無料の発注書テンプレートでも項目不足で通関トラブルが起きます
発注書は取引内容を明確化し、発注者と受注者の双方を守る重要な書類です。無料でダウンロードできるExcelやWord形式のテンプレートは、登録不要で利用できるものが多く、すぐに業務に活用できます。
テンプレートには標準的な項目として、発注日、発注番号、発注者と受注者の情報、商品やサービスの明細、数量、単価、合計金額、納期、支払条件などが含まれています。これらの項目は法的に必須ではありませんが、トラブル防止のために記載が推奨されます。
無料テンプレートはカスタマイズの自由度が高く、自社の業務に合わせて項目を追加・修正できます。初めて発注書を作成する方でも、テンプレートをベースにすれば効率的に作成できますね。
参考)発注書の無料Excel雛形・フォーマット7選!書き方や法対応…
通関業務に携わる方は、一般的な国内取引用のテンプレートと、貿易取引用の書類を混同しないよう注意が必要です。発注書(Purchase Order)とインボイス(Invoice)は異なる書類であり、それぞれ役割が違います。
参考)輸出入業務における必要書類とは?分かりやすく解説|サンプラン…
通関業務では、発注書(Purchase Order, P/O)は輸入者が輸出者に発注する際に作成する注文書として使用されます。一般的に「誰が」「誰に」「どんな条件で」「どこから」「どこに」「いくらの」「何を」「いくつ」購入したいかという情報が記載されます。
発注書は発注の意思を示す書類であり、Sales Contractほどの法的効力はありません。しかし、インボイスを作成する上で基礎情報となる重要な書類です。
通関業務において、インボイスは税関申告時に関税や付加価値税の算出根拠として使用されます。記載内容に不備があると税関での手続きが行えず、通関できません。
これは深刻な問題です。
通関業務担当者は、営業担当が作成した発注書の情報を元に、正確なインボイスやパッキングリストを準備する必要があります。発注書の段階で情報が不足していると、後の工程で修正作業が発生し、業務効率が低下します。
無料テンプレートを使用する際、通関業務に必要な項目が不足しているケースがあります。特に貿易条件(インコタームズ)、支払条件(決済方法)、船積港や仕向港といった情報は、一般的な国内取引用テンプレートには含まれていません。
下請法の対象となる取引では、必須記載事項が12項目に増えます。委託日、給付内容、支払期日などの詳細な記載が求められるため、汎用テンプレートでは対応できない場合があります。
参考)発注書の書き方・作り方を解説!必須記載項目と作成時の注意点を…
数量の単位表記も見落としがちな点です。「10」だけでなく「10個」「10箱」と単位まで明記されているか確認する必要があります。単位が曖昧だと、後から「個数の認識違い」というトラブルに発展しかねません。
テンプレートを選ぶ際は、必須記載項目がすべて含まれているか、自社の取引内容に合わせてカスタマイズしやすいかを確認しましょう。
項目不足は業務の手戻りを生みます。
ExcelとWordのテンプレートは、それぞれ異なる強みを持っています。Excelは自動計算機能が強みで、品目が多く、数量と単価から自動で合計金額を算出したい場合に適しています。
参考)発注書をワード(Word)で作成するには?テンプレートと作成…
一方、Wordはレイアウトの自由度が高く、印刷やPDF化が簡単という特徴があります。見た目を重視したい場合や、自動計算機能が不要な場合に適していますね。
| 比較点 | Excel | Word |
|---|---|---|
| 得意なこと | 自動計算(SUM関数など) | レイアウト調整、文章作成 |
| 操作感 | セル単位、表計算感覚 | 直感的、ワープロ感覚 |
| 適した場面 | 品目が多い、金額計算必須 | 品目が少ない、デザイン重視 |
通関業務では、複数の商品を扱うことが多く、計算ミスを防ぐためにもExcel形式のテンプレートが推奨されます。数量や単価の変更があった際も、自動計算により即座に合計金額が更新されるため、手作業による計算ミスや端数処理の間違いを抑制できます。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/template/purchase-order/template-1/
Googleスプレッドシートも選択肢の一つです。クラウド上で作成・保存されるため、PCが壊れてもデータが消えず、複数の担当者で共有・同時編集が可能です。
口頭発注は法律上有効ですが、書面がないと契約内容を証明できずリスクが高まります。「数量は100個と伝えた」「いや50個だった」といった認識の食い違いが発生した場合、文書がなければどちらの主張が正しいか判断できません。
参考)口頭発注は契約として有効?リスクやとるべき対応を解説
発注書と見積書の番号は連動させることが重要です。管理番号を統一することで、どの見積もりに対する発注なのかが明確になり、後から追跡しやすくなります。
これが原則です。
参考)発注書の書き方・テンプレート|法的効力からリスク回避の注意点…
基本契約と発注書(個別契約)をセットで管理することも必要です。基本契約で手続きのルールを定め、発注書でその内容に則って個別の業務を定義する連携ができて初めて、発注書は法的なリスクヘッジのツールとして機能します。
参考)【フリーランス新法対応】「基本契約があるから大丈夫」は危険!…
金額や支払日といった金銭面の条件は、必ず文書で明確にしましょう。書面がなければ「そんな話はしていない」と後から否定される可能性があります。納品日についての認識違いも、「納期遅れ」の責任を巡る紛争に発展しやすいので注意が必要です。
発注書の書き方とテンプレートの詳細な解説(法的効力からリスク回避まで網羅的に説明されています)
発注書(Purchase Order)とインボイス(Invoice)は、貿易取引において異なる役割を果たす書類です。発注書は買い手が売り手に対して商品やサービスの購入を依頼する際に発行する書類で、発注の意思を示します。
一方、インボイスは売り手が買い手に対して発行する請求書であり、商品の明細や価格を記載します。インボイスは通関時に関税や付加価値税の算出根拠として使用される重要書類です。
つまり税関対応の要です。
発注書には発注日と注文番号、商品の詳細、希望納期、納品先住所等が記載されています。これに対し、インボイスにはインボイスナンバー、作成日、荷送人と荷受人の情報、船積港と仕向港、貿易条件、支払条件、商品明細などが含まれます。
通関業務では、発注書の情報を基にインボイスを作成するため、発注書の段階で正確な情報を記載することが不可欠です。発注書に不備があると、インボイス作成時に修正作業が発生し、通関手続きが遅延する恐れがあります。
輸出入業務における必要書類の解説(発注書とインボイスの関係性について詳しく説明されています)
通関業務の効率化には、自社の取引内容に合わせたカスタマイズが重要です。標準的なテンプレートに、貿易条件(インコタームズ)、船積港、仕向港などの項目を追加しましょう。
一度作成したテンプレートは、発注内容や会社名を差し替えるだけで繰り返し利用できます。これにより、毎回ゼロから作成する手間が省け、記載漏れも防げます。
効率的ですね。
複数の担当者が関わる場合、クラウド型のツールを活用することで、リアルタイムでの情報共有が可能になります。営業担当が作成した発注書を、通関業務担当がすぐに確認できる体制を整えることで、手続きのスピードが向上します。
定期的にテンプレートの内容を見直すことも大切です。法改正や取引条件の変更に合わせて、必要項目を更新しましょう。特に下請法やフリーランス新法への対応が必要な場合は、専門家に診断してもらうことを強くお勧めします。
発注書作成後は、数量の単位、単価×数量=金額の計算が正しいかを必ずチェックしてください。電卓やExcelで再計算して確認することで、計算ミスを防げます。
これだけで大きなトラブルを回避できますね。
発注書の無料テンプレート集(用途別に複数のテンプレートが紹介されています)