ポートチャージいくらか種類・相場・課税価格への影響

ポートチャージの金額はいくら?THCやトン税など種類ごとの相場、課税価格への加算要否まで、通関業務に直結する実務知識を徹底解説します。あなたは正確に把握できていますか?

ポートチャージいくら:種類・相場・課税価格への影響

ポートチャージを「船会社が決める固定費用」と思い込むと、課税価格の計算でミスが生じて申告是正になることがあります。


📦 この記事のポイント
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ポートチャージの相場

THC(20フィート)は3万2,000〜3万3,500円が現在の目安。種類ごとの金額を把握しておくことが通関実務の基本です。

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課税価格への加算要否

「輸入港到着前」か「到着後」かで加算の要否が変わります。名称だけで判断するのは危険です。

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実務での確認ポイント

Arrival Noticeに記載される各チャージが何に対して発生しているかを確認することが申告ミス防止の鍵です。


ポートチャージとは何か:定義と含まれる費用の範囲

費用の種類を整理すると、大きく以下に分類できます。


- 🚢 トン税・特別とん税外国貿易船が開港に入港する際に課される国税。船の純トン数に応じて算出
- ⚓ 入港料:港湾管理者に支払う港湾施設の使用料
- 🏗️ THC(Terminal Handling Charge):コンテナターミナルでの取扱料
- 📄 D/O Fee(Delivery Order Fee):貨物引取りのための荷渡し指図書の発行手数料
- 🔀 CFS Charge:LCL貨物の荷合わせ・バンニング/デバンニング作業料


これらは一括請求されることも多く、Arrival Noticeや船会社からの請求書では「PORT CHARGE」としてまとめて記載されるケースがあります。 中身を分解して理解することが、課税価格計算の精度を上げます。 customs.go(https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/2019jirei/jizen_koukai_2019_1.pdf)


ポートチャージの金額相場:THCを中心に数字で確認する

実務でもっとも接触頻度が高いのはTHCです。金額が定期的に改定されるため、最新の水準を把握しておく必要があります。


現在(2024年改定後)の日本向けTHCの目安は以下の通りです。 pancon-acs(https://www.pancon-acs.com/doc/299e03541d93dcf748e3e87bfe8497e4a3988b06.pdf)


| コンテナ種別 | 20フィート | 40フィート |
|---|---|---|
| ドライコンテナ | ¥33,500 | ¥49,800 |
| 危険品(DG) | ¥43,000 | ¥63,000 |
| リーファーコンテナ | ¥43,000 | ¥63,000 |
| オープントップ/フラットラック | ¥43,000 | ¥63,000 |


一方、トン税・特別とん税の税率は次のようになっています。 port-of-nagoya(https://www.port-of-nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/900/r8d/igai08-01.pdf)


- トン税(都度納付):純トン数1トンにつき 16円
- 特別とん税(都度納付):純トン数1トンにつき 20円(欧州・北米航路のコンテナ貨物定期船は当分の間30円)
- 入港料(外航船):総トン数1G/Tにつき 2円70銭 city.yokohama.lg(https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kowan/business-support/shiyoryo/siyoryou.files/0021_20250313.pdf)


数字だけ見ると小さく見えますが、大型コンテナ船は純トン数が数万トン規模になります。たとえば純トン数3万トンの船であれば、トン税だけで16円×30,000 = 48万円になります。これが最終的に荷主向けのポートチャージに分配・反映されるため、1件ごとの金額は数千円単位になります。


通関業者が荷主から受け取る基本手数料(輸入通関料)は8,600円または11,800円程度ですが、 ポートチャージ類は別枠で請求されます。金額を混同しないよう、請求明細の各行を確認する習慣が基本です。 itaku-unso.co(https://www.itaku-unso.co.jp/news/4399/)


ポートチャージと課税価格:加算要否の判断方法

ここが実務でもっとも注意を要するポイントです。


関税定率法第4条第1項に基づき、課税価格は「現実支払価格加算要素」で算出します。 加算要素の第1号は「輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用」です。 interq.or(http://www.interq.or.jp/white/ishiyama/licentiate2-7.html)


加算が必要かどうかのポイントは「輸入港到着前の費用か、到着後の費用か」です。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokyo/content/202006_hyouka_file9.pdf)


費用の種類 発生タイミング 課税価格への加算
輸出国でのTHC(Origin THC) 輸入港到着前 ✅ 加算要素(加算する)
海上運賃に付随するBAF・CAF等サーチャージ 輸入港到着前 ✅ 加算要素(加算する)
日本側THC(Destination THC) 輸入港到着後 ❌ 非加算(加算しない)
D/O Fee(仕向港) 輸入港到着後 ❌ 非加算(加算しない)
トン税・入港料(PORT CHARGE一括請求) 入港時(到着後) ❌ 非加算(加算しない)


重要なのは「名称・略称だけで判断しない」ことです。 税関も「名称で判断するのではなく、何に対して発生しているチャージなのかを確認することが大切」と明示しています。 customs.go(https://www.customs.go.jp/tokyo/content/202006_hyouka_file9.pdf)


