通関業務では緊急避妊薬の個人輸入は原則1か月分までしか認められません。
参考)エラー
緊急避妊薬の調剤・販売を行う薬剤師は、厚生労働省への登録が義務付けられています。
参考)緊急避妊薬の調剤・販売について|厚生労働省
この登録制度は2025年(令和7年)9月18日付けの通知により整備され、2026年2月2日から要指導医薬品として市販化がスタートしました。研修を修了した薬剤師は、厚生労働省のFormsシステムを通じて申告を行う必要があります。
参考)緊急避妊薬の調剤・販売に関して薬剤師が行う厚生労働省への手続…
登録が必須です。
オンライン診療に基づく調剤と要指導医薬品としての販売、この2つのケースで登録手続きが求められます。オンライン診療の場合、医師からの処方箋に基づき研修修了薬剤師が調剤し、患者は薬剤師の面前で服用することが条件です。要指導医薬品としての販売では、近隣の産婦人科医等との連携体制の構築が必須要件とされています。
参考)緊急避妊薬の調剤・販売について
登録申請には、日本薬剤師研修センターが主催する「緊急避妊薬の調剤及び販売に関するe-ラーニング」の修了が前提となります。この研修では女性ホルモンの働き、緊急避妊薬の作用機序、患者対応の手順などが学習内容に含まれています。研修修了後、厚生労働省のウェブサイト上で氏名、勤務薬局、連携体制などの情報を入力します。
参考)https://www.kyotofuyaku.or.jp/wp-content/uploads/2022/03/siryo3.pdf
つまり販売開始前の研修と登録が必須です。
厚生労働省は対応可能な薬局及び薬剤師の一覧を公開しており、緊急避妊薬を必要とする女性はこのリストを参照して薬局を選択できます。初回リストへの掲載には2025年12月24日までに連携文書の提出、2026年1月5日までの登録完了が求められました。勤務先薬局の変更が生じた場合も、Formsを通じて速やかに報告する義務があります。
参考)要指導医薬品たる緊急避妊薬を販売する薬剤師の先生方へ ~厚生…
厚生労働省「緊急避妊薬の調剤・販売について」
このページでは、薬剤師向けの登録申請フォームや研修情報、関連通知の全文が掲載されており、登録手続きの詳細を確認できます。
通関業務従事者にとって、緊急避妊薬の輸入に関する知識は実務上重要です。
医薬品の輸入には医薬品医療機器等法(医薬品医療機器等法)に基づく規制があり、営業目的で輸入する場合は「医薬品製造販売業許可証」や「医薬品製造販売承認書」の写しを税関に提出して確認を受ける必要があります。2020年9月1日以降、従来の薬監証明に代わって輸入確認証を取得する制度に変更されました。
参考)医薬品等の個人輸入について |厚生労働省
基本は輸入確認証です。
個人使用目的の緊急避妊薬の輸入については、用法・用量から見て1か月分以内であれば税関限りの確認で通関可能とされています。これは劇薬に指定されていない医薬品の一般的な取り扱いです。ただし、この範囲を超える場合は輸入確認証の取得が必要となります。
通関時の注意点として、医薬品の輸入申告では医薬品医療機器等法上の許可・承認を受けていることを証明する書類の提出が求められます。函館税関、東京税関、横浜税関管轄区内での輸入は関東信越厚生局、名古屋税関、大阪税関、神戸税関、門司税関、長崎税関、沖縄地区税関管轄区内での輸入は近畿厚生局に申請します。
参考)医薬品等の輸入関係
管轄区域ごとに申請先が異なります。
通関業務従事者は、依頼者が個人輸入で緊急避妊薬を輸入しようとする際、偽造品や粗悪品のリスク、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点を助言することが望ましいです。海外製の緊急避妊薬は日本の厚生労働省の承認を受けていないものが多く、成分量が規定と異なっていたり不衛生な環境で製造されている危険性があります。重篤な副作用が生じた場合、正規品であれば利用できる医薬品副作用被害救済制度が、個人輸入品では利用できません。
参考)アフターピルの個人輸入は危険?安全な入手法とリスクを解説|パ…
税関「医薬品医療機器等法に基づく輸入規制」
この税関公式ページでは、医薬品輸入時に必要な許可証や承認書の提出方法、通関手続きの詳細が説明されています。
