統計品目番号の末尾「T」を入力し忘れると消費税還付が認められない。
中古車の輸出統計では、HSコード(Harmonized System)を基にした統計品目番号が使われています。HSコードは国際貿易商品の名称及び分類を世界的に統一する目的で作られた6桁のコード番号で、日本を含む主要貿易国で利用されています。
日本では6桁のHSコードに日本独自の細分をするためのコードを足して分類しています。中古車輸出の場合、乗用車は第87.03項に分類され、ガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車で異なるコードが割り当てられています。
参考)https://www.customs.go.jp/yusyutu/2019_4/data/j_87.htm
具体的な統計品目番号は以下のとおりです。
ガソリンエンジン乗用車の統計品目番号
ディーゼルエンジン乗用車の統計品目番号
これらが基本です。
排気量によって統計品目番号が細かく分かれているのは、貿易統計の正確性を保つためです。通関申告の際は車検証に記載された排気量を確認し、正確なコードを選択する必要があります。
税関の公式サイトには第87類の統計品目番号一覧が掲載されており、申告前の確認に活用できます
2024年の中古車輸出台数は前年比2.0%増の156万6621台となり、2年連続で過去最高を更新しました。これは日本中古車輸出業協同組合が公表した車両価格20万円以上の中古車輸出台数です。
参考)2024年の中古車輸出、前年比2%増の156万台 2年連続で…
2025年5月までの累計では、日本から輸出された中古自動車の台数は68万1116台に達しています。輸出先国別のランキングでは、アラブ首長国連邦が16.1%で首位、ロシアが9.7%で2位、タンザニアが6.0%で3位となっています。
参考)2025年の中古車の輸出統計ランキング
つまり中東とアフリカが主要市場です。
門司税関の2023年データでは、自動車(中古車を含む)の輸出実績が数量95万2344台(対前年比126.5%)、金額3兆2092億円で過去最高を記録しました。円安の影響で通関単価が337万円となり、2019年の202万円と比べ66.8%上昇しています。
参考)https://www.customs.go.jp/moji/moji_toukei/202402jidousya.pdf
財務省の貿易統計によると、日本の中古車輸出台数は年間100万台を超えており、その市場規模は数兆円規模に及びます。特に近年では円安の影響もあり、海外バイヤーにとって日本の中古車を購入しやすい状況が続いています。
参考)中古車輸出の統計! 主要国別の規制変更と市場動向など
輸出需要が高まる背景には、国内で評価が下がりやすい過走行車・事故車・水没車であっても、海外では実用車として需要があり、輸出向けとして再評価されるケースが増えていることがあります。
参考)中古車輸出の最新動向2024-2025|輸出台数ランキング・…
E-Statの普通貿易統計を元にした月別・年別の詳細ランキングが確認できます
通関申告における統計品目番号の入力ミスは「誤びゅう」と呼ばれ、通関業務で頻繁に発生する問題です。横浜税関が公表した事例では、中古車の積戻し申告において、通過貿易統計計上貨物として統計品目番号の末尾に「T」を入力すべきところ、誤って再輸出入識別符号「Y」を入力した事例が報告されています。
統計品目番号の誤りは統計計上に影響するだけでなく、消費税還付手続きにも支障をきたします。中古車輸出では、国内で支払った消費税を還付申請できますが、そのためには正確な通関申告と輸出許可書が必要です。
参考)中古車輸出で消費税が戻る仕組み|申請方法・計算例・専門家活用…
他にも多い誤びゅう事例があります。
数量・単位の誤り事例
統計品目番号の末尾記号の誤り
これらの誤びゅうを防ぐには、申告前のチェックリストを作成し、車検証・船積書類・インボイスの記載内容と統計品目番号が一致しているか確認する習慣が重要です。特に中古車の場合、HSコードでは8703.21(1,000cc以下)、8703.22(1,000超1,500cc以下)において中古の品目の設定がない排気量帯もあるため注意が必要です。
