原産地規則の誤りで5年分まとめて追徴されます
原産地規則とは、貨物の原産地(物品の「国籍」)を決定するためのルールのことです。関税政策には、その適用・不適用が物品の原産地に依存する場合があるため、原産地規則を用いて原産地を決定する必要があります。原産地規則は「原産地基準」と「原産地手続」の2つの要素で構成されています。原産地基準は、どのような貨物が原産品と認められるのかの基準を規定し、原産地手続は、輸入申告時に貨物が原産品であることを証明または申告する手続、輸入国の税関が輸入者や輸出国政府等に対して質問・検査を行う事後確認手続等を規定したものです。
EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)では、協定相手国からの輸入品に対して特恵税率という低い関税率が適用されます。しかし、この特恵税率を適用するためには、その産品が協定で定められた原産地規則を満たしている必要があります。
つまり原産品ですね。
つまり、譲許税率を適用する場合、それぞれの協定において輸入される物品が譲許税率の対象になるものかを確かめ、次に原産性を確認し、原産地手続を正確に行う必要があるということです。
原産地規則を誤って申告した場合、たとえ意図的でなくても重大な法的リスクを招く可能性があります。関税法では、輸入申告に際して虚偽の記載を行った場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されると定められています。また、税関の事後調査で特恵適用が遡及的に否認され、過去数年分の関税差額が一括で追徴されるという重大なリスクもあります。税関が不足関税を徴収できる期間は原則10年で、関税計算の誤りが原因の場合は2年とされていますが、EPAの原産地規則の誤りは長期間のリスクにつながります。
原産地規則は「原産地基準」と「原産地手続」という2つの柱から成り立っています。原産地基準は、どのような貨物が原産品と認められるのかの基準を規定し、原産地手続は、EPA税率を適用するための手続きを規定する手続的規定です。
どちらも必須です。
参考)https://www.kanzei.or.jp/sites/default/files/pdfs/aeo/240627_siryou_gensanti_basic.pdf
EPA原産地基準は相手国との交渉によって決定されるため、協定によって異なる部分がありますが、基本的には「完全生産品」「原産材料のみから生産される産品」「実質的変更基準を満たす産品」が原産品とされます。完全生産品とは、その国で生まれ育ったもの、例えば「生きている動物であって締約国内で生まれかつ成育されたもの」「締約国内で養殖によって得られた産物」などが該当します。
これは基本ですね。
実質的変更基準は、非原産品の原材料を使って生産された場合で、これらの原材料と産品を比べて「大きな変化」を起こしている場合には、「大きな変化」を与えた国を原産地にするという考え方です。例えばTPP11の場合、域外の原材料であるプロピレンをTPP11締約国である日本(域内)で化学反応を起こさせることによりグリセリンが生成された場合、原産性を認めるというものです。
原産地手続に関しては、協定によって証明制度が異なります。輸出者や生産者が輸出国発給当局(あるいはその指定機関)に申請し原産地証明書を取得し、それを輸入者に送付、輸入者が輸入国税関にその原産地証明書を提出することで原産品であることを証明する第三者証明制度が一般的です。日オーストラリア協定では「原産地証明文書」、TPP11(CPTPP)では「原産地証明書」、日EU・EPAにおいては輸出者・生産者が作成する場合「原産地に関する申告」、輸入者が作成する場合「輸入者の知識」という名称で規定されています。
参考)https://www.customs.go.jp/roo/origin/pdf/1.7shiryoujitsumu.pdf
原産地基準は、主に3つの判定方法によって産品が原産品かどうかを決定します。
1つ目は「完全生産品」です。
これは日本(または協定相手国)で完全に生産された産品であることを指します。農産物や水産物、鉱物資源など、天然産品や未加工品がこれに該当します。具体例としては締約国内で栽培された農作物、締約国の漁船が公海で捕獲した水産物などが該当します。
