成年被後見人被保佐人被補助人違い|通関業欠格事由判断能力比較

成年被後見人・被保佐人・被補助人の違いは判断能力の程度で決まります。通関業法の欠格事由も2019年に改正され、成年後見制度利用者への対応が変わっています。あなたは最新の法律を正しく理解していますか?

成年被後見人被保佐人被補助人の違い

被補助人は通関業許可の欠格事由から外れているのに被保佐人だと思い込むと審査が混乱します。
この記事の3ポイント
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判断能力の3段階区分

成年被後見人は「常に欠く」、被保佐人は「著しく不十分」、被補助人は「不十分」という明確な判断能力レベルで区分されます

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権限の違いを把握

代理権・同意権・取消権の範囲が3類型で異なり、通関業務の法律行為への影響も変わります

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2019年法改正の影響

通関業法から成年被後見人・被保佐人の一律欠格事由が削除され、個別審査に変更されました

成年被後見人の判断能力と法律行為の制限

成年被後見人は、判断能力を常に欠く状態にある人を指します。この「常に欠く」という表現は、日常生活における重要な判断がほとんどできない状態を意味しています。
参考)成年被後見人・被保佐人・被補助人の違いをわかりやすく解説!制…


具体的には、アルツハイマー病で数年前から物忘れが激しく、家族以外の判別がつかなくなるなど、社会生活に支障が出ているケースです。契約内容を理解できない、金銭管理が困難、詐欺被害のリスクが高いといった状況が該当します。
参考)「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」の違いはなに?


成年後見人には包括的な代理権と取消権が認められています。つまり、成年被後見人が行った契約など、すべての法律行為を成年後見人が取り消せるということですね。日常の買い物以外は、成年後見人の代理や同意が必要になります。
参考)後見人・保佐人・補助人の「同意権」「取消権」「代理権」とはど…


通関業務の観点では、2019年の法改正前まで成年被後見人は通関業の絶対的欠格事由でした。現在は「心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者」という個別審査の基準に変更されています。
参考)https://tsukanshi.mhjcom.jp/1point/7563.html


ただし、判断能力を欠く状態では、通関業務に必要な複雑な法律判断や書類作成は実質的に困難です。成年後見人が代理できる範囲にも、業務行為は含まれません。

被保佐人の判断能力レベルと同意が必要な行為

被保佐人は、判断能力が著しく不十分な状態にある人です。成年被後見人よりも判断能力は残っており、日常生活は問題なく送れますが、重要な法律行為には援助が必要な段階といえます。
参考)成年後見人・保佐人・補助人の違いは?権限やできることをわかり…


「著しく不十分」の具体例として、日常的な買い物はできるが、不動産の売買など重要な契約は理解できない状態が挙げられます。時々ははっきりしているが、複雑な契約判断になると不安がある、というレベルです。
参考)Q9 後見、保佐、補助類型の違いはなんですか。(法定後見)


保佐人には、民法13条1項で定められた特定の行為について同意権と取消権が付与されます。借金、訴訟行為、相続の承認・放棄、新築・改築・増築などが該当し、これらの行為を被保佐人が保佐人の同意なく行った場合、保佐人は取り消せます。
参考)被保佐人になった後の生活(1)|成年後見


家庭裁判所の審判により、民法13条1項の範囲を超えて同意権を追加することも可能です。代理権については、申立てにより特定の法律行為について付与されます。
参考)法定後見の3つのレベル(後見・保佐・補助)について


通関業法では、かつて被保佐人も絶対的欠格事由でしたが、2019年の法改正で削除されました。現在は成年被後見人と同様、個別の能力審査に変更されています。古いテキストには「成年被後見人及び被保佐人」と書かれていますが、これは現在の法律と異なります。

被補助人の支援範囲と本人の自己決定権

被補助人は、判断能力が不十分だが、最も軽度の支援を必要とする人です。成年被後見人や被保佐人と異なり、複雑な一部の法律行為を除けば自分で問題なく意思決定できます。
参考)成年被後見人とは?できること・できないことや被保佐人との違い…


最近物忘れが出てきた状態、複雑な契約には不安があるが日常生活は自立している、というレベルが該当します。できるかもしれないが不安がある、という程度の判断能力です。
補助人の権限は、本人の希望に基づいて設定されるのが特徴です。家庭裁判所が審判で定めた特定の法律行為についてのみ、同意権・取消権・代理権が付与されます。民法13条1項所定の行為の一部から選択される形です。
たとえば財産管理について代理権を付与された場合、補助人は被補助人の財産を把握・管理しますが、それ以外の行為は本人が自由に行えます。本人の自己決定権を最大限尊重する制度設計ですね。​
通関業法上、被補助人は2019年の改正前も欠格事由に含まれていませんでした。これは被補助人の判断能力が比較的高く、業務遂行に支障がないと判断されていたためです。現在も被補助人であること自体は通関業許可の障害になりません。
参考)欠格事由


