BP申告を使って貨物を引き取っても、IBP申告を忘れると担保が凍結されたまま関税債務だけが残ります。

輸入通関の大原則は「関税・消費税を納付してから貨物を引き取る」ことです。ただし、やむを得ない特別な事情がある場合に限り、この順番を逆にできる制度が BP(Before Permit:輸入許可前引取承認)制度 です。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
BP申告が認められる主な適用基準は以下のとおりです。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/glossary/b/bp.html)
- 貴重品・危険物など変質・損傷のおそれがあり特に引取りを急ぐもの
- 展示会等への出品で時間的制約があるもの
- 原産地証明書の提出猶予承認を受けている場合(EPA/特恵税率適用のため提出が遅れる場合)
- 陸揚げ後に数量を確定させる契約で、申告時点で数量が未確定の貨物
- 国内分析で初めて課税価格が確定するような特殊な貨物
「納期が近い」「製造ラインが止まりそう」という理由だけではBPは原則認められません。 これが実務で最も多い誤解です。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
BPを利用できるかどうかは、通関業者を通じて事前に税関へ相談することが必須です。 申告当日に持ち込んでも受け付けてもらえないケースもあるため、貨物が日本の港に到着する前から動き始めることが重要です。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
参考:税関カスタムスアンサー「輸入許可前貨物の引取り制度」
https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/impo/impo1113_jr.htm
BP申告を行う際には、対象貨物にかかる 関税・消費税と同額、または最大10%増しの担保 を税関に提供しなければなりません。 担保なしのBP承認は存在しないと覚えておいてください。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
担保として認められる主な形式は次の3種類です。 logipalette(https://logipalette.jp/journal/all-posts/3346/)
- 銀行保証状(スタンバイ L/C など):銀行が荷主企業に代わって税関へ保証する書類
- 現金保証:指定された税関口座への一時入金
- 保証保険の契約:保険会社による保証
担保が必要ということですね。特に初めてBPを使う企業では、銀行保証状の発行に数日かかることが多く、これが原因で間に合わなかった事例も少なくありません。 担保手続きは慣れていないと手間取るため、通関業者と事前に種類・金額・手続きスケジュールを確認しておくことが鉄則です。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
また、担保の金額は「想定される関税+消費税」の合計を基準に計算されます。たとえば課税価格1,000万円・関税率5%・消費税10%の貨物であれば、関税50万円+消費税(課税価格+関税相当額)の10%=105万円、合計155万円前後の担保が必要になります。これに10%増をかけると170万円超になることも珍しくありません。
BP承認を受けた貨物は、承認された時点で「内国貨物と同等の扱い」となり、日本国内で自由に流通・販売することができます。 これは非常に強力な特権ですが、だからこそ税関審査の水準も通常の輸入申告と同じです。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
他法令による許可・承認が必要な場合(たとえば薬機法・食品衛生法・消防法上の危険物許可など)は、BP申告の時点でそれらをクリアしていることを証明しなければなりません。 厳しいところですね。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
実務でよくあるミスは「通関はBPで先に通すけど、他法令の手続きは後でいい」という誤った認識です。この考え方は通用しません。場合によっては税関による現物検査(検査立会)が求められることもあります。 他法令の許可証・承認書は貨物到着前に取得できるよう、サプライヤーとのコミュニケーションを早めに行うことが現場対応の基本です。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
なお、「消防法上の一般的な危険物であること」を理由に緊急性があるとしてBPを申請するケースも見られますが、これは基本的に認められません。 BPが使える「危険物」は変質・損傷のおそれがある特殊ケースに限られます。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/approval-of-pre-import-license/)
IBP(Import Permit of the goods delivered Before Permit)は、BPで貨物を引き取った後に行う正式な輸入申告手続きです。 つまり「BPで仮引取り → IBPで本申告」が一連のセットです。 sglogi.co(https://www.sglogi.co.jp/dictionary/ibp/)
IBP申告の主な流れは以下のとおりです。 logipalette(https://logipalette.jp/journal/all-posts/3346/)
1. 課税価格等の確定:国内分析・数量確定など、BP取得の理由となった事情が解消されたタイミングで速やかに着手する
2. 正式な輸入申告(IBP申告):通常の輸入申告と同様の区分で申告し、BP承認書・インボイス・パッキングリスト・B/L(船荷証券)などを添付する
3. 関税・消費税の確定と納付:税関が申告内容を審査し税額を確定。指定期限内に納税する
4. 担保解除申請:納税完了後、税関に担保解除申請を提出。承認されると担保物(銀行保証状や現金)が返却される
これが条件です。IBP申告を忘れたり遅延させると、差し入れた担保が解除されないまま塩漬け状態になり、実質的な資金繰り負担になります。 BPとIBPの記録が一貫していることが審査上も重要で、過去のBP承認番号と照合確認が行われます。 logipalette(https://logipalette.jp/journal/all-posts/3346/)
参考:IBP申告の詳細解説(ロジパレ)
https://logipalette.jp/journal/all-posts/3346/
参考:住商グローバル・ロジスティクス 物流用語辞典「IBP」
https://www.sglogi.co.jp/dictionary/ibp/
通関業務の現場でBP・IBPを扱う際、見落とされやすいのが NACCSシステム上の処理区分 と 官署廃止後の申告変更 です。
NACCSでは輸入申告(IBP申告)を行う際、通常の輸入申告と同じコード区分で処理されます。ただし「BP後であること」を示すため、BP承認書番号を関連書類として登録し、申告書類一式に添付する必要があります。 これが抜けていると税関側の照合が取れず、審査が止まります。 logipalette(https://logipalette.jp/journal/all-posts/3346/)
さらに実務上まれに発生するのが 「BP引取後に、当該官署が廃止された」ケース です。 税関官署の廃止・統合は不定期に発生しており、この場合は引継先官署への輸入申告変更(IBP申告の振替処理)が必要になります。 意外ですね。 bbs.naccscenter(https://bbs.naccscenter.com/_files/00138147/202003kinoukaizen_07.pdf)
このような事態に備えるために、BP承認を受けた時点でいつ・どの官署でBP処理をしたかの記録を社内台帳として管理しておくことが現実的な対策です。税関担当窓口が変わっていても、BP承認書番号と引継先官署コードを組み合わせることでIBP申告を完結させることができます。 bbs.naccscenter(https://bbs.naccscenter.com/_files/00138147/202003kinoukaizen_07.pdf)
参考:NACCSセンター資料「廃止税関官署で輸入許可前引取りをした貨物の輸入許可可能化」
https://bbs.naccscenter.com/_files/00138147/202003kinoukaizen_07.pdf
| 申告種別 | 略称 | 目的 |
| -------- | -- | ----------------- |
| 直接輸入(消費) | IC | 国内で消費・販売するための一般輸入 |
| 倉入(蔵置) | IS | 長期保管を目的に保税蔵置場に入れる |
| 移入(加工) | IM | 保税工場へ搬入し加工・製造に使う |