申告価格が20万円以下の品目を「少額」として一欄にまとめると、後で価格修正が生じたとき申告撤回が必要になり、通関遅延で1日あたり数万円のコンテナ賃借料が余計にかかります。
輸出申告書は、税関様式C第5010号と定められた書式で、輸出者名・品目・数量・価格などを記載し、税関長に提出する書類です 。税関が内容を審査して輸出を許可すると「輸出許可書」が交付されます 。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/glossary/ya/post-152.html)
サンプルを参照する際に必ず確認すべき主な記載項目は以下のとおりです。
- 輸出者(申告者)の住所・氏名:法人番号または通関業者コードを正確に入力
- 仕向人住所氏名:実際に貨物を受け取る工場や荷受人の情報。買主と異なる場合は別途記載が必要 customs.go(https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/extsukan/5010-3_jr.htm)
- 品名・統計品目番号(HSコード):輸出統計品目表から1〜9桁+NACCSコード1桁の計10桁を選択 geocity1(https://geocity1.com/kaomori_0614/jnacs.html)
- 申告価格:原則FOBベースで計算。外貨建ての場合は申告日の適用為替レートで換算 kanzei.or(https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/pdfs/book/zero2025P25.pdf)
- 積出港・仕向地:国名または港のコードで記載
記載内容が正確でないと税関から照会が入り、通関に遅れが生じます。サンプルを使う場合でも各項目の意味を理解しておくことが基本です。
税関カスタムスアンサー:輸出申告書の記載方法(税関公式サイト・記載例あり)
少額申告のルールは、統計品目番号ごとの申告価格が20万円以下かどうかを基準に判断します 。 kanzei.or(https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/pdfs/book/zero2025P25.pdf)
これがポイントです。
仕入書価格がFOBではなくCIF建て・DPU建てになっている場合、そのまま比較すると誤判断が生じます。まず「少額判断基準価格」(20万円を申告日の為替レートで割り戻した外貨額)を算出して、仕入書価格と比較するステップが必要です 。 kanzei.or(https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/pdfs/book/zero2025P25.pdf)
少額貨物のNACCS入力ルールも複雑です。
| ケース | 品目番号10桁目 | 入力する申告価格 |
|---|---|---|
| 少額品目が2品目以上あり合算 | X | 合算した合計額 |
| 一欄に一品目のみで20万円以下 | E | その品目の価格 |
| 大額品目(20万円超) | 通常コード | 各品目の価格 |
globalbizgate(https://www.globalbizgate.com/tsukankenteitaisaku/2023/12/02/%E5%95%8F%E9%A1%8C%E6%96%87%E3%81%AF%E8%89%AF%E3%81%8F%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%81%B9%E3%81%97%EF%BC%81%EF%BC%88%E9%80%9A%E9%96%A2%E5%A3%AB%E8%A9%A6%E9%A8%93%EF%BC%89/)
少額品目をまとめた欄は、最後の欄に入力するルールになっています 。合算した少額品目の合計額が大額品目を上回るケースでは、少額欄が5欄目以外になることもあります。厳しいところですね。 globalbizgate(https://www.globalbizgate.com/tsukankenteitaisaku/2023/12/02/%E5%95%8F%E9%A1%8C%E6%96%87%E3%81%AF%E8%89%AF%E3%81%8F%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%81%B9%E3%81%97%EF%BC%81%EF%BC%88%E9%80%9A%E9%96%A2%E5%A3%AB%E8%A9%A6%E9%A8%93%EF%BC%89/)
日本関税協会テキスト:少額貨物の合算と統計品目番号のとりまとめ方(PDF)
輸出申告書単体では手続きは完結しません。サンプルで申告書の書き方を覚えると同時に、以下の添付書類も一式そろえる習慣をつけましょう 。 webciss.sankyu.co(https://webciss.sankyu.co.jp/portal/j/asp/newsitem.asp?nw_id=2215)
- 🧾 インボイス(仕入書):品名・単価・数量・建値・仕向地を記載。フォーマット自由だが記載不備は通関不能の原因に sunplan.co(https://www.sunplan.co.jp/column/892/)
- 📦 パッキングリスト:梱包ごとの品名・数量・重量・寸法を記載
