実は輸出申告時にインボイス提出は必須ではありません。
仕入書インボイスは、国際貿易における商品の価格や内容を証明する書類です。通関手続きでは、関税や付加価値税の算出根拠として使われます。
商取引と通関の2つの観点で使われるのが特徴です。商取引では請求書や納品書の役割を果たします。
通関では税関が輸入許可の判断材料にします。
参考)インボイスとは?通関士が扱うものと商取引の2つの観点から解説…
特に輸入の際には、インボイスがないと関税を計算できず貨物を受け取れません。日本語では「仕入書」や「商業送り状」と呼ばれますが、実務上は「インボイス」の呼称が一般的です。
参考)輸出で必要なインボイスの書き方|税関を突破する為に必要なポイ…
貨物の商品価値を客観的に示すための根拠資料として機能します。
仕入書インボイスには輸出者および輸入者の実在する情報が必要です。商品明細では貨物の品名、種類、数量を正確に記載します。
請求金額は建値を含めて明記する必要があります。無償扱いの場合は「No Commercial Value」と記載しますが、実務上は有償相当額で輸入申告を行います。
参考)インボイスとは?通関士が扱うものと商取引の2つの観点から解説…
通貨が特定できない¥マークや単価「0」の記載は避けてください。
通関申告上、正しい単価が必要だからです。
参考)インボイスの作成について
HSコード(商品分類コード)の記載も重要な要素です。
関税率の決定に直接影響します。
仕向地によってはレターヘッドでの作成が求められる場合もあります。税関の要求に応じた形式を守ることが大切です。
貿易取引では用途に応じて5種類のインボイスがあります。プロフォーマ・インボイスは見積書として使われます。
コマーシャル・インボイスは請求書および商品明細書の役割を持ちます。全取引に必須で、カスタムズ・インボイスと兼用可能です。
シッピング・インボイスは納品書として機能します。カスタムズ・インボイスは輸入国税関での関税計算に使用されます。
コンシュラー・インボイスは輸出国の輸入国領事が認証する特殊な書類です。特定地域で脱税防止や貿易統計のために要求されます。
コマーシャル・インボイスが最も汎用性が高いです。
インボイスは原則として荷物を送る側が作成・発行します。商取引では受注者や販売者、通関では輸出者が作成者です。
虚偽のインボイス発行は重大な違反行為です。適格請求書発行事業者が偽りの内容で発行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。
参考)http://www.ntt-finance.co.jp/billing/biz/column/20231220_2
意図的でなくても罰則対象になる点に注意してください。誤認されるおそれがある書類も同様の罰則を受けます。
脱税目的の偽装やなりすましの場合、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科されます。取引額の水増しやありもしない取引の記載は明確な違反です。
参考)インボイス制度違反には罰則がある!注意点を売り手・買い手別に…
記載ミスを防ぐには、社内でのチェック体制構築が重要です。
参考)インボイス対応の仕入明細書とは?記載方法やよくある質問を解説…
輸出申告の際、インボイスは税関が輸出許可の判断に必要と認めた場合のみ提出します。
すべてのケースで必須ではありません。
輸入時には価格資料の提出を求められる場合があります。輸出者が発行したインボイス、請求書や領収書、発注書や契約書などが該当します。
参考)https://www.customs.go.jp/tokyo/yuubin/postal_qa/kakakusiryou.htm
インボイスに不備や誤りがあると通関手続きが遅延します。最悪の場合、貨物が没収される可能性もあるため細心の注意が必要です。
輸出入に関する規制や手続きは国や地域によって異なります。事前に必要な情報を収集し、それぞれのルールに合わせた書類作成が求められます。
インコタームズ(貿易条件)を明確にすることでトラブルを防げます。商品引き渡し場所や費用負担区分をはっきりさせておきましょう。