2つ目は「原産材料のみから生産される産品」です。日本(または協定相手国)の原産材料のみを使用して日本(または協定相手国)で生産された産品であることを指します。
すべての材料が原産品であることが条件です。
3つ目は「実質的変更基準を満たす産品」です。外国の原材料を実質的な変更をして日本(または協定相手国)で生産された産品であることを指します。産品の生産が一か国で完結せず、二か国以上が生産に関与する場合に原産資格の有無を決定するルールが実質的変更基準です。グローバル化した世界で部品・部材の供給が国境を越えて行われている状況下で、最も使用頻度が高い基準となっています。
実質的変更基準には複数の判定方法があります。代表的なものは「関税分類変更基準(CTC)」「付加価値基準(VA)」「加工工程基準(SP)」の3つです。関税分類変更基準は、非原産材料のHSコード(関税分類番号)と最終産品のHSコードが異なる場合に原産品と認める基準です。付加価値基準は、最終産品の価格に占める締約国内で付加された価値の割合が一定以上である場合に原産品と認める基準です。加工工程基準は、特定の加工や製造工程を経た場合に原産品と認める基準です。
参考)原産地証明の誤りが引き起こす特恵関税適用不可トラブルの防止策…
HSコードの誤りは、原産地検証で最も高くつくミスの一つです。多くの協定の原産地規則はHSコードを前提に設計されており、分類がずれるだけで「原産品か否か」が入れ替わることがあるからです。結果として特恵関税が否認され、過去の輸入分まで遡って追徴されることもあります。
痛いですね。
参考)アジア各国の原産地検証(検認) 期限と救済手続を時間切れにし…
原産地証明書を取得するためには、まず産品が各EPAで規定されている原産地規則を満たしているかを確認する必要があります。輸出する品物が協定に定める原産品であることを証明する方法について、日本がこれまでに締結したEPAでは、指定発給機関が特定原産地証明書(第一種特定原産地証明書)を発給する方式が採用されています。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/process/e-step5.html
原産品判定を行うためには、産品の輸出者が生産者に依頼し、原産品判定依頼を行います。産品の輸出者からの依頼等により当該産品の生産者が原産品判定依頼を行った場合は、「特定原産地証明書発給システム」にて生産者から「原産品同意通知書」を入力する必要があります。
原則として、輸入者または代理人である通関業者が原産品申告書を作成します。税関に原産品申告書を提出することで原産品であることを証明する制度となっています。輸出者と生産者が異なる場合などは、輸出者が生産者から原産地基準を満たすかの情報を得るなどして発給申請することになります。
原産品申告書には、契約書、仕入書(インボイス)、価格表、総部品表、製造工程表など、輸入された貨物が締約国の原産品であることを明らかにする書類も一緒に提出し、原産性を証明します。ただし税関長がその提出の必要がないと認める場合を除きます。
それが条件です。
締約国から日本に直接運送されているならば問題ないのですが、非原産国である第三国を経由した場合、そこで加工等が行われていた場合、締約国の原産性は失ってしまいます。ですから単に積替えや一時蔵置以外の取扱いはされていないという事実を経由地の税関が証明したものが必要なのです。
累積ルールとは、EPA締約国間で取引される材料や部品を、最終製品の原産地判定において「原産材料」として扱うことができる制度です。例えばA国で生産されたブレーキが所定の要件を満たさないためにA国の原産品とは認められない場合でも、累積ルールを活用することで最終製品の原産性を確保できる可能性があります。
つまり累積ですね。
参考)https://www.customs.go.jp/roo/origin/epa_roo.pdf
累積ルールには「二国間累積」と「完全累積」の2種類があります。二国間累積は、EPA締約国2か国間で取引される原産材料のみを累積できる制度です。完全累積は、EPA締約国すべての国で取引される材料を累積できるより広範な制度で、サプライチェーンの構築の鍵となるルールです。
