輸入許可のタイミングで関税を「租税公課」で処理すると、仕入税額控除が認められず追徴課税されることがあります。
通関業務における関税の会計処理では、勘定科目の選択が税務上の重要なポイントになります。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/customs/
関税は「仕入高」として処理するのが一般的です。租税公課ではなく、仕入に付随する費用(仕入諸掛)として扱われます。これは関税が商品の取得原価を構成する要素だからです。
参考)関税の勘定科目について
一方で、企業によっては管理目的から「関税」という独立した勘定科目を設けるケースもあります。仕入高と別に記録したい場合に使われますが、費用計上の性質は同じです。
参考)関税の勘定科目と仕訳処理|輸入経理の基礎から実務まで詳しく解…
輸入通関時には、税関に関税と輸入消費税を納付し、輸入許可通知書の交付を受けます。この時点で会計処理を行う必要があります。
輸入時に発生する税金は、関税と輸入消費税の2種類があり、それぞれ異なる勘定科目で処理します。
参考)輸入消費税の仕訳について解説!関税との違いから仕入税額控除ま…
関税は「仕入高」で計上しますが、輸入消費税は「仮払消費税等」で処理します。輸入消費税は仕入税額控除の対象となるため、消費税の計算に含める必要があります。
国内仕入と輸入仕入では、消費税額の計算方法が異なる点に注意が必要です。国内仕入は商品の税込価額から割り戻して計算しますが、輸入仕入はCIF価額をもとに計算した税関で実際に支払った金額を使います。
参考)https://support.yayoi-kk.co.jp/business/faq_Subcontents.html?page_id=1000
つまり別々に管理が必要です。
例えば、通関時に関税10,000円、輸入消費税(国税)24,180円、輸入消費税(地方消費税)6,820円を支払った場合、関税は仕入高、消費税は仮払消費税等で仕訳します。
参考)https://support.yayoi-kk.co.jp/business/faq_Subcontents.html?page_id=15833
輸入における会計処理では、仕訳を計上するタイミングが国内取引と大きく異なります。
参考)輸入で商品を仕入れる時の仕訳方法は?流れや注意点を徹底解説!…
仕入計上の原則は「商品代金を支払う義務が発生したとき」です。輸入では、取引相手の国で商品を船などに積載するタイミング(船積時)が適切とされています。
商品到着日で処理するのは誤りです。船便なら2ヵ月、航空便なら1〜2週間かかるため、船積時と到着時には大きな時間差があります。
輸入許可通知書を必ず保存し、税務監査時に提出できるように管理する必要があります。会計処理のタイミングを誤ると税務調査で指摘される可能性があるからです。
関税の会計処理について詳しい実務ポイントはこちら
この記事では、輸入通関時の具体的な仕訳例や処理の流れについて詳細に解説されています。
許可申請に伴う手数料は、申請の種類によって使用する勘定科目が異なります。
参考)「 警察署へ申請する道路使用許可申請書 勘定科目」
道路使用許可申請手数料は「支払手数料」で処理するのが一般的です。これは行政サービスに対する対価性のある手数料であり、租税(税金)ではないためです。
参考)道路使用許可の勘定科目
ただし、専門家の間でも見解が分かれており、「租税公課」として処理する会計士もいます。許認可等の手数料を租税公課で計上するのが通常の会計処理という見解も存在します。
どちらが正しいんでしょうか?
実務上は、企業の会計方針として一貫性を持たせることが重要です。一度決めた勘定科目は継続して使用し、期中で変更しないようにします。
登記簿謄本の取得費用など類似の費用も、「租税公課」「支払手数料」「雑費」の3つから選択できます。少額で頻度が低い場合は雑費での処理も可能です。
参考)登記費用の仕訳例と使える勘定科目を解説
通関業務における会計処理では、特有の間違いが発生しやすく、重大な税務リスクにつながります。
参考)経営状況分析申請のよくあるミスとその対処法
最も多いミスは、関税と輸入消費税を混同して同じ勘定科目で処理することです。これらは性質が異なる税金であり、必ず別々の勘定科目で処理する必要があります。
輸入申告名義人でない者が輸入消費税の仕入税額控除を行うケースも問題です。原則として輸入申告名義人のみが仕入税額控除できます。名義人以外が控除すると、税務調査で否認され追徴課税されるリスクがあります。
仕訳タイミングの誤りも頻発します。商品到着日ではなく、輸入許可通知書の交付日が正しい計上基準です。
対策としては、輸入許可通知書を確実に保管し、税関への納付書類と会計記録を照合することが基本です。経営状況分析申請などでは、勘定科目の分類ミスが経審P点全体に悪影響を及ぼすため、建設業財務諸表の様式に沿った正確な処理が求められます。
輸入経理の実務で注意すべきポイントの詳細はこちら
この記事では、輸入許可のタイミングでの記帳方法や税務監査時の対応について実務的な解説があります。
輸入仕入の消費税処理は、国内仕入とは根本的に計算方法が異なるため、混同すると税額計算に誤りが生じます。
輸入仕入に係る消費税は、税関で実際に支払った金額をそのまま使用します。国内仕入のように税込価額から割り戻す計算は行いません。
課税期間の仕入税額控除は、国内仕入と輸入仕入それぞれの仕入税額控除を合計した額になります。両者を分けて管理しないと、正確な税額計算ができません。
CIF価額の計算が煩雑であることや、先に消費税を税関に納付済みであることが、この処理方法の理由です。
免税事業者が輸入する場合、輸入名義人として処理しないと国外事業者が納付した輸入消費税を控除できません。税関事務管理人等を定め、自らの名義で輸入申告及び輸入消費税の申告を行う必要があります。
輸入時の本体価格が1,000円で販売時が2,000円の場合、輸入名義人でなければ販売時の消費税200円を全額納付することになり、控除が一切認められません。これは大きな損失です。