貿易統計品目コード検索方法と注意点まとめ

通関業務で欠かせない貿易統計の品目コード検索について、実務で使える検索方法や分類ミスによるリスク、事前教示制度の活用法まで詳しく解説します。正確なコード特定で通関トラブルを防げるのでしょうか?

貿易統計品目コード検索

商品名だけで品目コード検索すると分類ミスで追徴課税されます。

この記事のポイント
🔍
品目コード検索の基本

財務省税関の輸出統計品目表と実行関税率表を使った9桁の統計番号特定方法

⚠️
分類ミスのリスク

HSコード誤記による追徴課税や過去5年分の遡及請求事例

📋
事前教示制度の活用

輸入前に税関から文書回答を得て通関をスムーズにする方法

貿易統計品目コード検索の基本手順


貿易統計の品目コードは、9桁の統計品目番号で構成されています。検索には、輸出の場合は「輸出統計品目表」、輸入の場合は「実行関税率表」を使用します。
財務省税関のウェブサイトでは、品目分類キーワード検索機能を提供しています。検索時には、該当する税番が含まれている情報が表示され、統計品目番号の上位2桁、4桁、6桁、全9桁のいずれも指定できます。つまり段階的な絞り込みが可能です。​
統計品目番号は21部97類に分かれており、それぞれの表題を参考に品目が含まれていそうな類を選んで番号を探していく流れになります。4桁の数字が「項」の番号、6桁が「号」の番号で、この号までが国際的に統一されています。​
財務省税関「統計品目番号の調べ方」
統計品目番号の基本的な構造と検索手順について詳しく解説されています。

貿易統計品目コード検索で多い分類ミス

最も多いのが、商品名や通称だけを入力して検索し、そのまま分類を確定させてしまうケースです。同じ名称の製品でも、用途・素材・構造によって別のHSコードが割り当てられることは珍しくありません。
参考)【2025年版】HSコード検索の完全ガイド|関税・EPA・H…

具体的には「完成品だと思っていたら制度上は部品扱い」「業務用だと思っていたら家庭用に該当する」といった用途や構造の認識違いによる分類ミスが実務では多く見られます。これは商品仕様を十分に把握しないまま検索を進めてしまうことが原因です。​
過去のデータを流用することで意図せぬ分類ミスに陥ることも多いです。特に製品の設計変更や原材料・部品の仕様変更に機敏に対応せず、会社独自の品番や呼称をそのまま使い、国際的な定義とかみ合っていない場合も少なくありません。​
横浜税関の統計では、2020年に発生した誤びゅうの主な原因として「統計品目番号」及び「数量・単位」によるものが全体の8割超を占めています。誤びゅうというのは通関業界の用語ですね。
参考)https://www.customs.go.jp/yokohama/toukei/202104gobyuonegai.pdf

品目コード検索前に整理すべき商品情報

HSコード検索の精度は、商品名等のキーワードよりも「事前にどこまで商品情報を正確に把握できているか」でほぼ決まります。商品名だけで検索すると、見た目が似ている別分類の商品を選んでしまうリスクが高くなります。​
具体的に整理すべき情報は以下の通りです。まず製品の素材と構成部分を明確にします。次に使用目的と用途を特定します。さらに製品の形状・構造・加工度を確認します。
実務では「図面・仕様書」と「HSコード解説」の突き合わせ確認が必須です。抽象的な品名や社内呼称で流すのではなく、実際の形状・用途・構造が該当するHSコードと照合し、不明点は逐一クリアにします。​
税関・JETROなどの公式データベースでコード確認することが基本です。商品仕様書・原材料・使用目的をしっかり分析した上で検索することで、分類ミスを防げます。​

HSコード誤記による追徴課税リスク

HSコードを間違えると、輸入時の税金が変わってしまうため、過大に支払ってしまったり、逆に本来払うべき税金よりも過少に支払うことになってしまいます。過少の場合は、あとで追徴課税という形で支払うことになります。
参考)https://www.toishi.info/hscode/wrong.html

HSコード分類ミスが発覚した際、一番多いトラブルは「関税の追加徴収」や「過去分までさかのぼっての追徴」そして「過剰納付による損失」です。部品のつもりで申告したものが完成品扱いとみなされ、高率の関税が課せられるケースがあります。​
過去5年分さかのぼって請求された事例もあります。これらは経営上の想定外コストとなり、利益を大きく左右します。​
追徴で支払う場合は、本来支払うべき時から時間が経過して延滞しているわけなので、それらの期間分と間違えたことによるペナルティ分の税金が加算されます。関税をのせたCIF価格に消費税などの付加価値税をのせる仕組みになっているため、関税がかかる品目の場合は消費税の支払いも過少となってあとから追徴となることがあります。延滞税とペナルティが条件です。​
誤ったコードで申告するとアンダーバリューの状況となり、脱税とみなされるリスクがあります。これは法的リスクとして認識しておく必要があります。​

貿易統計品目コード検索で活用できる事前教示制度

事前教示制度は、輸入前に税関に対して貨物の関税分類(HSコード)、関税評価、原産地、減免税の適用可否などを照会し、文書で回答を得る制度です。これにより、輸入者は通関手続きの確実性を高め、予期せぬ課税や遅延を防ぐことができます。
参考)事前教示制度の活用事例と申請方法 - 通関士ブログ

本制度の利用による利点として、事前に税率がわかることから原価計算の確実性を高めることが可能となる点があります。また輸入申告時に貨物の税番、関税率等が判明しているため、輸入通関をよりスムーズに行うことができる点もメリットです。​
事前教示は原則として文書による照会をしていただき、税関から文書により回答することによって行います。品目分類の事例として、輸入予定の商品が関税率表上でどの分類に該当するかを確認できます。
必要に応じて「事前教示制度」を活用することが、日本税関の制度として推奨されています。社内でHSコードの付番基準を明文化し、定期的なコード見直しとアップデートを行うことも重要です。文書回答が原則ですね。​
財務省税関「品目分類の事前教示制度について」
事前教示制度の利用方法と利点について公式見解が掲載されています。

Jtrade等の貿易統計データベース活用法

Jtradeは、HS番号9桁で相手国別の貿易統計(数量、価額、シェア等)を検索できるデータベースです。品目別国別データ検索では、最も詳細な分類である9桁のHS番号で検索が可能です。
参考)日本関税協会

HS番号6桁の世界共通の分類でも、相手国別の貿易統計(価額、シェア等)が検索できます。HS番号4桁の「項」や2桁の「部」でも検索できるため、段階的に絞り込むことが可能です。​
国別品目別データ検索では、指定した国との二国間の貿易統計(数量、価額等)を選択した「部」毎に検索できます。港別のデータ検索では、税関署所別に相手国別の貿易統計が検索できるため、地域別の貿易動向も把握できます。​
財務省税関の貿易統計検索ページでは、9桁の統計番号毎に集計されたデータを提供しています。いくつかの統計番号をまとめて一般的な名称を付した概況品による検索表も提供されています。概況品検索も便利です。
参考)https://www.customs.go.jp/toukei/srch/index.htm

品目別国別の検索では、選択した年より過去5年分のデータ(数量、価額)が税関署所別に検索できるため、経年変化の分析にも活用できます。指定した年月の貿易統計が総額ベースでも検索できます。​




【通関士サーモタンブラー】輸出統計品目表/実行関税率表(輸入統計品目表)[EXPORT STATISTICAL SCHEDULE/CUSTOMS TARIFF SCHEDULES] (ホワイト)