が正式な公文書として認められます。郵送受取を選べば、法務局に出向かずに自宅やオフィスで完結するのが便利です。

通関業務における登記情報活用の注意点

通関業務では登記事項証明書の提出が求められる場面があります。2017年まで、通関業許可申請や営業所新設許可申請では登記事項証明書の添付が必須でした。しかし現在は登記情報連携システムの導入により、税関が直接登記情報を入手できるため証明書添付が不要になっています。​
ただし全ての手続きで省略できるわけではありません。申請の種類や税関の指示によっては、依然として証明書原本の提出を求められるケースがあります。事前に管轄税関の通関業監督官に確認するのが確実です。
通関委任状の作成時には、委任者である輸出入者の正確な商号や本店所在地が必要です。この情報確認に登記情報提供サービスを活用すれば、迅速かつ低コストで正確な情報を把握できます。331円で即座に確認できるため、業務のスピードアップにつながります。​
ただし委任状に添付する証明書類としては、登記情報PDFは使えません。公的な証明が必要なら、必ず登記事項証明書の原本を取得してください。​
輸入申告時にINVOICEやPACKING LISTとともに提出する書類の中で、輸入者の実在確認が求められる場合があります。この際も登記事項証明書が有効です。オンライン請求なら490円から520円で取得でき、窓口より安く済みます。
複数の取引先情報を定期的にチェックする業務では、登記情報提供サービスの一括利用登録も検討する価値があります。法人登録すれば複数名での共有利用が可能になり、部署全体での情報共有がスムーズです。
参考)法人登記簿謄本を取得するための値段や手数料とは?