函館税関不祥事が通関業者の許可取消につながる理由

函館税関で発覚した不祥事は、通関業に従事する者にとって対岸の火事ではありません。税関職員の不正が通関業者の監督処分や許可取消にまで波及するケースがある理由とは?

函館税関の不祥事が通関業者に与える実害とリスク

あなたが知らないと、税関の不祥事で自社の通関許可が取消になります。


📋 この記事の3つのポイント
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函館税関で相次ぐ内部不正

千歳支署での当直勤務懈怠・書類偽造疑惑(2025年)や、2005年に発覚した職員24人による旅費水増し請求212万円など、函館税関の不祥事は繰り返されています。

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通関業者への監督処分リスク

税関不正が発覚した際、関与が疑われる通関業者には業務停止・許可取消という行政処分が下される場合があります。通関業法の「監督処分」が業者側にも適用されます。

🛡️
通関業者が今すぐ取るべき対策

社内コンプライアンス体制の整備と、税関手続きの透明化によって、不正疑惑を持たれるリスクを大幅に低減できます。


函館税関で発覚した主な不祥事の概要と経緯



函館税関をめぐる不祥事は、2000年代から現在に至るまで断続的に続いています。最も記憶に新しいのは2025年に報じられた千歳支署での問題です。 hoppo-j(https://hoppo-j.com/corporation_iss.html?ISS=2025_10_2)


北方ジャーナルの取材によれば、函館税関(田中透税関長)では、千歳支署で不適切な当直勤務や書類偽造を告発する公益通報が遅くとも3年前から寄せられていました。内部では今春までに事実関係が確認されたにもかかわらず、税関は公表しなかったとされています。この「隠蔽疑惑」こそが問題をより深刻なものにしています。 fujisan.co(https://www.fujisan.co.jp/product/1214962/b/list/)


さらに遡ると、2005年には函館税関職員24人が旅費を水増し請求していたことが会計検査院の調査で発覚しました。手口は、割引運賃を使いながら通常運賃の領収書を提出するというもので、総額212万円の不正受給が確認されています。1人当たり最多で16回、20万円以上を不正に受け取っていたケースもありました。これは税関全体の問題でもあり、全国9か所の税関で合計618万円の不正受給が判明しています。 ehako(https://www.ehako.com/news/news/5991_index_msg.shtml)


対象期間は2000年4月から2005年8月の約5年間です。処分を受けた24人のうち、減給・戒告となったのは4人で、残る20人は訓告または厳重注意にとどまりました。甘い処分に対して批判の声が上がったことは言うまでもありません。 ehako(https://www.ehako.com/news/news/5991_index_msg.shtml)


通関業従事者にとってこれらの情報は「他人事」ではありません。税関との接触が多い立場であるがゆえに、不正疑惑に巻き込まれるリスクが常にあるからです。


函館税関の不祥事が通関業者の監督処分につながる仕組み

税関の不祥事と通関業者の処分は、一見すると別の話のように思えます。しかし実態は異なります。 foresight(https://www.foresight.jp/tsukanshi/column/disciplinary-action/)


通関業法に基づく「監督処分」は、通関業者またはその役員・従事者が法律に違反した場合に適用されます。具体的には、①口頭または文書による厳重注意、②1年以内の業務停止(全部または一部)、③通関業の許可取消、④業務改善命令の4種類があります。 foresight(https://www.foresight.jp/tsukanshi/column/disciplinary-action/)


重要なのは、監督処分のトリガーが「税関との手続き上の瑕疵」にも及ぶ点です。たとえば書類の虚偽記載や、税関職員が関与した不正への共謀・幇助が疑われた場合、通関業者側にも処分が下る可能性があります。つまり原則です。


税関の不祥事が起きると、当然その背景を洗う調査が行われます。調査の過程で「申告書類の不備」「記録との齟齬」「特定業者との不審な関係」などが浮上すると、通関業者も調査対象になります。痛いですね。


過去には大阪税関が2021年3月に、株式会社JBC(本社営業所)の通関士4名に対し、3か月間の業務従事停止処分を下した事例があります。これは通関士個人への懲戒処分ですが、監督処分が業者全体に及ぶケースも存在します。会社の看板を背負って業務をしている以上、個人の問題では済まないということです。 customs.go(https://www.customs.go.jp/osaka/koji_kokoku/tsukangyo/keiji7_20210312.pdf)


函館税関千歳支署の書類偽造疑惑と通関業務への影響

2025年に明らかになった千歳支署の書類偽造疑惑は、特に注目に値します。航空貨物の取り扱い量が多い千歳は、通関業者にとって主要な業務拠点の一つだからです。 hoppo-j(https://hoppo-j.com/corporation_iss.html?ISS=2025_10_2)


