NACCS業務コードPKI船卸確認登録の手順と注意点

NACCS業務コードPKIを活用した船卸確認登録について、CYや船舶代理店が押さえるべき実務手順と電子証明書の仕組み、トラブル回避の方法を徹底解説します。正しい理解で通関業務の効率化を実現できるでしょうか?

NACCS業務コードPKI船卸確認登録

PKI登録のタイミングを間違えると、全貨物の通関処理が数時間止まります。


参考)https://bbs.naccscenter.com/naccs/dfw/web/_files/00141581/6s_cy.pdf


この記事の3ポイント要約
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PKI業務の基本機能

船卸確認と卸コンテナリスト提出を一括処理し、輸入申告を可能にする業務コード

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電子証明書の必要性

安全な通信とデータ改ざん防止のため、NACCS利用にはデジタル証明書が必須

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登録時の注意点

入港日訂正やPID業務のタイミングミスは大規模な訂正作業につながる

NACCS業務コードPKIの基本機能と役割

NACCS業務コードPKI(船卸確認登録一括)は、コンテナヤード(CY)が本船から荷卸しされた貨物すべての船卸確認と搬入確認を一括で登録する業務です。この業務を実施すると、卸コンテナリストが税関へ提出され、通関業者輸入申告を開始できる状態になります。


参考)https://www.kanzei.or.jp/kobe/kobe_files/pdfs/220126_hozeisiryonaccs.pdf


PKI業務の対象者はCYと船舶代理店です。コンテナ貨物だけでなく在来貨物にも対応しており、すべてのコンテナと貨物の船卸しが完了した時点で登録を行います。すでに「船卸確認登録(個別)(PKK)」業務で一部のコンテナを先行登録している場合でも、最終的にPKI業務による本船単位の一括登録が必須です。


つまり個別登録と一括登録の併用が認められています。


PKI業務を実行すると複数の情報が自動で出力されます。具体的には処理結果通知(*SPKI)、船卸確認終了情報(SAS0200)、卸コンテナリスト提出情報(SAS0221)、卸コンテナ輸入許可通知情報(SAS0211)などです。これらの情報により、CY側と通関業者側の双方が処理状況を即座に把握できる仕組みになっています。


参考)https://bbs.naccscenter.com/naccs/dfw/web/system/ref_6nac/docs/2016022200128/

卸コンテナリストを併せて提出するには、PKI登録者であるCYが事前に「通関免許有」の旨をNACCSセンターへ利用申込する必要があります。

この申込を忘れると卸コンテナリストの提出ができません。


PKIにおける電子証明書の仕組み

NACCSにおけるPKI(Public Key Infrastructure)とは、公開鍵基盤を指します。これは電子証明書を使ってユーザーの身元を保証し、通信の安全性とデータの改ざん防止を実現する仕組みです。


参考)https://www.mdpi.com/1099-4300/23/2/226/pdf?version=1613984528


NACCS業務では、利用者がシステムにアクセスする際に電子証明書(デジタル証明書)の提示が求められます。この証明書には公開鍵と秘密鍵のペアが紐づいており、認証局(CA)が証明書の正当性を保証します。政府認証基盤(GPKI)は、行政機関側が申請者の真正性や文書の改ざんの有無を確認するために整備された基盤です。


参考)http://downloads.hindawi.com/journals/scn/2018/8527010.pdf


証明書には有効期限があり、失効リスト(CRL)が24時間ごとと失効申請時に随時更新されます。失効申請から失効リストへの反映には最大30分を要するため、緊急時には注意が必要です。


参考)https://www.nrapki.jp/client-certificate/faq/

証明書の管理が基本です。


NACCS業務コードPKI登録の実務手順

PKI業務の入力手順は、NACCSパッケージソフトの業務コード入力欄に「PKI」と入力してOKボタンをクリックすることから始まります。すると船卸確認登録(一括)業務の入力画面が表示されます。


参考)https://www.kanzei.or.jp/wp-content/uploads/2025/06/2025030507_naccsgyomu.pdf

入力が必要な主要項目は、船会社コード(NACCS用船会社コード4桁)、船舶コード、船卸港コード、船卸港枝番などです。船会社コードは船卸しする貨物の船会社コードを必須入力します。MFR業務で船卸港に枝番を付けた場合は、PKI業務でも同じ枝番を入力する必要があります。


参考)https://bbs.naccscenter.com/naccs/dfw/web/data/ref_6nac/naccs/pki-01.pdf


登録を実行すると、NACCSシステムが積荷目録管理データベースをチェックします。具体的には、入力された船舶情報に対して積荷目録提出(DMF)業務が行われているか、当該船会社分で船卸確認終了情報が既に出力されていないかなどを確認します。

チェックをクリアすると正常終了です。


処理結果通知は必ず確認してください。エラーがある場合は「エラー通知情報(船卸情報)」(SAS0190)や「エラー通知情報(卸コンテナ情報)」(SAS0230)が出力されます。これらを開いてエラー内容を確認し、適切に訂正します。


