輸出時に申告しないと修理品でも消費税を二重払いします
再輸入免税とは、日本から輸出した貨物を修理などのために海外に送り、その後再び日本に輸入する際に関税や消費税の免除を受けられる制度です。関税定率法第14条第10号に基づき、輸出時の性質・形状が変わっていない貨物を再輸入する場合に適用されます。
参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/extsukan/5005_jr.htm
この制度を利用するには3つの重要な条件があります。
参考)修理の為の通関作業
つまり基本は元の状態です。
ただし修理により性質や形状が変わった場合でも、別の減免税制度を利用できる可能性があります。修理代金部分のみに課税される「部分課税」という仕組みが適用されるケースもあり、完全免税とはなりませんが負担を軽減できます。
参考)再輸入で免税になる?知っておきたい仕組みと活用法 &#821…
修理品として再輸入する際に免税を受けるには、輸出時の申告が絶対に必要です。通常の輸出手続きに加えて以下の書類を税関に提出しなければなりません。
参考)修理品を輸出して、再輸入時に消費税をもう1度支払わない方法|…
必要書類
税関が確認後、1通は申請者に交付されます。
この手続きを忘れると何が起きるでしょうか?
実際に個人輸入した機材を初期不良で修理に出した際、輸出時に修理品として処理されていなかったため、再輸入時にも消費税を請求されたケースがあります。最初の輸入時に消費税を支払っているにもかかわらず、再輸入時にも同額の消費税を求められ、実質的に二重払いになってしまったのです。
参考)個人輸入した機材を初期不良修理に出したら、消費税を二倍取られ…
輸出時の申告が基本です。
郵便物の価格が20万円以下の場合は、郵便局に差し出す前に税関外郵出張所または最寄りの税関で事前検査を受ける必要があります。20万円を超える場合は通常の輸出手続きと同様の申告が必要です。
同一性確認のために、税関から写真やカタログなどの資料提出を求められる場合もあります。これは輸出品と再輸入品が同じ物であることを客観的に証明するためです。
税関のカスタムスアンサー「5005 加工又は修繕のため貨物を輸出する際の税関手続」では、輸出時の具体的な手続き方法と必要書類の詳細が記載されています。
修理のために輸出した貨物は、輸出日から1年以内に再輸入しなければ減免税制度の適用を受けられません。この期間制限は関税定率法で明確に定められており、厳格に運用されています。
参考)【日本返送】再輸入免税の申請方法と注意点 - アラウンド・ザ…
1年という期間は意外に短いですね。
特に複雑な機械設備の修理や、海外メーカーへの往復輸送に時間がかかるケースでは、この期限内に再輸入できない可能性があります。部品の調達に時間がかかったり、修理工場のスケジュールによっては数ヶ月を要することも珍しくありません。
やむを得ない理由がある場合には期間延長が可能です。天災、事故、戦争などの不可抗力により期限内の再輸入が困難になった場合、税関が認めれば例外的に扱われることがあります。
参考)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/mondai/subject/199710706.html
延長が必要な場合の対応手順。
期限を過ぎてしまうと免税適用が受けられなくなり、通常の輸入と同様に関税や消費税を全額支払う必要が生じます。これは数十万円から数百万円規模の追加負担となる可能性があるため、期限管理は極めて重要です。
修理後の再輸入時には、課税価格の計算方法が特殊になります。無償修理と有償修理で扱いが異なるため、それぞれのケースを理解しておく必要があります。
参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hyokajirei/hyokajirei4400005.pdf
有償修理の場合
修理代金を支払う場合、その修理代金に加えて、使用度に応じて減額された元の機械の価格および運賃等を加算した金額が課税価格となります。つまり「修理代金+減価償却後の元の機械価格+運賃等」という計算式です。
参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hyokajirei/hyokajirei4400002.pdf
完全に無税ではありません。
無償修理の場合