問題の内容は大きく2つです。まず当直勤務の懈怠疑惑。勤務しているはずの職員が実際には業務を行っていなかったとされる告発です。次に、携帯品申告書の偽造疑惑。昨年初頭に起きたとされるこの事案では、関与した職員が処分を免れ、刑事罰にも問われなかったとされています。 fujisan.co(https://www.fujisan.co.jp/product/1214962/b/list/)


これが通関業者に与える影響は直接的です。審査書類の真正性が担保されない状況では、適法に申告した業者であっても「不正に加担した疑い」を持たれかねません。書類偽造が組織的に行われていた可能性がある環境では、自社の申告記録の完全な管理が防御手段になります。これが原則です。


記録は必ず自社で保管しておく、税関との交渉の内容は議事録として残す、書面での確認を徹底する——これらは「コンプライアンスの基本」ですが、不祥事が発覚している税関管轄内ではとくに重要です。書類のデジタル管理ツール(例:電子通関システムのログ取得・保管機能)の活用も検討に値します。


函館税関の不祥事が示す、不正薬物密輸摘発との二面性

函館税関の組織的な不正が報じられる一方で、同税関が取締機関としての役割を担っていることも事実です。意外ですね。


2025年8月、函館税関は国際郵便で大麻約1875グラムを密輸しようとした函館市の会社員(30歳)を関税法違反で告発しました。タイから発送された郵便物は成田空港の税関で発見され、末端価格換算で相当額に上る薬物が押収されています。告発された男性は「借金があって報酬目的だった」と供述しています。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=LOJY9DJ__f4)


| 時期 | 摘発件数 | 備考 |
|------|---------|------|
| 2022年 | 9件 | 通年 |
| 2023年 | 4件 | 通年 |
| 前年(通年) | 17件 | 函館税関全体 |
| 2026年1〜3月 | 11件 | 3か月で急増 |


通関業者にとって、密輸品を知らずに取り扱うリスクはゼロではありません。荷主情報の確認や疑義貨物の税関への申告義務については、不祥事が続く環境であっても自社の責任として遂行する必要があります。結論はコンプライアンスの自衛です。


通関業従事者が函館税関の不祥事から学ぶべき3つの実務対策

函館税関の一連の不祥事は、通関業者側が自らを守るための教訓を与えてくれています。具体的な対策を整理しましょう。


① 申告書類の完全自社管理と電子記録の徹底


書類偽造疑惑が出ている環境では、自社が提出した書類の控えを完全に保存しておくことが第一の防御線です。税関から「記録と食い違う」と指摘された場合に、自社の正当性を証明できるのは自社のデータだけです。通関業法第20条では通関業者に帳簿の備え付けと保存が義務付けられています。これは必須です。


② 公益通報制度の積極活用と社内通報窓口の設置


函館税関で問題が長期化した一因は、公益通報が3年以上放置されていた可能性にあります。通関業者側でも、不審な指示・要求を受けた際に報告できる社内窓口を設けておくことが重要です。2022年施行の改正公益通報者保護法では、300人超の事業者には内部通報体制の整備が義務化されています。これが条件です。 hoppo-j(https://hoppo-j.com/corporation_iss.html?ISS=2025_10_2)


③ 税関との交渉・確認は必ず書面で残す


口頭でのやり取りは後で「言った言わない」の問題になりやすいです。税関担当官からの口頭指示であっても、内容をメールや議事録で確認・保存する習慣をつけることで、万が一の調査時に自社の正当手続きを証明できます。


不祥事が報じられた税関の管轄で業務を行う場合、「疑われないための記録管理」は、もはや付加的な業務ではなく中核業務の一つです。これだけ覚えておけばOKです。


税関業務に関連するコンプライアンス支援については、通関業法や関税法に精通した行政書士や弁護士に相談しておくことも、有事への備えとして有効です。


参考:通関業者の監督処分・懲戒処分の種類と要件についての詳細解説
通関業者に対する「監督処分」と通関士に対する「懲戒処分」の違い|フォーサイト


参考:函館税関公式の関税法違反事件概要(函館税関管内における薬物密輸の実態)
函館税関管内における関税法違反事件の概要(平成25年)|財務省函館税関


参考:函館税関・旅費不正受給事件(2005年・詳細)
函館税関 旅費不正受給で懲戒処分|函館新聞社


アンチダンピング関税と中国

あなたの申告ミスで46.5%上乗せもあります。


通関実務で先に押さえる3ポイント
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中国品は「全部同じ税率」ではありません

日本のアンチダンピング関税は品目ごとに対象・税率・課税状況が異なり、同じ中国原産でも該当するものとしないものがあります。

customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)
⏱️
確認漏れは後工程ほど重くなります

制度上は調査開始の判断まで2か月程度、その後も原則1年以内の調査があるため、現場では輸入前の品目確認が時間ロス回避の中心になります。

customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)
💴
払い過ぎでも戻せる余地があります

納付額が現実の不当廉売差額を超えた場合、輸入者は超過分の還付請求ができます。払いっぱなしとは限りません。

customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


アンチダンピング関税 中国の基本と制度

アンチダンピング関税は、中国から来た貨物すべてに機械的にかかる追加税ではありません。日本では、正常価格より低い価格で輸出された貨物があり、その輸入で国内産業に実質的損害が生じ、しかも因果関係と保護の必要性まで認められたときにだけ課されます。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