参考)第125回:アメリカの中古車輸出台数の算出における課題【更新…
横浜税関が公表する誤びゅう削減のお願い資料には具体的な防止策が記載されています
中古車を輸出する際は、国内での車両登録を抹消する「輸出抹消登録」の手続きが必要です。これは陸運局で行う手続きで、輸出予定であることを届け出て車両の国内登録を終了させます。
普通自動車の輸出抹消仮登録に必要な書類は以下のとおりです。
参考)輸出抹消の手続に必要な書類
📋 必要書類(普通自動車)
軽自動車の場合も同様に、一時使用中止の申請と同時に輸出予定届出を行います。車検証・ナンバープレート・委任状が必要です。
参考)輸出抹消仮登録・輸出届出|大分市の行政書士あなたの法務事務所
通関手続きでは、インボイス作成、船便の手配、税関への輸出申告を行います。輸出申告が受理されると輸出許可書が発行され、この許可書に印鑑が押されます。
参考)輸出後の消費税還付を受ける条件と申請手続きまとめ - セカイ…
消費税還付を受けるなら、この許可書が必須です。
消費税還付の仕組みは、国内で支払った消費税を輸出によって免除される売上に対して取り戻すものです。課税事業者として登録している場合、仕入れにかかる消費税を還付対象として申告できます。還付を受けるには、消費税の確定申告書を作成して輸出許可書と一緒に管轄税務署に提出します。
還付金の支払手続きには1ヶ月から1.5ヶ月程度かかります。納品書や領収書は消費税を支払った証明になるため保管しておく必要があります。
消費税還付の詳細な申請手続きについては専門サイトで確認できます
輸出統計データを深く分析すると、車種や年式による需要の違いが見えてきます。E-Statの普通貿易統計では、車のタイプにチェックを入れることでタイプ別に絞り込むことができ、軽自動車が好まれている国やハイブリッド車両が好まれている国などが確認できます。
ハイブリッド・電気自動車は2017年から新たに追加された統計品目です。これは環境規制の強化に伴い、輸出先国でも低排出ガス車の需要が高まっていることを反映しています。実際、UAEでは年式5年以内でユーロ5基準を満たす車両のみ輸入可能という規制があります。
意外ですね。
過走行車・事故車でも輸出需要があるというのは、通関業務従事者にとって重要な情報です。修復歴があっても走行可能であればOKで、国によっては「初度登録から7年以内」という制限はあるものの、事故車でも高額査定が期待できます。
具体例では、2021年式・走行36,000kmの冠水車や、2022年式・走行5,000kmの後方損傷事故車(修復歴有)が輸出されています。これらは国内市場では大幅に価値が下がりますが、海外では実用車として需要があるのです。
税関別の統計を見ると、日本の税関管轄区域は9つに分かれており、門司税関が自動車輸出で大きなシェアを占めています。門司税関の自動車輸出金額は総輸出金額の28.7%を占め、約30%に達しています。
参考)2025年に輸出向けに通関された中古車の台数 – まとめ
地域によって輸出量が違うということですね。
再輸出の動きも注目すべき点です。UAEに輸出された中古車の多くはアフリカへ再輸出されています。これは中東が中古車のハブ機能を果たしていることを示しており、通関業務では再輸出を前提とした書類作成が求められる場合があります。
2025年1月〜3月のキルギス向け輸出は567%増加という急激な伸びを見せており、国際情勢や関税政策の変化が輸出先に大きく影響することが分かります。ロシア向けは2000cc以下のみ・600万円以下という制限が2023年以降の制裁措置で設定されています。
中古車輸出の最新動向と国別規制の詳細はこちらで確認できます

【通関士サーモタンブラー】輸出統計品目表/実行関税率表(輸入統計品目表)[EXPORT STATISTICAL SCHEDULE/CUSTOMS TARIFF SCHEDULES] (シルバー)