包括申告輸入の手続きと要件を解説

継続輸入で活用できる包括申告制度の条件や提出手続き、評価申告との違いについて詳しく知っていますか?通関業務従事者に役立つ情報をまとめました。

包括申告輸入の手続きと要件

包括申告の適用期間は2年なのに1年で更新してませんか?

この記事のポイント
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包括申告で納税申告を省略

同一内容の継続輸入取引では、包括申告書提出で個別の評価申告が不要になります

最長2年間の適用期間

包括申告書に記載した期間内は評価申告を省略でき、業務効率が大幅に向上します

⚠️
評価申告が必要なケース

仕入書価格と現実支払価格の不一致や加算要素がある場合は評価申告書の提出が必要です

包括申告輸入の基本的な仕組み


包括申告制度は、同一内容の輸入取引が継続して行われる場合に利用できる評価申告の特例です。納税申告に先立って課税価格の計算方法を記載した包括申告書を提出すれば、その適用期間内は個々の納税申告の際に評価申告書を提出する必要がなくなります。


これにより通関業務の効率化が図れます。



評価申告とは、仕入書や運賃明細書だけでは課税価格の計算の基礎が明らかでない場合に、課税価格の計算に必要な事項を申告する制度です。輸入取引に係る仕入書価格と現実支払価格が一致しない場合や、加算要素がある場合などに必要となります。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/010054a69da2e72960eca28b1a66569dfb545232


包括申告を活用すると、継続的な輸入取引において毎回評価申告書を作成する手間が省けます。


つまり業務負担が軽減されるということですね。


適用対象となるのは、鋳型や工具、同一部品、設備や機械、ライセンス料などを継続的に輸入するケースが多いでしょう。本契約の輸入が始まる前に税関へ包括申告書を提出しておくことで、スムーズな通関手続きが可能になります。


参考)輸入申告はインボイス価格ではなく評価申告で

包括申告輸入の提出手続きと必要書類

包括申告を行う場合は、必要事項を記載した評価申告書2通(原本および交付用)を、輸入貨物の主要な輸入予定地を管轄する税関に提出します。評価申告書の様式は、輸入貨物に係る課税価格の計算方法により異なります。


参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/seido_gaiyou.htm


関税定率法第4条第1項の規定により課税価格を計算する場合は、輸入貨物の評価(個別・包括)申告書I(C-5300号)を使用します。一方、関税定率法第4条の2以下の規定により課税価格を計算する場合は、輸入貨物の評価(個別・包括)申告書II(C-5310号)を使用する必要があります。


評価申告書の提出が必要となるケースは原則として以下の4つです。


  • 輸入取引に係る仕入書価格と現実支払価格とが一致しない場合
  • 輸入取引に関連して加算要素(仕入書、運賃明細書等によりその額が明らかなものを除く)がある場合
  • 特殊関係にある売手と買手との輸入取引であって、当該特殊関係が取引価格に影響を与えている場合
  • 輸入取引に関して特別な事情がある場合や輸入取引によらない貨物であるため、原則的な課税価格の決定方法以外の方法により課税価格を計算する場合

ただし、関税が無税(免税)または従量税である場合、仕入書ごとの課税価格の総額が100万円以下である場合(継続取引を除く)は、評価申告書の提出は不要です。


これらは例外として覚えておきましょう。



包括申告輸入の適用期間と有効期限

包括申告の適用期間は、包括申告書に記載された期間となり、最長2年間まで設定できます。この期間内であれば、個々の納税申告の際に評価申告書を提出する必要がなく、通関手続きの効率化につながります。


参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1408_jr.htm


適用期間の設定においては、取引内容が同一であることが前提条件です。同一内容の輸入取引が継続して行われる場合に限り、包括申告の利用が認められています。取引条件や価格計算方法に変更があった場合は、新たに包括申告書を提出する必要があります。


2年間が上限ということですね。


期間満了後も同様の取引を継続する場合は、再度包括申告書を提出することで、引き続き制度を利用できます。ただし、包括申告書の提出前に輸入予定地や取引条件を明確にしておくことが重要です。

なお、包括申告は納税申告の一環として行うもので、税関から交付された包括申告書は関税評価上の取扱いについて税関の見解を示すものではありません。貨物の輸入に先立って関税評価上の取扱いについて税関の見解を確認したい場合は、文書による事前教示制度を利用する必要があります。


税関公式サイトでは包括申告制度の詳細な概要と手続き方法が確認できます

包括申告輸入で注意すべきポイント

包括申告を利用する際は、申告内容の正確性が極めて重要です。通関手続きで必要書類の不備や記入ミスが発生すると、輸入遅延の原因になります。特に、品目の記載ミスやHSコードの誤り、価格の相違などは税関で厳しくチェックされるポイントです。

書類不備が指摘された場合は、まず税関の指示を確認し、速やかに修正書類を提出する必要があります。誤記が発生した原因を特定し、再発防止のための対策を講じることも重要です。チェックリストを活用することで、同じミスを繰り返すリスクを軽減できます。

適当な申告は禁物です。


輸入申告を正確に行わなかった結果、納税すべき関税等の税額が低くなってしまった場合には、加算税が課される可能性があります。さらに刑事罰を科される可能性もあるため、十分な注意が必要です。


参考)輸入のよくあるトラブルと対処方法

インボイスやパッキングリストに記載される品目名称や数量、単価が一致していないケースは、書類不備として指摘されやすい典型例です。出荷前に必要書類の内容を確認し、取引先と情報を共有することで、正しい記載がされているか確認することが重要です。

新しい品目を輸入する場合や初めての取引先から仕入れる場合は、事前に税関や通関業者に相談し、必要な書類を明確にしておくことも有効な対策となります。

包括申告輸入を効率的に活用する方法

包括申告制度を最大限に活用するためには、取引開始前の事前準備が鍵となります。本契約の輸入が始まる前に税関へ計算方法を記載した包括申告書を提出しておくことで、その後の通関手続きがスムーズになります。

継続的に同一商品を同条件で輸入する場合、包括評価申告を選択することで最長2年間の適用期間を確保できます。これにより、毎回の輸入申告時に評価申告書を作成する手間が省けるため、業務効率が大幅に向上するということですね。


参考)輸入申告における個別評価申告、包括評価申告の条件とメリット:…


特例輸入申告制度との併用も検討する価値があります。特例申告制度では、輸入申告時の申告項目が削減され、納税のための審査・検査が基本的に省略されるため、通関に要する時間を計算できるようになります。在庫管理が一層容易になる点も大きなメリットです。


参考)特例輸入申告制度のメリット:日本

通関業務の標準化も重要な要素です。過去のミスを記録し、チェックリストを作成することで、同じ書類不備を繰り返すことを防げます。サンプルフォーマットの活用や税関の公式情報を参考にし、正しい書類作成を心がけることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

評価申告書の提出が不要とされる場合でも、課税価格は関税定率法の規定に従い計算する必要がある点は忘れないようにしましょう。この基本ルールを守ることが、適正な通関手続きの土台となります。


税関カスタムスアンサーでは評価申告制度の詳細な説明と手続き方法が掲載されています




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