通関業の許可 欠格事由で不合格回避する5つの確認ポイント

通関業の許可申請における欠格事由とは何か、具体的な該当条件と対策方法について詳しく解説します。知らないと許可を受けられないリスクがある重要な規定について、通関業務従事者なら押さえておくべき情報を網羅的にまとめました。欠格事由に該当しないための事前確認はできていますか?

通関業の許可 欠格事由

法人の役員が一人でも欠格事由に該当すれば、会社ごと許可を受けられません。


この記事の3ポイント要約
⚖️
欠格事由の種類

成年被後見人・破産者・刑罰歴など10種類の事由が規定されており、一つでも該当すれば許可を受けられない

期間制限の重要性

禁錮以上の刑は3年、罰金刑は3年または2年、許可取消は2年の経過が必要で、期間の計算方法を誤ると申請が無駄になる

🏢
法人の特例ルール

役員の一人が欠格事由に該当するだけで法人全体が許可を受けられず、役員変更で対処可能だが取消前の変更が必須

通関業の許可 欠格事由とは何か

通関業法第6条に規定される欠格事由とは、財務大臣が通関業の許可をしてはならない事由のことです。この規定に一つでも該当すれば、どれほど優れた経営基盤や通関士を確保していても、許可申請は認められません。


参考)通関業許可申請の許可基準とポイントについて


つまり、絶対的な不許可事由ということですね。


欠格事由は大きく分けて「絶対的欠格事由」と「相対的欠格事由」に分類されます。絶対的欠格事由は該当している間は常に許可を受けられない事由で、相対的欠格事由は一定期間の経過により欠格状態から脱却できる事由です。これらの区別を理解しておくことで、いつから許可申請が可能になるかを正確に判断できます。


参考)http://support4tsukanshi.web.fc2.com/Gyohou3.pdf


通関業を営もうとする者は、税関長の許可を受ける前に、これらの欠格事由に該当しないことを証明する必要があります。身分証明書や登記されていないことの証明書などの公的書類によって、欠格事由に該当しないことを客観的に示すのが一般的です。

通関業の許可 欠格事由の絶対的該当条件

絶対的欠格事由には、成年被後見人または被保佐人に該当する場合と、破産者であって復権を得ない者に該当する場合の2種類があります。これらは該当している状態が続く限り、通関業の許可を受けることができません。


参考)欠格事由


成年被後見人や被保佐人は、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者として家庭裁判所の審判を受けた人です。通関業務は複雑な法令知識と正確な判断力を必要とするため、この状態では業務の適正な遂行が困難と判断されます。後見や保佐の審判が取り消されれば、欠格事由に該当しなくなります。


参考)通関業法

破産者についても同様に、復権を得るまでは欠格事由に該当します。破産手続開始決定を受けた後、免責許可の決定が確定すれば復権を得ることができます。


復権さえ得れば問題ありません。



経済的な再建と法的な復権が条件です。


通関業の許可 欠格事由での3年経過が必要なケース

禁錮以上の刑に処せられた者は、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過しなければ通関業の許可を受けられません。2025年6月1日からは刑法改正により「禁錮」が「拘禁刑」に名称変更されますが、3年という期間に変更はありません。


参考)通関士の過去問 第57回(令和5年) 通関業法 問15 - …


3年経過が必要な事由には、関税法に規定する一定の犯罪や国税・地方税のほ脱罪等により罰金刑に処せられた者、または通告処分を受けた者も含まれます。関税法違反の具体例として、輸出入してはならない貨物の輸出入、偽りその他不正な行為による関税の免脱、無許可での輸出入などがあります。


参考)https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12374027086.html


通関業法違反により罰金刑に処せられた者も、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過する必要があります。通関業務に直接関わる法律違反であるため、厳格な期間制限が設けられているわけです。


この期間計算を間違えると申請が無駄になります。


通告処分を受けた場合も、通告の旨を履行した日から3年の経過が必要です。刑事処分を受けていなくても、通告処分による行政的な制裁を受けた事実があれば、同様に欠格期間が発生することに注意が必要です。


通関業の許可 欠格事由での2年経過が必要なケース

通関業の許可取消処分を受けた者、または通関業務の従業禁止処分を受けた者は、その処分を受けた日から2年を経過しなければ通関業の許可を受けられません。許可取消は通関業者に対する最も重い監督処分であり、偽りその他不正の手段による許可取得や、欠格事由に該当した場合などに実施されます。


