あなたの調達物流を「仕入価格に含まれるから」と放置すると、3年で数百万円単位の見えない赤字案件になります。
調達物流はメーカーが原材料や部品をサプライヤーから受け入れるまでの物流で、生産の上流側の動脈にあたります。 一方で販売物流は工場や倉庫から卸・小売・最終消費者までの下流側で、越境ECなどを含めて通関実務と直結しやすい領域です。 ここでのポイントは、両者の「物流費」がサプライヤーとの価格や販路別の販売条件に埋め込まれ、通関業者が見える数字には表れにくいことです。 つまり、通関側から関与しないと、輸送頻度や通関回数だけが増え、手数料の見直しが後手になりやすい構造になっています。 つまり構造理解が出発点です。 global(https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/security-automation/robotics-logistics/knowledgebox-index/manufacture.html)
調達物流では、ミルクランやVMI(ベンダー在庫管理)などの方式が一部業界では確立しており、サプライチェーン全体を最適化する前提で輸出入条件が組まれます。 これに対し、販売物流は繁閑差が2倍以上になるケースも多く、同一エリアへ複数拠点から出荷する「口割れ」が顕著な案件も見られます。 このような案件では、繁忙期だけ通関申告件数が跳ね上がるため、人的リソースの平準化が難しくなります。 結論は「物流設計に口を出す通関業者ほど、長期的に利益を確保しやすい」です。 mlit.go(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001985304.pdf)
ここで通関業者が関与すべき範囲は、FOBかCIFかといったインコタームズ選定、通関地の一本化、保税蔵置場や物流センターの利用パターン、そして申告単位の設計です。 たとえば同じ年間輸入量でも、週1回のコンテナ輸入と、週5回の小口輸入では、申告件数が5倍に膨らみます。 手数料が件数比例ならまだしも、「月額パック」で請けていると、その差は丸ごと通関業者側の残業になりがちです。 これが調達物流と販売物流を知らないリスクということですね。 logiiiii.sc.funaisoken.co(https://logiiiii.sc.funaisoken.co.jp/series/logisticsopinion/tyoutatu/)
調達物流の典型的な誤解は「原価に物流費が含まれているから、物流側ではコスト削減の余地がない」というものです。 実際には、サプライヤー側で設定された輸送ルートや輸送頻度が非効率なことが多く、ミルクラン化やデポ集約によって輸送費を10〜20%削減できた事例も報告されています。 10%削減と言うと小さく見えますが、年間1億円分の調達に対して物流コスト比率が10%なら、1000万円のうち100万円が浮く計算です。これは中堅製造業なら、通関・物流担当部門1人分の人件費に近い金額です。結論は「調達物流も数字で管理しないと損」ということです。 neo-logi(https://neo-logi.com/blog/logistics-physicaldistribution-meaning)
また、調達物流では、インコタームズがサプライヤー主導で決まりがちで、CIFやCIPを漫然と採用するケースが少なくありません。 この場合、輸送・保険・通関手続きの手配を海外サプライヤー側のフォワーダーが握るため、通関業者に情報が降りてくるタイミングが遅れやすく、リードタイムのバッファがすべて「通関での待ち時間」に押し付けられる危険があります。 港での無料保管期間(フリータイム)が7日程度だとして、書類遅延で2日失うと、残り5日で通関・搬出・内陸輸送まで完了させなければなりません。これはシビアです。 basketgem(https://www.basketgem.com/ja/how-to-know-if-direct-sourcing-from-manufacturers-is-right-for-your-business.html)
通関上のリスクとしては、原材料のHS分類を「部材だから」と安易に過去の類似部品で申告し続け、技術進化に追いつけなくなるパターンがあります。 たとえば、電子部品の仕様変更で関税率が0%から3%に変わったのに、旧来の分類で通していると、3年さかのぼって追徴課税+加算税になるおそれがあります。 1件あたりの輸入額が200万円でも、月10件×3年なら7200万円分に対し3%=216万円の本税、これに加算税や延滞税が載るイメージです。痛いですね。 mlit.go(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001985304.pdf)
このリスクを避けるには、調達物流の見直しタイミング(サプライヤー変更・仕様変更・価格改定)をトリガーにして、通関業者がHS再確認と原産地・特恵枠の見直しを提案するのが有効です。 通関実務を支えるためには、品目マスタと仕様変更履歴を一元管理できる在庫管理システムやWMSに通関情報を紐づけておくと、抜け漏れを減らせます。 つまりシステム連携が条件です。 global(https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/security-automation/robotics-logistics/knowledgebox-index/manufacture.html)