つまり条件付きです。
通関業務では「中国原産だから要注意」までは正しいのですが、「中国原産なら全部危ない」と覚えると逆に精度が落ちます。対象はあくまで特定貨物ごとで、制度の入口は品目確認です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


現場で重要なのは、インボイスの品名だけで判断しないことです。品名が広すぎると、対象外貨物を対象と誤認したり、逆に対象貨物を見落としたりします。HSコード、用途、材質、規格をそろえて見るのが基本です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


アンチダンピング関税 中国の対象品目と税率

日本の公表資料では、中国が関係する措置として、電解二酸化マンガンは課税中で税率14.0%~46.5%、フェロシリコマンガンは中国などを対象に過去4.5%~27.2%で課税終了、トルエンジイソシアナートは中国を対象に調査中69.4%と示されています。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


結論は品目別です。
46.5%と聞くと、たとえば課税価格が100万円なら最大で46万5,000円の上乗せイメージです。はがき1枚の書類ミスでも金額インパクトは軽くありません。痛いですね。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


ここで読者が持ちやすい思い込みは、「中国向けの追加税はニュースでよく見る米国の話で、日本実務にはあまり関係ない」というものです。ですが日本でも実際に課税中の品目があり、しかも税率幅は0に近い話ではありません。国内案件でも十分に確認対象です。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


アンチダンピング関税 中国で見落としやすい例外と還付

意外なのは、アンチダンピング関税は「いったん払ったら終わり」ではない点です。税関の説明では、納付した不当廉売関税が現実の不当廉売差額を超えていた場合、輸入者は超過部分の還付請求ができます。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


還付できるということですね。
通関業従事者の感覚では、追加税の論点は「どう避けるか」に寄りがちです。ですが実務では「対象該当性の確認」と同じくらい、「課税後に見直せるか」の視点が効きます。金額が大きい案件ほどです。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


この場面の対策は、後日争える材料を残すことです。狙いは還付可能性を消さないことなので、候補としては商品仕様書、価格根拠、売買契約、メーカー説明を案件単位で1つのフォルダにまとめて確認する運用が向いています。書類整理が条件です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


アンチダンピング関税 中国の調査手続と通関業者の注意点

日本の制度では、国内生産者などから課税の求めが行われた後、関係大臣の協議を経て、2か月程度を目途に調査開始の可否が決まり、調査開始後は原則1年以内に課税の可否が決定されます。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


時間差がある話です。
このため、現場では「今日は対象外だったから、来月も同じ」とは言い切れません。調査中か、課税中か、終了済みかで実務の重みが変わるからです。厳しいところですね。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


さらに、申請適格の目安としては、同種貨物の国内生産者で国内総生産の25%以上の生産高を有する者などが要件として示されています。通関業者が申請主体になる話ではありませんが、制度がどの程度の証拠と産業側の裏付けで動くのかを知っておくと、ニュースを見たときの解像度が上がります。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm)


制度の動きに早く気づくには、財務省税関と経済産業省の公表を定点確認するのが有効です。狙いは「知らないうちに対象化」を防ぐことなので、候補としては月1回の公表確認を担当者の定例作業にするだけでも効果があります。定点観測が基本です。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


アンチダンピング関税制度の要件・手続・還付の整理
https://www.customs.go.jp/tokusyu/hutou_gai.htm


アンチダンピング関税 中国で上位記事に少ない実務の分かれ目

検索上位の記事は制度論や国際ニュースに寄りがちですが、通関実務で本当に差が出るのは「原産地」「品目特定」「課税状況」の3つを同時に見る順番です。どれか1つだけ見ても足りません。これは実務向けの整理です。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


つまり順番が大事です。
まず中国原産かを見て、次に対象品目に当たるかを見て、最後にその措置が課税中なのか、調査中なのか、終了しているのかを確認する。この3段階なら、確認漏れの多くを前段で止められます。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


たとえばフェロシリコマンガンは中国が関係していても現在は課税終了、電解二酸化マンガンは中国が関係していて課税中、トルエンジイソシアナートは中国を対象に調査中です。同じ「中国関連」でも扱いがまったく違います。中国なら全部同じではありません。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)


この場面で役立つ追加知識は、社内の確認票を「国名欄」だけで終わらせないことです。狙いは見落としの削減なので、候補としては「原産地・品目名・HS・課税状況・参照公表日」の5項目を1枚にして、申告前に確認する運用が現実的です。これなら問題ありません。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/02/1226dcba1177b39d.html)






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