実は2026年2月時点でも、スマホ申告は全所得に対応していません。
国税庁の確定申告書等作成コーナーは、2019年からスマートフォン専用画面を提供しています。スマホのブラウザ(SafariやGoogle Chromeなど)から国税庁の公式サイト「確定申告書等作成コーナー」にアクセスすると、自動的にスマホ用の画面が表示されます。
参考)スマホで確定申告を行うやり方は?事前準備からマイナンバーカー…
国税庁 確定申告書等作成コーナー 公式サイト
確定申告書の作成から提出までの一連の手続きができる国税庁の公式ツールです。
スマホ専用画面では、給与所得、事業所得、不動産所得、雑所得、一時所得などの所得や、医療費控除をはじめとする全ての所得控除に対応しています。つまり主要な申告はカバーされているということですね。画面の案内に沿って金額等を入力すると、所得金額や税額が自動計算されるため、計算ミスを削減できます。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/smart-phone/
通関業務従事者の場合、輸入業務に関連する経費や控除項目を入力する際も、スマホ画面から操作可能です。ただし帳簿付けなどの事前準備は別途必要になります。
スマホからe-Taxで確定申告を行うためには、いくつかの準備が必要です。基本的に必要なものは以下の通りです。
📱 必須アイテム
マイナンバーカード方式を利用する場合、ICカードの読み取りが可能なスマートフォンが必要です。2026年1月からは、Android端末に限り「スマホ用電子証明書」を利用すれば、申告時にマイナンバーカードを読み取ることなくe-Tax送信が可能になりました。iPhoneは対応していません。
参考)確定申告手続きは「スマホ」と「マイナポータル連携」で便利に!…
これは便利な進化ですね。スマホ用電子証明書を利用するには、事前にマイナポータルアプリから利用申請・登録を行う必要があります。
スマホで確定申告を行う具体的な手順は以下の通りです。
参考)スマホで確定申告できる!e-Taxのやり方から納税方法、メリ…
ステップ1:確定申告書等作成コーナーへアクセス
スマホのブラウザから国税庁の「確定申告書等作成コーナー」公式サイトにアクセスし、「作成開始」ボタンをタップします。
ステップ2:申告書の年度と提出方法を選択
作成する確定申告書の年度(例:令和7年分)を確認し、提出方法でe-Taxを選択します。マイナンバーカードをお持ちかどうか、スマートフォンがマイナンバーカードの読み取りに対応しているかを確認する質問に回答します。
ステップ3:e-Taxへのログイン
マイナンバーカード方式の場合、マイナポータルアプリが起動し、「利用者証明用電子証明書パスワード(数字4桁)」を入力します。次にスマートフォンの指定された位置にマイナンバーカードをかざして読み取ります。iPhoneの場合は本体上部、Androidは機種により異なります。
正常に認証できれば次に進めます。
ステップ4:収入・所得金額の入力
給与所得や事業所得など、該当する所得区分を選択し、源泉徴収票や帳簿に基づいて金額を入力します。通関業務従事者で個人事業主の場合、「事業所得(営業・農業)」を選択し、必要に応じて決算書・収支内訳書データ(XMLファイル)をアップロードします。
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ステップ5:所得控除の入力
医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、寄附金控除(ふるさと納税)などの各種控除項目を入力します。
ステップ6:申告書の確認と送信
作成したデータを確認し、e-Taxで送信します。送信完了後、作成した確定申告書のデータはスマートフォンにPDF形式で保存できます。
通関業務に従事する個人事業主がスマホで確定申告を行う際、輸入関連の経費処理に注意が必要です。輸入業務には複数の費用項目があり、それぞれ適切な勘定科目で処理する必要があります。
輸入経費の主な項目と勘定科目
参考)輸入経費と原価の計算方法を紹介!勘定科目・消費税について|サ…
免税事業者であれば、すべて経費として処理できます。課税事業者の場合、輸入消費税は原価に含めず、資産の仮勘定として計上します。年度末の消費税の確定額計算及び申告を行う際に初めて費用として認識されるということですね。
参考)商品を輸入した際の仕分けについて
輸入消費税の仕入税額控除を受けるためには、原則として輸入申告名義人であることが必要です。通関業務を代行する者は輸入申告者とはなれず、輸入消費税の仕入税額控除もできません。貨物の処分権限を有する非居住者自らが輸入者となる形態を取る必要があります。
参考)輸入消費税の仕入税額控除ができるのは輸入申告名義人
これは重要なポイントです。修正申告に伴い追加で支払った関税・消費税は仕入に直接要する費用として経費計上が可能で、勘定科目は原則として「仕入高(または仕入原価)」に含めて処理します。修正申告手数料や通関業者への事務手数料等は「支払手数料」で処理して問題ありません。
参考)「関税の修正申告費用について」
マイナポータル連携を利用すると、各種控除証明書のデータを自動で取り込めるため、入力の手間を大幅に削減できます。マイナポータル連携で取得できる主な情報は以下の通りです。
事前準備として、マイナポータルアプリから各種サービスとの連携設定を行う必要があります。申告書作成時に「マイナポータル連携」を選択すると、連携済みのデータが自動で入力されます。
データ取得は数分で完了します。
確定申告書等作成コーナーへアクセスし、申告書の作成を開始した後、収入・所得金額の入力画面で「マイナポータル連携」ボタンをタップします。マイナンバーカードまたはスマホ用電子証明書で認証し、取得したいデータを選択すると、自動で入力欄に反映されます。
スマホで確定申告を行う際には、いくつかの注意点があります。まず添付書類の提出や保存について理解しておく必要があります。
e-Taxで確定申告をする場合、一部の書類は添付を省略できますが、別途送付が必要な書類もあります。例えば医療費の領収書や寄附金の受領証など、一定の書類は5年間保存する義務があります。省略できるものと送付が必要なものを事前に確認しておくことが大切です。
次にスマホ申告の対応範囲についてです。スマホ専用画面は主要な所得区分に対応していますが、一部の複雑な申告には対応していない場合があります。例えば株式の譲渡所得や土地・建物の譲渡所得など、一部の所得区分はパソコン版の利用が推奨されることもあります。
つまり全てがスマホで完結するわけではありません。
通関業務従事者が輸入業務に関する複雑な経費計算を行う場合、スマホ画面だけでは入力しづらいケースもあります。その場合は会計ソフトで帳簿を作成し、XMLファイルとしてエクスポートしてスマホからアップロードする方法が効率的です。
ID・パスワード方式を利用する場合、事前に税務署で利用者識別番号を取得する必要があります。税務署窓口で本人確認を行い、その場でID・パスワード方式の届出を作成・送信すると、利用者識別番号を取得できます。または国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」からマイナンバーカードを使って届出を作成・送信することでも手続きが可能です。
参考)スマホでの確定申告はマイナンバーカードなしでできる?やり方を…
マイナンバーカードの読み取りがうまくいかない場合は、国税庁が公開している「マイナンバーカードをうまく読み取れないときの確認事項」を参照してください。スマホの機種やケースの影響で読み取りにくいこともあるため、適切な位置に正しくかざすことが重要です。
国税庁 - マイナンバーカードをうまく読み取れないときの確認事項
マイナンバーカードの読み取りトラブル時に確認すべきポイントがまとめられています。
作成途中のデータは保存して後から再開できます。.data形式で保存しておけば、次回アクセス時に「保存データを利用して作成」を選択することで、入力途中から再開できます。複雑な申告を複数回に分けて作業する場合に便利ですね。