参考)https://bbs.naccscenter.com/data/ref_7nac/naccs/pki-02.pdf


PKI業務で発生しやすいトラブルと対処法

PKI業務で最も発生しやすいトラブルは、入港日の訂正ミスです。PID(到着確認登録)業務で入港日を訂正し忘れたまま、誤った入港日でPKI業務を実行してしまうケースが報告されています。この場合、実入りコンテナはCYがSAI11→SAI(輸入貨物情報訂正)でB/L番号ごとに訂正する必要があります。


参考)https://bbs.naccscenter.com/_files/00141956/pcr2021all.pdf


現状では、PKI実行後の入港日訂正は業務コード(SAI11)で1B/L(貨物情報)ずつ呼び出して行うしかありません。本船単位で数十件、数百件のコンテナがある場合、この訂正作業には数時間から半日程度を要することがあります。

訂正が完了するまで通関処理が進みません。


BL情報は登録されずに実入りコンテナ情報のみNACCSに登録されてしまう不突合も発生します。代表品目番号に不備がありエラーが出たときや、特定のエラーコード(E0008-HNO-0000)が出たときに、この事象が起こります。不突合が発生するとCMF01/02で削除する手間が生じるため、登録前に必ず入力内容を確認してください。

卸コンテナリストの提出漏れも注意が必要です。PKI登録後に出力される情報で、提出漏れがないかを確認します。条約識別「3」(コンテナ条約適用外)や対象外識別「A」(PKIでコンテナリスト提出しない)が設定されていると、卸コンテナリスト提出対象外になります。

提出漏れがあると別途DCL01、02(卸コンテナ情報登録)業務で卸コンテナリストを提出する必要があります。

NACCS業務コード全体における位置づけ

NACCS業務コードは、輸出入や港湾関連の手続きを効率化するために設計された体系的なコード体系です。PKI業務はこの中で海上輸入貨物の「船卸・搬入」プロセスに位置づけられます。


参考)https://www.kanzei.or.jp/kobe/kobe_files/pdfs/220308_hozeisiryoNaccs.pdf


PKI業務の前後には複数の関連業務があります。具体的には、到着前にDMF(積荷目録提出)業務が実施され、船舶や貨物の情報がNACCSに登録されます。船舶が入港するとPID(到着確認登録)業務で入港日が登録され、その後PKI業務で船卸確認と搬入確認が行われます。


参考)https://www.kanzei.or.jp/kobe/kobe_files/pdfs/20231178_hozeisinninsya_naccs.pdf


PKI業務後は、通関業者が輸入申告(IDA)業務を実施できるようになります。輸入申告が許可されると、搬出確認登録(BOA)や保税運送申告(OLC)などの後続業務が可能になります。


この一連の流れが基本です。


CY業務としては、PKI以外にもPKK(船卸確認登録個別)、CLR(船積情報登録)、CYD(システム外CY搬入確認)、CYC(CY情報訂正)などがあります。混載仕分を行う場合は、NVC01・NVC02(ハウスB/L貨物情報登録)、CTS(ハウスB/L貨物確認登録)なども使用します。

業務コード集は、NACCS掲示板の業務コード集ページで確認できます。


参考)業務コード集

NACCS掲示板 業務コード集
業務関連コード、保税地域コード、港湾関係業務関連コードなど、各種コードが網羅的にまとめられています。

PKI業務の効率化とチェックポイント

PKI業務を効率的に実施するには、事前準備が重要です。MFR(積荷目録情報登録)業務で入力したCY情報、船卸港の枝番、入港日などを正確に把握しておくことで、PKI業務時の入力ミスを防げます。


PID業務の登録は、PKI業務またはPKK業務を行う前のみ可能です。この順序を守らないと、後から大規模な訂正作業が必要になります。時間外執務要請識別を入力する場合は、事前に時間外執務要請届データベースが存在することを確認してください。


参考)https://bbs.naccscenter.com/naccs/dfw/web/_files/00103527/s_cy_senpakudariten_201608.pdf


PKI業務実行後は、処理結果コードが「00000-0000-0000」であることを確認します。このコードが表示されれば処理は正常終了です。それ以外のコードが設定された場合は、処理結果コード一覧を参照してエラー内容を確認し、速やかに対処してください。

注意喚起(W1000)が出力されることもあります。

この注意喚起は必ずチェックすべきですね。


急ぎの貨物で一部のコンテナを先に船卸した場合は、PKK業務で個別登録を行い、残りをPKI業務で一括登録する方法が主流です。ただし、PKK業務後も必ずPKI業務を実施する必要があります。コンテナに事故があった場合は、PKK業務で事故通知「Z」を入力することで、申告等の後続業務を停止できます。

開始日時には船卸場所への搬入日を入力します。

船卸確認登録(一括)業務仕様書
PKI業務の詳細な入力項目、処理フロー、エラーコード一覧などが記載されています。


参考)https://bbs.naccscenter.com/data/ref_7nac/naccs/pki-01.pdf


データの保存期間内に削除が必要な場合、緊急性が高いことが多いため注意が必要です。削除処理後、実際にデータが削除されるまで数時間を要することがあります。

削除リクエストは早めに出してください。


PKI業務は複数のコンテナに対して一括処理を行うため、訂正が発生すると複数のコンテナや貨物に対して訂正作業が必要になります。訂正が起こらないように、船卸確認登録を行う時点で入力内容を十分に確認することが最も重要な対策です。