研修修了後の登録申請は、厚生労働省が提供するFormsシステムを使用します。
申請画面では、薬剤師個人の情報として氏名、薬剤師免許番号、メールアドレス、研修修了証の番号などを入力します。次に勤務先薬局の情報として、薬局名、所在地、電話番号、開局時間などを記載します。要指導医薬品としての販売を行う場合は、近隣の産婦人科医等との連携体制について具体的な連携方法を説明する必要があります。
連携体制の説明が重要です。
2025年12月17日付けの通知により、販売を行う薬剤師は「近隣の産婦人科医等との連携体制」について改めて申告が求められるようになりました。新設の問26(産婦人科医との連携方法)を含め、全ての問いに適切に回答する必要があります。連携体制とは、緊急避妊薬服用後3週間の妊娠確認や、避妊相談が必要な場合の紹介先を確保しておくことを指します。
申告完了後、厚生労働省は内容を審査し、要件を満たしていれば「緊急避妊薬販売可能薬局等リスト」に掲載します。初回リストへの掲載には販売開始の2~3週間前を目安とした申告期限が設定されました。勤務薬局の変更や販売中止などの変更が生じた場合は、速やかにFormsを通じて報告する義務があります。
変更届も必須です。
既にオンライン診療に基づく調剤を行っていた薬剤師も、新制度への移行に伴い改めて申告が必要でした。旧通知の廃止日である2025年10月31日までに申告を完了する必要がありました。これまで都道府県薬剤師会に提出していた変更届も、今後は厚生労働省のシステムに直接申告する形式に統一されました。
申告に関する不明点がある場合は、厚生労働省のメールアドレス(EC-training@mhlw.go.jp)に、メールタイトルの頭に【調剤】または【販売】を付けて問い合わせることができます。厚生労働省は申告の際の留意点をまとめた資料やFAQも公開しています。
日本薬剤師研修センター「緊急避妊薬の調剤及び販売に関するe-ラーニング」
このページから、薬剤師が受講すべき研修の申し込みができ、研修内容や受講料、修了証の取り扱いについて詳細が確認できます。
営業目的で緊急避妊薬を輸入する場合、医薬品製造販売業許可と製造業許可が前提となります。
製造販売業許可は営業所ごとに所轄の都道府県の薬務課経由で知事宛てに申請して取得します。最終的な包装・日本語表示・保管・試験検査などを行う場合は「医薬品製造業許可」も必要です。これらの許可証の写しを税関に提出して、医薬品医療機器等法上の要件を満たしていることを証明します。
許可証が複数必要です。
個人使用目的の場合、緊急避妊薬は用法・用量から見て1か月分以内であれば税関限りの確認で通関可能ですが、この範囲を超える場合は輸入確認証の取得が必要です。輸入確認証の申請は、医薬品等輸入確認情報システムを通じてオンラインで行います。申請者本人または代行者がアカウントを作成し、輸入品の詳細情報を入力して申請します。YouTube
範囲を超えると手続きが複雑になります。
海外から個人輸入される緊急避妊薬には、偽造品や粗悪品が含まれるリスクがあります。成分量が規定と異なっていたり、不衛生な環境で製造されている例も報告されています。また、厚生労働省から承認を受けた正規品を医師の処方のもと適正に使用していた場合に利用できる医薬品副作用被害救済制度は、個人輸入品には適用されません。
参考)ピルの個人輸入・個人売買は危険 - ウィメンズヘルスケアオン…
救済制度が使えません。
通関業務従事者は、依頼者に対してこれらのリスクを説明し、国内でオンライン診療や対面診療を通じて正規品を入手する方が安全であることを助言する役割があります。緊急避妊薬は性交後72時間以内の服用が推奨されますが、個人輸入では到着までに時間がかかる点もデメリットです。
参考)緊急避妊薬 ノルレボ|街の薬局・ドラッグストアで買えるアフタ…
国内の正規ルートであれば、2026年2月2日以降は研修修了薬剤師のいる薬局で処方箋なしで購入できるようになりました。購入時にはチェックシートへの記入、薬剤師による確認、面前服用が必要ですが、パートナーや親の同意は不要で年齢制限もありません。
参考)「ノルレボ」購入・服用の流れ|緊急避妊薬 ノルレボ|第一三共…
厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」
このページでは、医薬品の個人輸入に関する手続きの詳細、輸入確認証の取得方法、地方厚生局への問い合わせ先が掲載されています。
2026年2月2日から緊急避妊薬が要指導医薬品として市販化されたことで、国内入手の利便性が向上しました。
要指導医薬品としての販売には、研修を修了した薬剤師の配置、近隣産婦人科医との連携体制、適切な販売環境の整備が求められます。薬剤師は購入者に対して、緊急避妊薬の作用機序、服用後の注意事項、3週間後の妊娠確認の必要性、継続的な避妊方法について情報提供を行います。
国内での入手が容易になりました。
この市販化により、個人輸入の需要が減少する可能性があります。国内で処方箋なしで購入できるようになったため、わざわざリスクを冒して海外から輸入する必要性が低下するからです。ただし、価格面では国内購入が6,000円から20,000円程度かかるのに対し、個人輸入では安価に見えることから、依然として個人輸入を選択する人がいる可能性があります。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8315389/
価格差が輸入動機になりえます。
通関業務従事者は、緊急避妊薬の輸入相談を受けた際、国内市販化の情報を提供し、安全性と確実性の観点から国内購入を推奨することが望ましいです。国内の正規品であれば、厚生労働省の承認を受けた品質が保証され、副作用が生じた場合の救済制度も利用できます。また、薬剤師による適切な情報提供を受けられ、必要に応じて産婦人科医への紹介も受けられます。
厚生労働省は「緊急避妊薬販売可能薬局等リスト」を公開しており、購入希望者はこのリストから近隣の対応薬局を検索できます。販売開始直後は在庫や薬剤師の勤務状況の確認のため、事前に電話連絡することが推奨されています。
事前確認が安心です。
通関業務の観点からは、緊急避妊薬の輸入件数や傾向を把握しておくことで、税関での円滑な対応や適切な助言が可能になります。また、医薬品医療機器等法の改正や輸入手続きの変更にも常に注意を払い、最新の規制情報を把握しておくことが重要です。
医薬品医療機器等法は、医薬品の品質、有効性、安全性を確保するための包括的な法律です。
通関業務従事者は、この法律に基づく輸入規制を理解し、適切な通関手続きを支援する役割を担います。営業目的での医薬品輸入には、製造販売業許可、製造業許可、製造販売承認などの複数の許可・承認が必要です。これらの許可証や承認書の写しを税関に提出し、確認を受ける必要があります。
許可証の確認が基本です。
2020年9月1日の法改正により、従来の薬監証明制度が輸入確認証制度に変更されました。これにより、個人使用目的で輸入する場合でも、一定数量を超える場合は輸入確認証の取得が必要になりました。輸入確認証の申請は、厚生労働省の医薬品等輸入確認情報システムを通じてオンラインで行います。YouTube
申請先の地方厚生局は、輸入先の税関によって異なります。函館税関、東京税関、横浜税関管轄区内での輸入は関東信越厚生局、名古屋税関、大阪税関、神戸税関、門司税関、長崎税関、沖縄地区税関管轄区内での輸入は近畿厚生局に申請します。通関業務従事者は、輸入者が適切な厚生局に申請しているかを確認する必要があります。
管轄の確認が必須です。
分割輸入を行う場合は、輸入報告書に輸入経過表を添付します。分割輸入のスケジュールが事前に分かっていれば、複数回分をまとめて輸入報告書を提出することも可能です。このような柔軟な対応を知っておくことで、輸入者への適切な助言が可能になります。
通関業務従事者は、医薬品輸入に関する最新の規制情報を常に把握し、輸入者に対して正確な情報提供と助言を行うことが求められます。特に緊急避妊薬のような社会的関心の高い医薬品については、国内での入手方法の変化や安全性に関する情報も含めて、総合的なアドバイスを提供することが望ましいです。
JETRO「医薬品等の輸入手続き:日本」
このJETROのページでは、医薬品輸入に必要な許可・承認の種類、営業所ごとの申請方法、製造販売業と製造業の違いなど、輸入実務の詳細が解説されています。