たとえば、船会社のArrival Noticeに記載される「PORT CHARGE」がトン税・入港料・岸壁料をまとめたものであれば非加算ですが、輸入港到着前に発生した運送付随費用(例:コンテナ・インバランス・チャージ=CIC)が同じ行に含まれていれば加算が必要になる場合があります。 customs.go(https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kanzeihyouka/hyokajirei/hyokajirei4111025.pdf)


費用の中身が判断できない場合は、船会社やフォワーダーに費用の発生根拠と発生タイミングを確認してから申告するのが正しい対応です。申告後の修正は課税価格の是正につながり、追加関税・消費税の納付が必要になることもあります。これは通関業者にとっても荷主にとっても損失です。


税関が公表している関税評価の照会事例集は、判断に迷うチャージの処理方法を具体的な事例で解説しており、実務参考資料として活用できます。


税関:関税評価 質疑応答事例集(輸入取引の認定・加算要素の取扱いなど)


ポートチャージの実務上の落とし穴:通関業従事者が見落としやすい点

実務経験を積んだ担当者でも見落としがちな点があります。見落としのパターンを把握しておくことが、申告精度の維持に直結します。


① インボイスにポートチャージ相当額が含まれている場合


DDP(Delivered Duty Paid)やCIF条件で輸入する場合、インボイス価格に輸入港到着後の国内輸送費やTHC相当額が組み込まれていることがあります。 この場合、到着後費用の金額が明確であれば課税価格から控除できますが、金額が明らかでない場合は控除できずに申告するルールです。 「含まれているはずだから差し引けるだろう」という思い込みは、申告誤りの原因になります。 mkc-net2(https://mkc-net2.com/regarding-the-evaluation-declaration/)


② サーチャージ類の加算要否混同


BAF(燃料油割増)・CAF(円高サーチャージ)・PSS(繁忙期割増)などは、海上運賃に付随して船会社に支払われる割増料金として加算要素となります。 一方で、輸入港到着後のPCS(Port Congestion Surcharge)は非加算です。同じ「サーチャージ」という言葉でも、発生タイミングが違えば扱いが異なります。注意が必要です。 note(https://note.com/witty_peony545/n/ndc0f8898649b)


③ 一括請求額を分割せず申告してしまうケース


フォワーダーから届く請求書に「FREIGHT & CHARGES:XXX円」と一括で記載されている場合、その中に加算要素(輸入港到着前費用)と非加算要素(到着後費用)が混在していることがあります。これをそのまま現実支払価格に加算してしまうと、課税価格が過大になります。逆に、加算すべきものを加算しないと申告漏れになります。


課税価格の計算に不安がある場合、税関相談官への事前照会制度を利用する方法もあります。照会結果は文書で回答されるため、記録として保存でき、後日の税関調査でも根拠として使用できます。


税関:関税評価上の取扱いに関する事前照会回答事例(2025年)


ポートチャージ節減の視点:通関業従事者が荷主に提供できる付加価値

ポートチャージはある程度決まった費用ですが、荷主の立場からすると「削れない固定コスト」に見えがちです。しかし通関業従事者として荷主に提供できる視点があります。


① コンテナサイズの最適化によるTHC削減


THCはコンテナ1本単位で課金されます。たとえば20フィート×2本(33,500円×2=67,000円)より40フィート×1本(49,800円)の方が、THCだけで17,200円安くなる計算です。 もちろん貨物量に応じた判断が必要ですが、スペース効率と費用の両面から荷主にアドバイスできます。 pancon-acs(https://www.pancon-acs.com/doc/299e03541d93dcf748e3e87bfe8497e4a3988b06.pdf)


② D/O Fee・CFS Chargeの業者間差異の確認


THCは船会社ごとに一定水準が決まっていますが、D/O FeeやCFS Chargeはフォワーダー・通関業者によって差が出る項目です。 「港湾費用はどこも同じ」という認識は誤りで、D/O Feeだけで3,000円の差がある事例も確認されています。 見積書の各行を比較する習慣が費用管理の基本です。 tarifflabo(https://www.tarifflabo.com/trade_practice/guidebook3-logistics-costs-reduction/)


③ 危険品・リーファーコンテナのTHC割増を事前に案内する


危険品やリーファーコンテナのTHCは、ドライコンテナと比べて約1.3倍になります。 これを荷主が事前に把握していないと、予算超過や請求書到着後のトラブルにつながります。 pancon-acs(https://www.pancon-acs.com/doc/299e03541d93dcf748e3e87bfe8497e4a3988b06.pdf)


費用を事前に把握して荷主に正確に伝える——これが通関業従事者としての信頼につながります。


日本通関業連合会が定める通関業務料金表の「掲示義務」については、税関の確認資料で詳細が示されています。料金体系の透明性を保つ上でも参照しておくとよいでしょう。


税関:関税評価の初歩(課税価格の算出方法・加算要素の解説)