参考)https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12374482058.html


2年という期間は3年よりも短いですね。


暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定違反、刑法の罪、または暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金刑に処せられた者も、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過する必要があります。これらの犯罪は通関業務に直接関係しないものの、暴力的な行為や反社会的行為として社会的信用を損なうため、一定期間の制限が設けられています。

公務員で懲戒免職の処分を受けた者も、その処分を受けた日から2年を経過しなければ通関業の許可を受けられません。公務員として重大な非違行為があったと判断された者は、公正な業務遂行が期待できないとされるためです。

この場合、再び公務員になる必要はありません。


2年間の経過後は、過去の処分や刑罰の履歴があっても欠格事由に該当しなくなり、通関業の許可申請が可能になります。期間の起算日を正確に把握しておくことが、スムーズな申請準備のカギとなります。

通関業の許可 欠格事由と法人役員の関係

法人が通関業の許可を申請する場合、その役員の中に欠格事由に該当する者が一人でもいれば、法人自体が欠格事由に該当することになります。通関業法第6条第10号に明確に規定されており、個人の問題が法人全体に影響を及ぼす重要な条項です。


たった一人の役員が問題となるわけです。


この規定により、法人が許可を申請する際には、すべての役員について欠格事由の有無を確認する必要があります。取締役や監査役など、会社法上の役員すべてが対象となるため、大規模な法人ほど確認作業が煩雑になります。一人でも欠格事由に該当する役員がいれば、その役員を退任させるか、別の方法で対処しなければ許可申請は認められません。

法人が欠格事由に該当するに至った場合でも、通関業の許可が直ちに失効するわけではありません。財務大臣による許可取消処分が行われて初めて許可が失効します。ただし、許可取消処分を受ける前に、欠格事由に該当した役員を退任させるなどして欠格事由に該当しない状態に戻せば、許可取消を回避できる可能性があります。


参考)通関業の「許可の消滅」と「許可の取消し」


取消前に役員変更すれば対処可能ということですね。


税関の通関業法基本通達(PDF)では、法人の欠格事由該当と許可取消の関係について詳細な解釈が示されています
定期的に役員の状況を確認し、欠格事由に該当する可能性がある役員がいれば、早期に対応することが法人として通関業を継続するための重要なリスク管理です。役員の刑事事件や破産手続の開始など、欠格事由に該当する可能性のある事態が発生した場合には、速やかに税関や専門家に相談することをおすすめします。


通関業の許可 欠格事由に該当しないための事前確認方法

欠格事由に該当しないことを証明するため、通関業許可申請時には複数の公的書類を提出する必要があります。身分証明書は市区町村が発行する書類で、成年被後見人・被保佐人・破産者でないことを証明します。登記されていないことの証明書は、法務局が発行し、成年後見制度に基づく登記がされていないことを証明する書類です。

これらは法務局や市役所で取得できます。


宣誓書は、申請者自身が欠格事由に該当しないことを自認する書面です。刑罰歴や許可取消歴など、公的書類では証明しきれない事項について、申請者が自己申告する形式をとります。虚偽の申告をした場合、後に発覚すれば許可取消の対象となるため、正確な記載が必要です。


法人の場合は、すべての役員について上記の書類を準備する必要があります。役員が多数いる場合は、書類の収集だけでも相当な時間と労力がかかるため、計画的な準備が求められます。役員の中に海外在住者がいる場合は、現地での証明書取得方法を事前に確認しておくとスムーズです。

欠格事由の該当可能性がある場合は、許可申請前に専門家へ相談することが賢明です。行政書士や税関OBなどの専門家は、個別のケースに応じた適切なアドバイスを提供できます。期間計算の誤りや書類の不備により申請が却下されるリスクを避けるため、少しでも不安がある場合は早めの相談が有効です。


通関業許可申請の代行を行う行政書士事務所では、欠格事由の確認から書類作成まで一貫したサポートを提供しています
■ 欠格事由チェックリスト

  • 成年被後見人・被保佐人に該当していないか
  • 破産手続中で復権を得ていないか
  • 禁錮以上の刑の執行終了から3年経過しているか
  • 関税法違反等の罰金刑・通告処分から3年経過しているか
  • 通関業法違反の罰金刑から3年経過しているか
  • 暴力団関連の罰金刑から2年経過しているか
  • 通関業許可取消・従業禁止処分から2年経過しているか
  • 公務員の懲戒免職処分から2年経過しているか
  • 法人の場合、すべての役員が上記に該当していないか

このチェックリストを活用して、申請前に確実な確認を行うことで、申請却下のリスクを大幅に減らすことができます。


確認漏れは致命的です。