関税定率法別表hsコード分類方法から実務活用まで

通関業務に不可欠な関税定率法別表とHSコードの仕組み、正しい分類方法、実務での注意点まで解説します。分類ミスが招く追徴課税リスクを回避するには?

関税定率法別表hsコード分類方法から実務活用

適切なHSコードを申告していても、過去5年分遡って追徴される場合があります。

この記事の3つのポイント
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関税定率法別表とHSコードの基礎

HS条約に基づく国際分類体系と日本独自の9桁コード構造を理解し、正確な分類の基盤を作ります

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分類ミスによる追徴リスク

意図的でない誤申告でも過少申告加算税や重加算税の対象となり、最大過去5年分の追徴課税が発生します

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実務での正確な分類方法

関税率表解説や事前教示制度を活用し、製品仕様書との照合で分類ミスを防ぐ実践的手法を習得します

関税定率法別表hsコードの基本構造と法的根拠

関税定率法別表とは、日本の関税率を定めた法的な表であり、その分類体系はHS条約(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約)に基づいています。1988年1月から発効したこの条約には、2025年4月現在で日本を含む161カ国・地域が加盟しており、国際貿易における統一的な分類基準を提供しています。​
HSコードは階層構造になっています。
最初の4桁と6桁はHS品目表で国際的に定められた番号です。日本の輸入申告では、この6桁の番号に3桁を加えた合計9桁の統計品目番号を使用します。たとえば米(10.06項)の場合、最初の4桁「1006」が項、6桁目までが号、7桁目以降が日本独自の細分という構造です。
この分類によって関税率が決定されます。
従価税品では、HSコードごとに定められた関税率に基づいて関税額を計算するため、正しいコードを特定できなければ正確な関税額も算出できません。関税率表は誰が輸入しても「同じ物品は同じ税番」という原則に基づいており、分類の客観性が厳格に求められます。
参考)https://www.kanzei.or.jp/osaka/osaka_files/pdfs/bunrui_0.pdf


関税定率法別表での実務検索手順とツール活用

実行関税率表の検索は税関の公式サイトから行えます。​
輸入貨物のHSコードを調べる際は「実行関税率表」を使用し、輸出貨物では「輸出統計品目表」を参照します。検索対象には実行関税率表本体だけでなく、部注、類注・号注、関税率表解説・分類例規、輸入貨物の品目分類事例も含まれます。
参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/bunrui_hs_01.pdf


初めて輸入する品目の場合、正しいコードを把握していないことが原因で誤った分類を申告するケースが多発しています。​
たとえば電子機器では、部品として扱われるか完成品として扱われるかで適用税率が大きく異なります。衣類の場合も素材や用途によってHSコードが非常に細かく分類されており、それに応じて税率も細分化されています。
実際に輸入する前には各地の税関に事前確認することが推奨されています。​
不明点がある場合、関税分類や関税率についての照会窓口が各税関に設置されており、専門的なアドバイスを受けられます。「HS CODER」のような無料検索ツールを活用すれば、6桁レベルから9桁レベルまでのHSコードと関税率を簡単に確認できます。
参考)http://hs-coder.com


hsコード分類ミスによる追徴課税と罰則リスク

HSコード分類ミスで最も多いトラブルは関税の追加徴収です。​
適切な税率を適用できず、追加の関税支払いや罰則が発生します。特に高い関税がかかる品目を低税率のコードで申告すると、追徴課税や罰則の対象となる可能性が高まります。過去には過去5年分さかのぼって請求された事例も報告されています。
意図的でなくとも、HSコードの誤申告は「脱税」や「違法行為」と見なされる場合があります。​
本来高い関税を支払うべき商品を低い区分で申告していた場合、後日税関から差額分の徴収や罰金が課せられます。輸入者が意図的に税率の低いコードを適用しようとしたと見なされると、過少申告加算税、重加算税等の懲罰的な税を課せられる可能性があります。
罰金に加えて刑事訴追につながるケースもあります。​
経営層のマネジメント責任だけでなく、現場担当者も事情聴取や処分を受けるリスクがあります。これらは経営上の想定外コストとなり、利益を大きく左右する重大な問題です。​

関税定率法別表の通則と分類判断基準

関税率表の解釈に関する通則は、物品の所属を決定する基本原則を定めています。
参考)https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/data/tuusoku.pdf

通則1では「部、類及び節の表題は、単に参照上の便宜のために設けたもの」と規定されており、表題だけで分類を判断してはいけません。実際の分類は部注や類注の規定に従い、これらに別段の定めがある場合を除いて通則の原則に従って決定します。
関税率表解説(Explanatory Notes)は分類基準の理解に不可欠です。​
WCOが発行するExplanatory Notesに対応する日本語版が「関税率表解説」であり、分類例規(Classification Opinions)に対応するのが「分類例規」です。これらの資料は税関のウェブサイトで公開されており、具体的な分類事例や化学構造式集も検索できます。
適用される税率は貨物の種類によって異なります。​
基本税率暫定税率、一般特恵税率、特別特恵税率(LDC特恵税率)、WTO協定税率(協定税率)、経済連携協定税率(EPA税率)に分かれており、それぞれ法律または協定で規定されています。暫定税率は定率法の基本税率では政策目的を達成できない場合に、暫定的かつ弾力的に適用される税率です。
参考)https://www.customs.go.jp/kaisei/kanzeiteirituhou.pdf


hsコード分類精度を高める事前教示制度活用法

事前教示制度とは、実際に輸入する前に税関に分類や関税率を照会できる制度です。​
新しい商品を輸入する際は、関税分類を正しく把握できるこの制度が最適解となります。事前教示を受けることで、税関の公式見解を事前に得られるため、通関時のトラブルを未然に防げます。特に初めて扱う品目や分類が複雑な製品では、この制度の活用が強く推奨されます。​
製品図面・仕様書とHSコード解釈の徹底照合が重要です。​
現場で徹底すべきは、抽象的な品名や社内呼称で流さず、実際の形状・用途・構造が該当するHSコードと照合することです。100%の成分表や製品の用途確認が必要不可欠で、特に化学品は主に27類から40類までに分類され、成分や用途により分類が細かく分かれます。
参考)https://mkc-net2.com/what-is-the-hs-code-used-for-customs-import-and-export-declaration/


海外取引先が提供するHSコードをそのまま使用してはいけません。​
HSコードは日本側(輸入国側)のコードが優先されます。仮にインボイス等に相手国側のHSコードが記載されていても、日本側のHSコードの適用には何の影響も与えない点に留意が必要です。通関業者を通じて税関の輸入統計品目表で確認するのが確実な方法です。​
実行関税率表(財務省関税局)
関税定率法別表の最新版を確認し、正確なHSコード分類の基礎資料として活用できます。
品目分類とHS(税関公式サイト)
HS条約の概要と日本の関税率表の関係、分類の基本的な考え方について詳しく解説されています。
HSコード(JETRO貿易投資相談)
HSコードの構造と実務での使い方、EPA適用時の注意点などが具体例とともに説明されています。