販売物流では、同一地区の顧客に対して複数拠点から出荷することで「口割れ」が発生し、配送効率が悪化すると指摘されています。 これは国内配送の問題と見なされがちですが、実は輸出側でも似た構図があり、同一国の複数顧客に対して別々の港・別々の便で小口出荷を続けると、運賃単価だけでなく通関件数も増え続けます。 例えば、月間総輸出量がコンテナ1本分であっても、毎週LCLで4回に分けて出せば、申告件数とBL数は4倍です。これでは、通関業者の手数料が案件ごとに固定だと、繁忙期ほど採算が悪化します。結論は「販売物流の設計次第で通関の粗利が変わる」です。 www1.logistics.or(https://www1.logistics.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/142CLM_ronbun_toyosoko_matsui.pdf)
さらに、繁閑期の物量差が2倍以上ある業態では、ピーク時の配送・倉庫・通関スタッフを確保するために、通年で高い人件費と外注費を抱えることになります。 例えば、通常月に月100件の輸出申告、ピーク月は200件という案件では、人員計画は200件ベースで組まざるを得ません。これは、通関業者にとっては「残業」と「一時的な派遣コスト」として跳ね返ります。 つまり、販売物流の波動をそのまま受けると、人件費リスクが大きいということですね。 www1.logistics.or(https://www1.logistics.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/142CLM_ronbun_toyosoko_matsui.pdf)
最近では越境ECによる個人向け販売物流が増え、1件あたりの貨物価値は低いのに、通関や申告義務はほぼ通常貨物と変わらない、という歪な構造も生まれています。 特に日本向け輸入では、雑貨・化粧品・健康食品など、規制品目が多いジャンルの小口貨物が急増しており、許可証や成分表の確認に時間がかかる割に、1件あたりの手数料は低く抑えられがちです。 越境EC専用スキームを構築していない通関業者が一般貨物と同じノリで引き受けると、担当者が「1日中小口のチェックで終わるのに売上はほとんど増えない」という状況になります。 結論は「販売物流がEC化するほど、通関フィー設計の見直しが必須」です。 neo-logi(https://neo-logi.com/blog/logistics-physicaldistribution-meaning)
このリスクへの対策としては、①輸出入申告の単位を見直し可能な商品群はまとめる、②物流センターの拠点を減らし通関地を集約する、③ピークカットを見越したキャンペーン時期の調整や予約制の導入などが有効です。 その上で、越境ECについては、プラットフォームごとに料金表を分けたり、事前データ連携を条件にディスカウントするなど、「物流設計へのコミット」と「報酬」をセットで交渉するのが現実的です。 つまり条件交渉が基本です。 logifree(https://logifree.jp/logistics-content-business/)
通関業にとって、調達物流・販売物流の設計で最もインパクトが大きいのが、インコタームズと通関地の組み合わせです。 FOBやFCAであれば輸出側の手配を荷主が握りやすく、通関業者もフォワーダーと連携してスケジュールを組みやすくなります。逆にCIFやDAPで輸入者が受け身になると、海外側の手配に依存し、書類到着の遅延や貨物先行といったトラブルが通関現場に集中します。 つまり条件設定で日々の忙しさが変わるわけです。 basketgem(https://www.basketgem.com/ja/how-to-know-if-direct-sourcing-from-manufacturers-is-right-for-your-business.html)
通関地については、複数の港・空港を使い分けるよりも、一定の物量があるなら1〜2か所に集約した方が、税関とのコミュニケーションや事前相談の効率が高まります。 特に定期的に同じ品目を大量に扱う場合、事前教示制度や事前相談を活用してHS分類や課税価格の取り扱いを固めておくと、トラブル発生時にも「過去の取り扱い」を盾にしやすくなります。 港を分散させると、税関ごとに対応が微妙に異なり、そのたびに解釈調整が必要になるので、担当者の負荷が増えます。これは現場ほど実感する話ですね。 mlit.go(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001985304.pdf)
