10万円以上のライセンス料を消耗品費で落とすと税務調査で否認されます。
通関業務で使用する貿易管理ソフトや通関システムのライセンス料が10万円以上の場合、原則として「ソフトウェア」という勘定科目を使って無形固定資産として計上します。これは法人税法上、ソフトウェアが減価償却資産に該当するためです。
参考)会計ソフトやライセンスを購入した場合の勘定科目と仕訳例
10万円未満なら消耗品費で一括経費処理できますが、10万円以上になると資産計上が必須です。
つまり購入時に全額を経費にできません。
参考)ライセンス料の勘定科目
この処理を誤ると、税務調査で指摘される可能性があります。特に通関業務では、NACCSや輸出入管理システムなど、高額なライセンス料が発生しやすいため注意が必要です。
参考)通関代行業者に委託した際の手数料はどれくらい?通関にかかる費…
無形固定資産として計上したソフトウェアは、原則として5年間で減価償却します。これは税務上の耐用年数が5年と定められているためです。
参考)ライセンス契約によるソフトウェア購入代金の税務上の取扱いとは…
減価償却の方法は定額法を用います。例えば15万円のライセンスを購入した場合、年間3万円ずつ5年間で経費計上していくことになります。
参考)ソフトウェアは固定資産として減価償却できる?計上基準や方法を…
残存価額は0円として計算するのが一般的です。これはソフトウェアの性質上、時間経過とともに価値がなくなるという考え方に基づいています。
取得価額が10万円以上20万円未満のライセンスには、「一括償却資産」という特例が使えます。これは3年間で均等償却できる制度で、企業規模を問わず利用可能です。
参考)ソフトウェアは少額減価償却資産に計上できる?メリットや仕訳方…
例えば18万円のライセンスなら、年間6万円ずつ3年間で償却できます。原則の5年償却より早く経費化できるため、短期的な節税効果があります。
一括償却資産として処理する場合、確定申告時に損金算入額を調整する必要があります。また、償却費計算に関する明細書の添付も求められます。
青色申告を行う中小企業者等は、30万円未満のライセンス料を取得年度に全額経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が利用できます。
これは最も節税効果の高い処理方法です。
ただし年間の取得価額合計が300万円までという上限があります。通関業務では複数のシステムライセンスを同時に購入するケースも多いため、この上限に注意が必要です。
この特例は一括償却資産より対象範囲が広く、20万円以上30万円未満のライセンスにも適用できます。つまり25万円のライセンスでも、要件を満たせば初年度に全額経費化できるということです。
参考)ソフトウェアの勘定科目は?減価償却や仕訳、経費精算の仕方まで…
クラウド型のサブスクリプションライセンスは、金額に関わらず固定資産として計上しません。これは継続的なサービス提供を受ける契約形態だからです。
参考)ライセンス料の勘定科目は何を使う?何年で計上するべきか?
サブスク型の勘定科目は「通信費」または「支払手数料」を使います。月額料金が発生するたびに、その都度経費処理するのが基本です。
一方、買い切り型のインストール型ライセンスは、10万円以上なら必ず資産計上が必要です。サブスク型と買い切り型では会計処理が全く異なるため、契約形態の確認が重要ですね。
通関業務では最近、NACCSの接続料金やクラウド型の輸出入管理システムが増えています。これらは基本的にサブスク型なので、毎月の利用料を通信費で処理すればOKです。
10万円以上のライセンス購入時の仕訳は以下のようになります。
購入時(15万円のケース)
決算時の減価償却(定額法・5年償却)
輸入消費税を含む場合の処理には特に注意が必要です。会計ソフトに仕訳入力する際、税込金額で消費税を自動計算させると税額に誤りが生じます。
参考)関税の勘定科目について
通関業務では、通関料や輸入取扱料といった手数料も発生します。これらは「支払手数料」勘定で処理し、ライセンス料とは明確に区別しましょう。
税務調査に備えて、ライセンス契約書や領収書は必ず保存してください。特に金額の根拠や使用開始日が確認できる書類は重要です。
参考情報:足立区の税理士なら川口会計事務所
ライセンス料の勘定科目
ライセンス料の勘定科目について、具体的な仕訳例とともに詳しく解説されています。金額別の処理方法や減価償却の計算方法を確認したい場合に参考になります。
参考情報:マネーフォワード会計基礎知識
会計ソフトやライセンスを購入した場合の勘定科目と仕訳例
会計ソフトやライセンスを購入した場合の勘定科目と仕訳例が、初心者にもわかりやすく図解付きで説明されています。一括償却資産の具体的な計算例も掲載されています。