被相続人の除票は5年で取得できなくなる場合がある
不動産の相続登記では、どのパターンでも共通して求められる書類があります。まず被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を出生から死亡まで揃える必要があります。これは相続人を確定し、他に相続人がいないことを証明するためです。
参考)https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001393744.pdf
次に被相続人の住民票の除票または戸籍の附票が必要です。登記簿上の住所と本籍地が記載されたものを取得してください。相続人全員の戸籍謄本も必須です。
参考)【相続登記の必要書類一覧表】詳細まとめ・ダウンロード可
不動産を相続する人の住民票も提出します。固定資産評価証明書は登録免許税の計算に使うため必ず取得しましょう。登記申請書と収入印紙も用意が必要です。
参考)相続登記に必要な書類一覧!法務局で申請手続きをする流れも解説…
通関業務従事者の方は、輸入品の申告書類に慣れているかもしれません。相続登記も同様に、証明書類の正確な取得と提出が求められます。書類不備は手続きの遅延につながるため、チェックリストを作成すると便利です。
遺産分割協議で相続する場合、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書が追加で必要になります。遺産分割協議書には相続人全員が実印で押印しなければなりません。印鑑証明書は協議書の実印を証明するために提出します。
参考)相続登記の必要書類とは?ケース別の書類、取得方法、綴じ方を解…
過去に作成された古い遺産分割協議書でも、条件を満たせば相続登記に使えます。条件は相続人全員で協議し、実印で押印し、その印鑑証明書があることです。ただし認印で押印された古い協議書の場合、すでに死亡している相続人の相続人全員が内容に相違ない旨の書面を作成し、実印で押印する必要があります。
参考)過去に作成された古い遺産分割協議書で相続登記ができるのか(相…
印鑑証明書の提供を拒否する相続人がいる場合、遺産分割協議真否確認訴訟を起こすことになります。つまり協議成立が前提です。
法定相続や遺言書による相続では印鑑証明書は不要です。これは手続きの簡素化につながります。
参考)【相続登記義務化】過去分も対象?申請期限や相続登記をしない場…
法定相続情報一覧図を使うと、戸籍書類一式の提出を省略できます。これは相続人の関係や生年月日などが記載された図で、法務局が内容を確認し認証を付与します。被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍や相続人の戸籍謄本の提出が省略可能です。
参考)法定相続情報一覧図を作成するメリット|相続トータルサポート@…
記載内容によっては住民票、除票、戸籍附票の省略もできます。相続手続きの煩雑さを解消できる点が最大のメリットです。複数の相続手続きで戸籍の束を何度も提出する手間が省けます。
参考)相続手続きに必要な書類!不動産の名義変更の場合 - 荻野司法…
法定相続情報一覧図は法務局に戸籍などの資料を持ち込んで作成します。登記官が確認後、認証付きの写しが提供されます。この写しを相続登記や銀行手続きに使い回せるため、時間とコストの節約になります。
通関業務で輸出入申告を繰り返す際、マスターデータを使い回すのと似た発想です。一度作成すれば複数の場面で活用できます。
被相続人の住民票の除票は、最後の住所地を管轄する市区町村役場で取得します。本籍と続柄を記載するよう請求してください。相続人であれば委任状なしで取得可能です。
参考)相続で住民票の除票が必要な手続きとは?迷わず取得する方法|相…
住民票の除票は、除票になってから5年を経過すると取得できなくなる場合があります。どういうことでしょうか?除票は被相続人が死亡または転出したときに作成されますが、保存期間が原則5年のため、古い相続では取得不可能なケースがあるのです。
取得できない場合、戸籍の附票で代用します。戸籍の附票は本籍地の市区町村役場で取得します。登記簿上の住所と本籍地のつながりを証明するため、いずれかが必要です。
不動産を相続する人の住民票は、その住所地を管轄する役所の窓口で請求します。窓口での取得のほか、郵送でも請求できます。郵送の場合、交付請求書と定額小為替、返信用封筒を同封してください。
参考)相続登記で必要な書類は?住民票の取得方法や不要なケースまで徹…
2024年4月から相続登記が義務化されました。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請しなければなりません。遺産分割協議が成立した場合、協議成立日から3年以内です。
参考)相続登記義務化2024年4月にスタート|具体的な期限と罰則、…
正当な理由なく期限内に申請しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。過料は行政上のペナルティであり、刑事罰の罰金とは異なります。支払いを拒否しても労役場留置にはなりませんが、不動産やその他の財産が差し押さえられるリスクがあります。
参考)2024年相続登記が義務化|期限3年・過料10万円のポイント…
過料は3年経過後すぐに科されるわけではなく、法務局の慎重な運用が予定されています。しかし放置するメリットは何もありません。義務化は過去の相続も対象です。
通関業務では申告期限の遵守が厳格に求められます。相続登記も同様に期限管理が重要です。カレンダーやリマインダーツールで期限を管理すると良いでしょう。
相続登記には登録免許税がかかります。計算式は「課税価格×4/1,000」です。課税価格は固定資産税評価額の1,000円未満を切り捨てた金額です。登録免許税は100円未満を切り捨てます。
参考)相続登記の登録免許税は、どのように計算するのでしょうか?