- 🔐 非該当証明書:安全保障貿易管理(外為法)の非該当確認書類。該当する場合は輸出許可証が必要
- 📜 通関委任状:通関業者に申告を委任する場合(初回のみが多い)
- 📋 他法令の許可書・証明書:食品衛生法、ワシントン条約(CITES)など他法令該当品の場合
インボイスの記載は一定のルールがある、ということですね。特に建値(FOB/CFR/CIF等)の明記は申告価格の計算に直結するため、省略は厳禁です。
また、申告価格が20万円超(大額)の場合は輸出許可書または税関の輸出証明書の保存が義務です。20万円以下(少額申告)の場合でも、運送業者の少額輸出許可書の保存が必要になるケースがあります 。 myts.co(https://myts.co.jp/login_myts/wp-content/uploads/2024/07/%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%82%89%E7%89%88%E3%80%802024%E5%B9%B48%E6%9C%881%E6%97%A5%E5%8F%B7-.pdf)
現在の輸出申告は原則としてNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)を通じて電子申告で行います 。紙のサンプルを頭に入れた上で、NACCS画面への入力項目に対応させながら作業します。 kanzei.or(https://www.kanzei.or.jp/moji/moji_files/pdfs/book/2023naccs_kaijotsu_shiryo.pdf)
NACCSでの申告価格入力のルールは次のとおりです。
1. 大額品目(申告価格20万円超)を申告価格の大きい順に入力
2. 同一統計品目番号で20万円以下の品目がある場合はまず合算する
3. 少額品目(20万円以下)は最後の欄に入力し、10桁目を「X」または「E」とする
これが基本です。
外為法の電子ライセンスを使用する場合は、NACCSの突合業務(JTZ)が実施されていることを申告前に必ず確認します 。裏書を忘れたまま申告するミスはNACCSの自動チェックで防げますが、電子ライセンス番号の入力ミスは手動では発見しにくいため、利用者コードと番号を二重確認する習慣が重要です。 meti.go(https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/05_naccs/R4fy_anpo_naccs_tsukan_rev.pdf)
申告を誤って提出した場合は「輸出申告撤回申出書(税関様式C-5240号)」を申告官署に提出する手続きが必要です 。特定輸出申告の場合、撤回は輸出許可前までしか認められません 。申告内容の修正は安易にできないと覚えておけばOKです。 bbs.naccscenter(https://bbs.naccscenter.com/data/customs/jimu/pdf/tetsu/sea/tsukan/tst_020_070_000.pdf)
NACCSセンター:特定輸出申告手続の撤回に関する取扱い(PDF)
サンプルを見るだけでは判断に迷いやすいのが「仕向人住所氏名」欄です。これは意外と誤記が多いポイントです。
税関の公式Q&Aでは次のように定めています 。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/extsukan/5010-3_jr.htm)
- 実際に貨物を受け取る工場の住所等が判明している場合 → その工場の住所等を記載
- 仕入書に「取引上の買主」と「実際の荷受人」が別々に記載されている場合 → 実際の荷受人の情報を記載
- 買主と荷受人が同一の場合 → 「買主と同じ」と記載可
この区分を誤ると、輸出許可書の内容と実際の貨物流れが一致しなくなるリスクがあります。貿易管理上のリスク、ということですね。
また、仕向地の記載では台湾を英語表記する場合は「TAIWAN」とのみ記載するルールがあります 。これは国として認めない外交上の背景から来るもので、通関書類に「Taiwan, China」「Republic of China」などと記載すると、先方の通関で問題が生じる可能性があります。 meti.go(https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/boekikanri/download/export/2012/20121030_169_ex.pdf)
実務では、仕入書(インボイス)の記載と申告書の仕向人欄を一致させることが原則です。ただしサンプル品など価格が意図的に低く記載されているケースがある場合、本来の商品価格で申告しなければならないという点も忘れてはなりません 。アンダーバリューは不正申告となり、法的リスクにつながります。 ots-jpn(https://ots-jpn.com/international_transportation/under-value/)
税関カスタムスアンサー:仕向人住所氏名の記載に関するQ&A(税関公式)
| ケース | 承認日から5年 | 輸入許可日 | 更正請求の終期 |
| ------- | --------- | --------- | --------- |
| A(早期許可) | 令和11年4月1日 | 令和7年6月1日 | 令和11年4月1日 |
| B(遅延許可) | 令和11年4月1日 | 令和12年3月1日 | 令和12年3月1日 |