僅少の非原産材料に関する規定も重要です。非原産材料を使用していても、その非原産材料の価額が産品の価額の一定割合を超えない場合には、当該非原産材料が当該産品について適用される規則を満たしているか否かは考慮しないという制度です。例えば、トマトケチャップを生産する際に非原産のたまねぎを使用したとしても、たまねぎの価額がトマトケチャップの価額の7%を超えなければ原産品と認められます。
累積ルールと僅少の非原産材料規定は、実質的変更基準の例外として機能します。これらの規定を正しく理解し活用することで、より柔軟に原産地規則を満たすことが可能になり、EPA特恵税率の適用機会が広がります。現場でのサプライチェーン構築において、どの国から材料を調達するか、どの程度の価額であれば僅少の非原産材料として扱えるかを事前に検討することが、コスト削減と通関の円滑化につながります。
原産地証明書の不備や誤りにより特恵関税が適用されない場合、通常の関税率が適用され、追加の関税を支払う必要があります。さらに深刻なのは、税関の事後調査で原産地適用の誤りを指摘された場合です。過去数年分の関税差額が一括で追徴されるという重大なリスクを負います。
原産地に関する虚偽申告は、知らずに行っていたとしても重い責任が問われる可能性があります。関税法では、輸入申告に際して虚偽の記載を行った場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されると定められています。FTAやEPAを利用する際に原産地証明書を偽造・誤記して関税免除を受けると、それ自体が関税法違反となります。
厳しいところですね。
EPAやGSPに基づく特恵税率を適用して輸入申告されたものについて、税関が行った事後確認等により、特恵税率の適用対象となる原産品ではないことが明らかになった非違事例が実際に存在します。税関ではこうした事例を公開し、同様のミスを防ぐよう促しています。
参考)https://www.customs.go.jp/roo/gensan_hiijirei/index.htm
原産地規則にまつわる典型的なミスとして、単純な記載ミス・転記ミス、ルール誤解による不適切申告(付加価値基準/変更分類基準/加工基準の勘違い)、サプライヤー依存による情報不足(下請任せ、確認不足)が挙げられます。具体的には、中国から部材を購入→日本で組立→ASEANへ完成品として輸出したが、原産地証明書には日本原産と記載して特恵関税申請をしたところ、税関で「日本原産と認める加工工程ではない」と却下されるケースがあります。
誤った原産地証明が招くリスクは即座に発生します。特恵関税不適用(関税免除不可)、最悪の場合は過少申告加算税・追徴課税・ペナルティ、さらには信用失墜、ビジネス取引停止・入札除外(バイヤー信用損失)につながります。
リスク回避のための対策として、以下の点を実施することが重要です。①原産地に関する社内マニュアルの作成と定期的な更新、②製造工程・材料構成の詳細記録と保管、③社内での品目別原産地管理台帳の作成、④不明点があれば税関の「事前教示制度」を利用して原産地を確認する、などです。
これらは必須です。
先進企業の事例として、大手自動車部品メーカーでは原産地証明書の発行をサプライヤー任せにせず、自社で原料から完成品まで情報を紐付けてデータベース管理する改善を進めています。これにより、原産地証明の誤りをゼロに近づける取り組みが実現しています。現場の実情として、日々の生産や調達に追われ「原産地証明は単なる添付書類」という意識になってしまうこと、人材不足・育成不足で「誰でもできる作業」と軽視しがち、担当者が退職・異動すると一気にブラックボックス化するといったリスクがあります。こうしたリスクに備えて、体制整備と情報の可視化を進めることが、通関業務におけるコンプライアンス確保と追徴リスクの回避につながります。
税関公式の原産地規則詳細資料(PDF)- 実質的変更基準の具体例や累積ルール、僅少の非原産材料に関する詳細な解説が掲載されています
税関公開のEPA/GSPでの原産性に係る非違事例 - 実際に発生した原産地規則の誤り事例を確認でき、同様のミスを防ぐ参考になります

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