罰金刑でも通関業の許可が取り消される可能性があります。
罰金刑による有罪判決を受けた場合、通関業の許可に直接影響します。通関業法第6条では、関税法違反により罰金刑に処せられた者は、刑の執行を終わった日から3年を経過しないと通関業の許可を受けることができないと定められています。これは禁錮以上の刑の場合と同じ3年間の欠格期間です。
参考)http://support4tsukanshi.web.fc2.com/Gyohou3.pdf
つまり3年間は業務不可です。
さらに、通関業法自体に違反して罰金刑を受けた場合も同様に3年間の欠格事由に該当します。一方、倉庫業法など通関業に直接関係しない法律の罰金刑は欠格事由に該当しないという例外もあります。
参考)通関士の過去問 第51回(平成29年) 通関業法 問33 -…
法人の場合、従業者が関税法違反で罰金刑を受け、両罰規定により法人も処罰された場合は、刑の執行終了から3年間は通関業の許可が受けられません。ただし両罰規定のみの適用では欠格事由に該当しないという点も押さえておく必要があります。
通関業者として既に許可を受けている場合でも、役員や従業者が欠格事由に該当すると許可取り消しの対象となるため、届出義務があります。
参考)https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/pdfs/rcs/250401_mondaishu_kaitou_P111-138.pdf
罰金刑による前科があってもパスポートの発行や更新自体には制限がかかりません。パスポートに前科の有無は記載されず、前科がバレるような機能もありません。
参考)前科があると海外旅行は行けない? パスポートの取得は可能?|…
パスポート取得は可能です。
ただし、パスポート申請時に虚偽の記載をして仮釈放や執行猶予期間中である事実を隠した場合、旅券法第23条1項1号により5年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科の対象となります。
参考)前科があると海外旅行に行けない? パスポートの取得等への影響…
パスポートの返納命令に従わない場合も同様の罰則があり、指定期限までに返納しないと重い処罰を受ける可能性があります。また、指定された渡航先以外への渡航や帰国時の指定経由地以外への渡航も30万円以下の罰金の対象です。
参考)前科があると海外旅行できない?パスポートやビザの取得に与える…
前科とパスポート取得の詳細な関係についてはこちら
執行猶予付き判決の場合でも前科として扱われるため、パスポート取得時に執行猶予期間中であることを正直に申告する必要があります。
参考)前科とは? 前科持ちになった場合の就職、海外旅行、結婚などへ…
罰金刑による前科がある場合、アメリカへの渡航ではESTAが利用できず、必ずビザ申請が必要になります。米国移民国籍法では刑の消滅という考え方がなく、有罪判決歴は永久に記録されるためです。
参考)逮捕歴・犯罪歴有の方のビザ申請 - ビザ申請代行、日本進出企…
ESTAは使えません。
略式命令による罰金刑であっても、有罪判決である以上は前科として扱われ、ESTA申請時の質問項目で「有罪判決の有無にかかわらず逮捕歴のある方」に該当するため認証を得られません。虚偽の申告を行った場合、入国拒否や強制送還の対象となり、今後一切ESTAでの渡航が不可能になります。
参考)不起訴処分や略式起訴を受けた人はアメリカビザの申請はできる?…
ビザ申請時には、過去に大使館や領事館でビザを申請した経歴があっても、逮捕や判決に関するすべての裁判記録を提出しなければなりません。交通違反で罰金未払いや法定審問に出頭しなかった場合は、米国滞在中に逮捕状が出される可能性もあるため、事前に管轄警察署で手続きを済ませる必要があります。
参考)前科・前歴・犯罪歴がある人はアメリカに行けない?渡航に及ぼす…
在日米国大使館の有罪判決に関する公式情報
不法滞在を行うと3年以下の懲役および禁錮刑または300万円以下の罰金が科され、退去強制と入国拒否の対象となります。
ヨーロッパ諸国への入国では、前科がある場合の渡航要件が国によって異なります。禁固刑が「効力失効」とみなされた場合、渡航者は前科を申告する必要がなく、入国管理局が犯罪を認識していても不利に利用することはできません。
参考)前科がある場合のヨーロッパ旅行
国ごとに対応が違います。
日本では罰金刑の場合、罰金納付から5年以上罰金刑が確定しなければ刑の言い渡しの効力が消滅します。これは拘留(1日以上30日未満の拘束)や科料(1,000円以上1万円未満の罰金)の場合も同様です。
参考)前科や前歴は消える?略式起訴や罰金刑で前科はつく?
刑の効力が消滅すれば、前科がついた事実は消えなくても資格制限を受けなくなります。市町村役場が犯罪人名簿で確認し、刑が消滅していればその旨を監督官庁に報告することで、対象者の資格制限が解除されます。
参考)刑の消滅とは?前科があっても資格をとって活躍できる!
ただし、犯罪歴があってヨーロッパに旅行する場合、入国の最終決定は入国審査官の個々の裁量が大きいという点に留意が必要です。入国審査時に前科を隠さず、必要な書類を準備しておくことが重要です。
通関業務従事者にとって、関税法違反による罰金刑は最も避けるべきリスクです。関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)に該当する違反行為をして罰金刑を受けた場合、刑の執行終了から5年を経過しても通関業の許可を受けることができない場合があります。
5年間の制限もあります。
国税や地方税に関する法律に違反して罰金刑を受けた場合も、刑の執行を終わった日から3年を経過しないと通関業の許可を受けられません。一方、刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の2第1項(凶器準備集合)、第222条(脅迫)、第247条(背任)の罪や暴力行為等処罰に関する法律の罪で罰金刑を受けた場合は2年間の欠格期間となります。
参考)通関士の過去問 第57回(令和5年) 通関業法 問15 - …
禁錮以上の刑に処せられた場合は、どの法に違反したかを問わず3年間の欠格期間が設けられています。「禁3(きんさん)」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
破産した場合でも、復権を得れば欠格事由に該当しなくなります。これは破産状態から健全になったという意味です。
通関業の許可欠格事由の詳細な一覧表
通関業法、関税法、国税・地方税に関する法律以外の法律違反については、禁錮以上の刑に処され執行を終わり2年を経過していない者という規定があるため確認が必要です。