実は、NACCSで輸入申告するとき、貨物の記号は入力しなくても法的に問題ありません。

関税法施行規則第1条の7は、電子情報処理組織(NACCS)を使用した通関手続きにおいて、入力すべき事項・省略できる事項・通関士の審査方法を定めた財務省令上の重要規定です。
簡単にいうと「紙の書類に書くことと同じ内容をNACCSに入力しなければならない、ただし一定の事項は省略できる」というルールを細かく定めたものです。つまり電子申告の実務根拠となる条文ということですね。
通関業に従事する者にとって、この規定はNACCSでの日常業務に直結します。知らずに運用していると、過剰な入力作業をしていたり、逆に必要な審査手続きを省いていたりするリスクがあります。これが原則です。
| 規定の区分 | 内容 | 実務への影響 |
|---|---|---|
| 入力原則 | 書面記載事項と同一の事項を入出力装置から入力 | 書面申告と電子申告で記載内容の整合性が必要 |
| 省略規定 | 税関長が入力不要と認めた事項(貨物の記号など)は省略可 | NACCS申告時の入力作業を適法に簡略化できる |
| 通関士審査 | 通関士に入力内容を審査させ、識別符号を入力させる義務 | 識別符号の入力を省略すると通関業法違反リスク |
関税法施行規則第1条の7の規定が適用されるのは、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(通称:NACCSセンター)が運営する電子情報処理組織を使用した税関手続き全般です。
重要なのは、NACCSを使用して行う申告等の対象者に制限がない点です。意外ですね。個人でも法人でも、通関業者でもそうでない輸出入者でも、NACCSを利用すれば第1条の7の規定が適用されます。
ただし、すべての税関手続きがNACCS経由でできるわけではありません。たとえば「通関業の許可の申請」は、NACCSを使用して行うことができない手続きの代表例として通関士試験でも頻出です。この点が実務上の落とし穴になることがあります。
第6次NACCSが平成29年(2017年)に稼働して以降、修正申告書への書類添付も電子対応が可能になりました。 対応範囲は年々広がっているため、最新情報を常に確認する必要があります。 tsukanshi.kakomonn(https://tsukanshi.kakomonn.com/questions/33364)
参考:通関士試験の過去問と解説で実務的な論点を確認できます
通関士過去問 第50回 電子情報処理組織に関する問題(過去問ドットコム)
電子申告において省略できる入力事項は、大きく2つのカテゴリーに分かれます。第1は「NACCSセンターの電子計算機ファイルへの記録により明らかにできる事項」、第2は「その他財務省令で定める入力の必要がないと認められる事項」です。 tsukanshi.mhjcom(https://tsukanshi.mhjcom.jp/1point/15693.html)
後者の代表例が「貨物の記号」です。貨物の記号は省略OKが原則です。
これは通関士試験でも出題される論点で、現場でも意外と知られていないポイントの一つです。貨物の記号は輸入申告書(書面)では記載が求められる事項ですが、NACCSによる電子申告では税関長が入力不要と認めた事項として省略が認められています。 tsukanshi.mhjcom(https://tsukanshi.mhjcom.jp/1point/15693.html)
省略できる事項を知らずにすべて手入力している場合、1件あたりの申告作業時間が余分にかかります。これは使えそうです。積み重なれば1日数十件を処理する通関業者にとって、月単位で見ると相当な時間のロスになります。
通関業者がNACCSを使用して申告等を行う場合、その入力内容を通関士に審査させ、さらに「通関士識別符号」を使用させて入力させる義務があります。 これは省略できません。 ameblo(https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12373510189.html)
通関士識別符号とは、通関士個人に割り当てられたID情報であり、電子申告上で誰が審査したかを記録・証明するためのものです。審査は義務です。
審査の方法として認められているのは以下の2通りです。 ameblo(https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12373510189.html)
紙に出力しなくても画面上での審査が認められている点は、実務の効率化という観点から重要です。厳しいところですね。一方で、この審査プロセスを省略したり、通関士以外の者が識別符号を入力したりした場合は、通関業法違反となるリスクがあります。
通関業者が複数拠点を持つ場合、各拠点の通関士が適切に識別符号を管理・使用しているか定期的に確認する体制が必要です。リスク管理の観点から、識別符号の管理規程を社内で整備しておくことが望ましいでしょう。
参考:NACCSを使った通関手続きの実務ポイントと過去問解説
電子情報処理組織による輸出入・港湾関連情報処理(NACCS)の実務解説
令和3年(2021年)9月の通関業法改正により、通関書類への押印が不要になりました。 これは「脱ハンコ」政策の一環ですが、関税法施行規則第1条の7が定める電子申告の枠組みと密接に関連する変化です。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E9%96%A2)
押印不要は知っているようで、実務では古い慣習が残りがちです。痛いですね。税関へ提出する書類への押印・署名の廃止は原則として全面的に行われており、保税蔵置場における委任状での印鑑届出受付なども取りやめられています。 kanzei.or(https://www.kanzei.or.jp/moji/moji_files/pdfs/cus_info/220324ho-news7.pdf)
電子化の進展により、通関業従事者に求められるスキルも変化しています。書類作成の正確性と同様に、電子システムの操作習熟・法令改正への迅速な対応が重要な業務能力となっています。これが条件です。
参考:税関による押印廃止の詳細と最新情報
税関手続に係る押印等の廃止について(日本関税協会・門司税関)
第6次NACCSの稼働(平成29年)以前、修正申告書への書類の添付は電子情報処理組織を使用して行うことができませんでした。 しかし現在は対応済みです。 tsukanshi.kakomonn(https://tsukanshi.kakomonn.com/questions/33364)
問題は「改正後の運用に切り替えられていない通関業者がいまだに存在する」という現実です。旧ルールのまま運用すると非効率になるだけでなく、申告の整合性が崩れる可能性もあります。
また、仕入書(インボイス)の提出についても注意が必要です。平成24年(2012年)の関税法改正以前は「提出しなければならない」とされていましたが、改正後は「税関長が必要と認めた場合に提出させることができる」に変わっています。 結論は、提出が常に必須ではないということです。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E9%96%A2)
この変化を知らずに全件でインボイスを添付提出している場合、作業効率の点で損をしている可能性があります。もちろん実務上は税関長の判断次第であるため、管轄税関への確認を怠らないことが前提です。社内ルールの定期見直しと管轄税関との関係維持が、通関業務の質を左右します。
参考:関税法の最新条文と解説(e-Gov法令検索)
関税法施行規則(e-Gov法令検索・財務省令第55号)

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