ただし、家庭裁判所が定めた同意権・代理権の範囲によっては、特定の通関業務行為に制限が生じる可能性があります。個別の審判内容を確認する必要があります。

成年後見制度3類型の判断能力比較表

3類型の違いを整理すると、判断能力の程度によって支援の必要度が変わります。支援の必要度は「補助<保佐<後見」の順です。​

類型 判断能力の程度 支援する人 代理権 同意権・取消権
成年被後見人 常に欠く状態 成年後見人 すべての法律行為

すべての法律行為
参考)代理権・同意権・取消権とは・・・後見・保佐・補助の違い

被保佐人 著しく不十分 保佐人 申立てにより特定の行為​ 民法13条1項所定の行為
被補助人 不十分 補助人 審判で定めた特定の行為 審判で定めた特定の行為


判断能力の判定は、家庭裁判所が医師の鑑定などをもとに行います。本人の状態は固定されたものではなく、時間とともに変化する可能性があります。​
判断能力が低下した場合、補助から保佐へ、保佐から後見へ変更する申立てができます。逆に判断能力が回復した場合は、審判の取消を請求できます。これは重要なポイントです。
参考)保佐開始・補助開始の決定がなされたあと本人の判断能力が低下し…

通関業務従事者として、申請者や関係者がどの類型に該当するか正確に把握することが求められます。類型によって法律行為の有効性や必要な手続きが変わるためです。
登記事項証明書で成年後見制度の利用状況を確認できます。ただし、被補助人の場合は代理権・同意権の範囲が個別に設定されているため、審判書の内容確認も必要になります。
参考)https://www.customs.go.jp/kaisei/tsutatsu/H29tsutatsu/H29tsutatsu0570/annex04.pdf

通関業法改正による欠格事由の変更点

2019年の「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」により、通関業法の欠格事由が大幅に見直されました。この改正は通関業務従事者にとって重要な変更です。
改正前は、成年被後見人又は被保佐人であることが絶対的欠格事由とされていました。つまり、これらに該当するだけで、一律に通関業の許可を受けられない仕組みでした。
参考)https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12374027086.html


改正後は「心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者として財務省令で定める者」という基準に変更されています。成年被後見人等であることをもって一律に排除するのではなく、個別に能力を審査する方式です。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/newsletter-17-2019.7.3.pdf


この変更により、成年後見制度を利用していても、実際に業務遂行能力があれば通関業の許可を受けられる可能性が生まれました。判断能力が回復傾向にある場合や、特定の支援があれば業務可能な場合などが想定されます。​
ただし「心身の故障により通関業務を適正に行うことができない」と判断された場合は、依然として欠格事由に該当します。心身の故障があるだけで直ちに欠格となるのではなく、業務遂行への影響が判断基準です。
通関業務には複雑な法律知識、正確な書類作成能力、適切な判断力が求められます。実務上、判断能力を常に欠く状態では業務遂行は困難でしょう。個別審査では、こうした実質的な業務能力が評価されます。
古いテキストで学習した方は、改正内容を確認する必要があります。試験でも実務でも、最新の法律に基づいた対応が求められます。​

成年後見制度と通関業務の実務上の注意点

通関業務において、成年後見制度利用者が関係する場面は複数あります。輸入者や輸出者が成年後見制度を利用している場合、通関手続きに影響が出る可能性があるためです。
契約行為の確認が最も重要なポイントになります。成年被後見人が輸入契約を結んだ場合、成年後見人の代理または事後の追認がなければ、その契約は取り消される可能性があります。被保佐人の場合も、民法13条1項の行為については保佐人の同意が必要です。
通関業務における委任契約も法律行為に該当します。成年被後見人本人が通関業務の委任契約を結ぶことはできず、成年後見人が代理する必要があります。被保佐人・被補助人の場合は、同意権・代理権の範囲を確認しなければなりません。
本人確認書類として、成年後見制度を利用している場合は登記事項証明書の提示を求めることがあります。後見人等が代理する場合は、その権限を証明する書類も必要です。これが基本的な対応ですね。​
財産管理の観点でも注意が必要です。成年後見人は本人の財産を適切に管理する義務があり、関税の支払いや通関費用の負担についても後見人が判断します。本人名義の口座から引き落とす場合でも、後見人の管理下にあることを理解しておく必要があります。​
判断能力が変化する可能性も考慮すべきです。以前は被補助人だった方が被保佐人に変更されている場合、必要な同意権の範囲が広がっています。定期的な取引先の場合は、制度利用状況の変化を確認する仕組みがあると安心です。​
成年後見制度は本人の権利を守るための仕組みですが、通関業務の円滑な遂行には適切な手続き確認が不可欠です。後見人等との連絡体制を確立し、必要な書類を事前に整えることで、トラブルを防げます。
法務省の成年後見制度ポータルサイトでは、制度の詳細や手続きに関する情報が提供されています。実務で疑問が生じた場合の参考リンクとして活用できます。
法務省:成年後見制度・成年後見登記制度
また、厚生労働省の成年後見制度利用促進サイトでは、制度の基本的な考え方や最新の法改正情報が掲載されています。
厚生労働省:成年後見制度


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