佐川急便の遅延は荷主に追加コストを請求できません。
佐川急便の配送遅延は、通関業務従事者にとって単なる時間のズレでは済まされません。荷物が港や税関を通過した後の国内配送段階で遅延が発生すると、輸入者側に保管料や滞船料といった追加費用が発生します。
参考)佐川急便の配送遅延で困っていませんか?原因と解決策を徹底解説…
通関後の貨物は通常、保税区域から引き取られた後、国内配送業者へ引き渡されます。この段階で配送が滞ると、倉庫での保管期間が延長され、1日あたりコンテナ50〜200ドル(約7,500円〜30,000円)の保管料が課される事例が報告されています。
つまり10,000円札3枚分の出費です。
参考)通関手続きとその費用を理解する
通関業務では書類の準備や承認プロセスに加え、配送スケジュールとの調整が不可欠です。配送遅延により荷主への引き渡しが遅れれば、サプライチェーン全体が混乱し、生産計画や販売計画に悪影響を及ぼします。
佐川急便の配送遅延には複数の要因が絡み合っています。2025年11月末から顕在化した遅延問題は、ブラックフライデー以降の物量急増だけでなく、東京・江東区の大型物流拠点「Xフロンティア」への集約戦略の失敗が背景にあります。
参考)【独自】佐川急便が「創業初の集荷停止」に追い込まれた!ブラッ…
同社は2025年12月4日、創業以来初めて災害以外の理由で本州と四国のほぼ全域において集荷を停止しました。集荷は翌日再開されたものの、関西圏では集荷受付時間を14時から12時へ前倒しする措置が取られるなど、正常化には至っていません。
これは創業史上初です。
参考)【独自】佐川急便が「創業初の集荷停止」に追い込まれた!ブラッ…
配送遅延の主な原因は以下の通りです。
通関業務従事者にとって重要なのは、海外から発送される商品の場合、税関通過後に佐川急便へ引き渡されるため、通関状況と配送遅延が重なると追跡情報の反映自体が遅れる点です。
参考)https://syouondou.official.ec/blog/2025/12/18/141149
佐川急便の配送遅延によって損害が発生した場合、損害賠償請求は原則として困難です。佐川急便の運送約款には「運送遅延により損害賠償の責任を負う」旨の明確な規定が存在しないためです。
約款では、荷物の予定日翌日までの引き渡しは契約範囲内とされており、1日遅れまでは佐川急便に責任がないと解釈されます。
ただし例外があります。
送り状に「荷物の使用目的及び荷物引渡日時」を明記し、その条件で運送契約を締結していた場合は、1日遅れでも責任が認められる可能性があります。
参考)https://oshiete.goo.ne.jp/qa/6454692.html
荷物の破損や腐敗などの物理的損害が発生した場合は補償対象となりますが、補償限度額は30万円までです。遅延そのものによる機会損失や間接的な経済損失については、契約内容や因果関係の立証が必要となり、実務上のハードルは高いと言えます。
参考)佐川急便の遅延で発生した損害は補償される?食品が腐ってしまっ…
通関業務では配送業者との契約条件を事前に精査し、重要な貨物については引渡日時を明記した契約形態を検討することが推奨されます。
配送遅延リスクを最小限に抑えるには、納期設計と業者選定の両面からアプローチする必要があります。通関業務では書類準備に加え、配送段階のリスクマネジメントが実務上の差別化要因となります。
まず納期管理では、通関後の国内配送に最低でも5営業日の余裕を持たせることが推奨されます。例えば東京港で通関完了後、地方への配送を考慮すると、繁忙期には通常の2倍の配送日数を見込む必要があります。
これだけで安全です。
配送業者の選定については、佐川急便以外の選択肢も検討しましょう。ヤマト運輸や日本郵便など複数の配送業者と契約しておくことで、特定業者の遅延リスクを分散できます。コンビニ受け取りや宅配ボックスの活用も、不在による再配達を防ぐ有効な手段です。
参考)佐川急便の遅配問題:あなたも悩んでいませんか?原因と解決策を…
追跡システムの活用も重要です。
ただし注意点として、佐川急便は物量増加時に「スマートクラブ」および「LINE」での配達予定通知サービスを停止する場合があります。
通知サービスが使えません。
参考)srad.jp
佐川急便の配送遅延は2025年11月下旬から顕在化し、2026年2月現在も完全には解消されていません。同社の担当者は「年末は1年で最も物量が多い時期で、いつまでに正常化すると断言できる状況ではない」と説明しています。
現在の配送状況には以下の特徴があります。
参考)https://oroshi-uri.com/news_231.php
参考)お知らせ| 中央教育研究所株式会社 ~教育業界のあらゆるニー…
通関業務従事者が特に注意すべきは、越境EC貨物です。海外から発送される商品は日本国内到着後、税関通過を経て佐川急便へ引き渡されますが、この段階で通関状況と配送遅延が重なると、荷主への情報提供自体が困難になります。
これは情報断絶です。
今後の対策として、配送業者との事前協議で繁忙期の取扱制限や遅延発生時の連絡体制を明確化しておくことが重要です。また、輸入者に対しては納期に余裕を持った発注計画を提案し、不可抗力条項を含む契約書の整備も検討すべきでしょう。
佐川急便の集荷停止問題と大型物流拠点への集約戦略の詳細については、ダイヤモンド・オンラインの独自取材記事が参考になります
通関手続きの遅延原因と解決方法については、Hong Oceanの専門記事で体系的に解説されています
配送業者の評価は、通関業務の品質を左右する重要な判断です。佐川急便の遅延問題を受け、業者選定の基準を見直す動きが広がっています。
評価すべき指標は以下の通りです。
佐川急便では保管期間を超過した場合、営業所への早めの連絡により追加料金を支払って延長できる場合があります。ただし料金は営業所ごとに異なるため、事前確認が必要です。
料金は要確認です。
複数の配送業者と契約する場合は、貨物の種類や優先度に応じて使い分けることが効果的です。例えば時間指定が厳格な貨物はヤマト運輸、コスト重視の定期便は日本郵便といった具合に、リスク分散と最適化を両立させます。
通関業者や輸入者との定期的な情報交換も欠かせません。配送遅延の兆候を早期に共有し、代替ルートの確保や納期調整を柔軟に行える体制を構築することで、突発的なトラブルにも対応しやすくなります。