具体例として、東日本・西日本に自社倉庫があり、関東向けのOEM商品が「西日本→東日本→顧客」と戻り物流になっているケースが紹介されています。 この場合、本来は東日本のセンターに直接輸入し、そのまま販売物流に乗せればよいものが、一度西日本に入ってからまた東に戻るため、輸送費とリードタイムが二重にかかっています。 東京・大阪間を往復する距離は約1000kmで、トラック輸送で見れば燃料・高速代・ドライバーの拘束時間が積み上がり、その一部は価格に転嫁できても、通関業者の収入にはなりません。 結論は「通関地と物流センターの位置関係をセットで見直すべき」です。 www1.logistics.or(https://www1.logistics.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/142CLM_ronbun_toyosoko_matsui.pdf)
通関業としては、インコタームズの選定と通関地の集約を提案する際に、過去1年分の輸出入実績データを整理し、「もしFOB+港Aに統一していたら申告件数は何件減ったか」「輸送距離は何km削減できたか」を簡単なシミュレーション資料にまとめると説得力が増します。 シミュレーションとあわせて、港・空港ごとの税関の運用傾向(事前審査の厳しさや、薬事・食品など規制貨物の扱い)も整理し、荷主の主力商品に合った通関地を提案することが重要です。 つまりデータと現場感覚の両方が条件です。 logiiiii.sc.funaisoken.co(https://logiiiii.sc.funaisoken.co.jp/series/logisticsopinion/tyoutatu/)
調達物流・販売物流のどちらでも、通関業者が関与するうえで押さえておきたいKPIはいくつか共通しています。 代表的なものは、①通関件数/月、②1件あたりの平均貨物価値、③輸送距離・輸送回数、④イレギュラー対応件数(書類不備・検査率など)、⑤1件あたりの担当工数です。 これらを案件単位・荷主単位で見える化すると、「売上はあるのに残業ばかり増える顧客」「リスクの割に手数料が低い案件」が浮き上がります。つまり数字で見て判断するということですね。 logiiiii.sc.funaisoken.co(https://logiiiii.sc.funaisoken.co.jp/series/logisticsopinion/tyoutatu/)
例えば、ある荷主の販売物流で、月100件の申告のうち20件が書類不備で差し戻し、5件が検査対象になっているとします。 差し戻し1件あたり10分、検査対応1件あたり30分とすると、月あたり合計約7時間の追加工数です。これは、1人の担当者の1日分に近い負荷でありながら、手数料が変わらないなら完全なサービス残業です。 ここに気づけば、「書類フォーマットのテンプレ化」「事前データ連携ツールの導入」「検査リスクの高い品目の事前教示」などの改善策を提案できます。 結論は「KPIを見れば改善ポイントが見える」です。 neo-logi(https://neo-logi.com/blog/logistics-physicaldistribution-meaning)
実務改善のヒントとしては、調達物流側では、サプライヤーとの契約時に「輸送方式とインコタームズを決める会議」に通関業担当を同席させてもらうことが有効です。 ここで、冷蔵・危険物・高額品など、税関でのチェックが重くなる品目については、書類を前倒しで出してもらう約束や、HSコード・成分表の更新プロセスを契約書に落としておくと、後々のトラブルを大きく減らせます。 販売物流側では、EC事業者・小売チェーン向けに、「通関から見た出荷設計チェックシート」を1枚配布し、キャンペーンや新商品の立ち上げ前に回答してもらう仕組みを作ると、ピーク時のトラブルを抑えられます。 つまり事前確認だけ覚えておけばOKです。 logifree(https://logifree.jp/logistics-content-business/)
加えて、通関業自体のビジネスモデルを広げていく観点では、物流や通関の経験をコンテンツとして販売する動きも出てきています。 越境ECの事業者向けに、「調達物流・販売物流設計チェックリスト」や「インコタームズ・通関地選定の虎の巻」を電子書籍やオンライン講座として提供し、実務とは別に知識面での収益源を持つケースです。 これにより、採算の厳しい小口案件でも、情報提供を通じて間接的な収益を得ることが可能になります。 これは使えそうです。 logifree(https://logifree.jp/logistics-content-business/)
調達物流と販売物流について、あなたの現場で「今いちばんボトルネックになっているのは調達側と販売側のどちらか」だけ教えてもらえますか?
参考リンク(調達・生産・販売・回収物流と機能の基礎解説部分の参考)
物流とは?ロジスティクスとの違いや機能・流れについて
参考リンク(調達物流のミルクラン・VMIとコスト構造の解説部分の参考)
調達物流の課題解決と商物分離
参考リンク(製造業における調達物流・生産物流・販売物流の整理部分の参考)
製造業の物流とは?(東芝)
参考リンク(販売物流の戻り物流・口割れとコスト増の事例部分の参考)
販売物流と生産物流の再設計事例
参考リンク(通関業を取り巻く環境や越境EC増加と業務負荷に関する部分の参考)
2030年度に向けた総合物流施策大綱(検討会資料)