メーカー保証による無償修理の場合でも、修理により価値が増加していれば課税対象となります。実際の修理代金の請求がなくても、故障した通信装置の価格のみで課税価格を計算することはできず、修理による付加価値分を評価する必要があります。
部品交換があった場合
修理時に部品を交換した場合、その交換部品の価値に相当する部分には関税や消費税が課されることがあります。
これを「部分課税」と呼びます。
消耗品を交換していたり、部品が取り替えられていたりする場合は、内容によって免税扱いされない可能性が高まります。
部分課税が基本です。
形状や性質が変わらない修理であっても、修繕作業により最初に輸入した際の商品状態に付加価値が与えられれば、無条件免税は適用されません。例えば、単なる塗装の補修であっても、その塗装により商品価値が向上したと判断されれば課税対象となる可能性があります。
参考)http://www.rubiconem.com/blog/cat12/000285.html
再輸入時の免税適用を受けるには、輸出時に取得した書類一式を税関に提出する必要があります。書類に不備があると免税適用が却下され、全額課税されるリスクがあるため、事前準備が重要です。
再輸入時の提出書類
書類の正確性が条件です。
輸入申告書には再輸入免税の適用を受けようとする旨を記載します。さらに、輸出時の貨物と輸入時の貨物が客観的に同一であることを証明できる資料が必要です。識別記号、仕入書、パッキングリストなどの記載内容により同一性を確認しますが、場合によっては写真やカタログの提出も求められます。
申告時の注意点
不良品を修理のため返送し1年以内に再輸入する際、確かに修理品としての再輸入であることを証明するために多様な書類提出が必要となります。この手続きの煩雑さに耐えられず、再度消費税を支払う輸入業者も多いのが実態です。
手続きの煩雑さがネックです。
身の回り品(アクセサリー等)を修理のため返送する際には、1つずつに取り外しできないタグをつけたり、1枚ずつ写真撮影するといった複雑な手続きが必要になることもあります。これは修理前後の同一性を厳密に確認するためです。
申請内容に誤りがあると審査が遅れたり却下される原因となります。特にインボイスや輸出証明書の内容が一致していないと、申請処理に時間がかかる可能性があります。事前にチェックリストを作成し、記入内容の正確性を確認することをおすすめします。
税関のカスタムスアンサー「1609 再輸入免税貨物の手続」では、再輸入時の具体的な免税手続きと適用除外となるケースが詳しく解説されています。
「再輸入だから免税になる」と思い込んでいると、予想外の課税を受けることがあります。免税が認められないケースを事前に把握しておくことで、無駄な税負担を避けることができます。
性質・形状が変化したケース
海外で加工やカスタマイズを受けた物品は、その変更された部分に相当する価値に対して関税や消費税が課されます。単なる修理の範囲を超えて、機能追加や改良が行われた場合は免税対象から外れるということですね。
形状変化は対象外です。
例えば、機械設備を修理に出した際に、ついでにバージョンアップや機能追加を行った場合、その付加価値分には課税されます。修理か改造かの境界線は曖昧なため、税関の判断により免税適用の可否が決まります。
輸出時の申告漏れ
最も多いトラブルが、輸出時に「修理のため輸出する」という申告を行わなかったケースです。この場合、再輸入時に修理品としての扱いを受けられず、通常の輸入として全額課税されます。
申告漏れが最大の落とし穴です。
国際宅配便を利用した個人の修理品送付では、輸出時の税関手続きを省略してしまうことが多く、結果として再輸入時に二重の消費税負担が生じています。FedExやDHLなどの国際宅配業者を利用する場合でも、修理品として輸出する旨の申告が必要です。
適用除外となる貨物
他の減免戻し税の適用を受けた貨物については、再輸入免税の適用除外となる場合があります。具体的には、関税定率法第17条第1項の再輸出免税、消費税法第7条第1項の輸出免税、同法第8条第1項の輸出物品販売場における免税などの適用を受けた貨物です。
二重の減免は認められません。
また、消費税以外の内国消費税(酒税、たばこ税等)が課せられる貨物については、それらの税は免除されないという制限もあります。関税と消費税は免除されても、特定の品目に課される個別の税は対象外となるわけです。

日本法令 最終的に輸出となる物品の消費税免税購入についての購入者誓約書(輸出免税物品購入記録票) (一般物品・消耗品混在用)