例えば固定資産税評価額が1,234万5,678円の土地なら、課税価格は1,234万5,000円です。登録免許税は1,234万5,000円×0.004=4万9,380円となり、100円未満を切り捨てて4万9,300円です。課税価格が1,000円に満たない場合は1,000円で計算します。
マンションなどの敷地権付区分建物の場合、建物と土地の評価額を合算します。土地は敷地全体の評価額に敷地権割合をかけた金額を使います。敷地権割合は登記事項証明書から確認できます。
固定資産評価証明書は不動産所在地の市区町村役場で取得します。毎年4月頃に送付される固定資産課税明細書でも代用できる場合があります。ただし登記申請をする日の属する年度のものが必要です。
登記申請書は自分で作成します。不動産の表示部分には、登記事項証明書に記載されている情報を転記します。土地なら所在、地番、地目、地積、建物なら所在、家屋番号、種類、構造、床面積を記載します。
参考)【相続ケース別にみる】相続登記に必要な書類は? 取得方法と主…
申請書には被相続人の死亡年月日や相続人の氏名、住所も記載します。遺産分割協議書を添付する場合、その旨も明記します。司法書士に依頼する場合、委任状が必要です。
参考)相続登記の申請書の書き方は?記載例や綴じ方まで解説
申請書と必要書類を不動産所在地を管轄する法務局に提出します。窓口提出のほか、郵送やオンライン申請も可能です。返信用封筒と郵便切手を同封すれば、登記完了後に書類が返送されます。
登記完了後に間違いが見つかった場合、更正登記で訂正します。氏名の誤字や住所の誤りは、売却や担保設定の場面で問題になるため、早めに直すことをおすすめします。申請人のミスによる誤りは、登記申請書と必要書類を用意して更正登記を申請します。
参考)相続登記のあとに間違いが発覚…どう直す?訂正登記(更正登記)…
通関業務で申告書を作成する際、HSコードや原産地の記載ミスが通関遅延を招くのと同様、登記申請書の誤りは手続きの遅延や追加コストにつながります。提出前の複数回チェックが有効です。
通関業務従事者は、業務で相続が発生した場合の特別な対応を知っておくべきです。通関業者について相続があったときは、相続人が被相続人の通関業の許可に基づく地位を承継します。地位を承継した者は、被相続人の死亡後に財務大臣に承認の申請ができます。
参考)【条文順通関士講座】通関士試験前日まで、あと9週(仮)【プラ…
承認を受けようとする者は、相続があった年月日などを記載した申請書を財務大臣に提出します。この「相続があった年月日」とは被相続人の死亡日を指します。通関業と不動産の両方を相続する場合、それぞれの手続きを並行して進める必要があります。
不動産相続では戸籍謄本などの書類を複数部取得することになりますが、法定相続情報一覧図を作成すれば通関業の相続手続きにも使い回せます。書類取得の手間とコストを削減できるわけです。
また通関業務で培った書類管理スキルは、相続登記でも活かせます。必要書類のチェックリストを作成し、取得先、取得日、有効期限を一覧化すると漏れを防げます。輸出入申告で使うスプレッドシートやデータベースの応用が可能です。
法務局の公式PDF「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」では、各書類の取得先が一覧表でまとまっており、初めて相続登記をする方の参考になります。
相続登記の必要書類をケース別に詳しく解説した記事では、遺言書、法定相続分、遺産分割協議のパターンごとに必要書類が整理されており、自分のケースに当てはまる書類を確認できます。