consigneeを「輸入者」と同じと思ってませんか?実は荷受人と輸入者が違うと通関が止まります。
consignee(コンサイニー)とは、貿易用語で「荷受人」を意味します。船荷証券(B/L)や航空貨物運送状(AWB)に記載される、貨物到着地で貨物を受け取る権利を持つ者のことです。
参考)コンサイニーとは?輸入者とコンサイニー、ノーティファイの記入…
重要なのは、consigneeは「貨物の権利を受け取る人」であって、必ずしも「荷物を物理的に受け取る人」ではないという点です。例えばネットショッピングで遠方の親戚にギフトを直送する場合、consigneeは購入者(あなた)ですが、実際の受取人(ship to)は親戚になります。
参考)https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8354661.html
つまり貨物の所有権が基本です。
consigneeは運送契約において経済的責任を負う主体(買主)を指し、配送時の物品検査や貨物が書類内容と一致しているか確認する責任を負います。通関手続きが進まない場合、港で貨物が滞留し滞船料(デマレージ)が発生するリスクもあります。
一般的な一対一の取引では、consigneeと輸入者(importer)は同じ者になります。どちらか片方だけインボイスに記載されることも多く、特に問題はありません。
参考)https://www.toishi.info/boueki/niuke.html
しかし三国間貿易など買い手と輸入者・consigneeが異なる場合には、区別して記載する必要があります。例えば加工先の工場へ直送する場合、荷受人(consignee)は工場、請求先(importer)は発注元の会社と分けて記載します。
参考)3国間貿易の流れとメリットを解説!スイッチB/Lやインボイス…
関税法基本通達では「輸入取引」がある場合、原則として荷受人(consignee)が輸入者となることを示しています。ただし必ずしも貨物の受取人が輸入者でなければいけないわけではありません。
参考)輸入者になれる要件
相手の貿易経験によって、importerやconsigneeの解釈に違いが出る可能性があり、状況によっては誤解されることもあります。送り先と請求先が異なる場合は、consigneeとimporterを明確に分けて記載することが原則です。
B/L上のconsignee情報に誤りがあると、深刻な通関トラブルが発生します。
具体的には以下のような問題が起こります。
参考)【輸入トラブル回避】BLのコンサイニーがいない時の対処法とリ…
貨物の引き取りができないケースです。荷受人がいなければ通関手続きが進まず、貨物が港で滞留します。この間、滞船料(デマレージ)や保管料が日々発生し続けるため、数日の遅延でも数万円から数十万円の追加コストが発生する可能性があります。
記載ミスには複数のパターンがあります。荷受人の名前や住所の誤記、目的地の港の間違い、コンテナ番号やシール番号の誤りなどです。例えばB/Lに「500ケース」と記載されているのに実際は「450ケース」しかない、目的地が「東京港」ではなく「横浜港」と記載されているなどのミスが発生します。
それは高コストですね。
L/C決済を含む荷為替手形決済では、consigneeを輸入者にしてはいけません。代金決済前に輸入者に貨物が引き渡されてしまうからです。運送業者は輸入者が代金決済をしたかどうか確認できないため、consigneeとされた者に貨物を引き渡すだけです。
参考)貿易当事者の呼び方 1
B/Lのconsignee欄には「TO ORDER」や「TO ORDER OF SHIPPER」と記載されることがあります。これは「指図式船荷証券」と呼ばれ、荷受人を特定の会社名で記載する「記名式」とは異なります。
参考)B/LのConsignee(荷受人)欄に書かれている「To …
指図式B/Lは、輸出者の指図により誰にでも貨物を譲渡できる流通性を持ちます。つまり、貨物の所有権を第三者に自由に譲渡できるということです。一方、記名式B/Lは特定の荷受人が譲渡しない限り第三者に譲渡できません。
参考)https://modric19.com/32-orderbl
通常の信用状(L/C)取引では、輸出者は船会社に貨物の運送を依頼する際、B/Lのconsignee欄を「TO ORDER」にしてもらうよう依頼します。これにより貨物の権利を柔軟に扱えるためです。
「TO ORDER」と「TO ORDER OF SHIPPER」の違いは、前者が単純指図式、後者が荷送人(シッパー)指図式と呼ばれる点です。信用状開設依頼書を作成する際、「OF SHIPPER」の文言を付け加えることも可能です。
貨物譲渡の柔軟性が条件です。
B/Lには、consignee(荷受人)以外に「notify party」という欄もあります。notify partyは、貨物が到着した際に船会社が通知する連絡先のことです。
多くの場合、consigneeとnotify partyは同じ会社・個人になります。この場合、notify party欄には「Same as consignee」と記載されることが一般的です。
参考)ニット製品引換証のB/L欄にある ”Consignee” と…
一方、consigneeとnotify partyが異なる場合もあります。例えば輸入手続きを最短で進めたい場合や、実際の業務担当者が別にいる場合などです。
中国向けなど特定の仕向地では、consignee欄とnotify party欄にVAT(付加価値税)ナンバーの記載が必要です。consigneeが「To Order of Bank」の場合は銀行のVATナンバーを、「To Order」の場合はnotify partyにのみVATナンバーを記載します。
参考)船積み前の留意点
同じことですね。
またconsigneeが「To Order」の場合、notify partyの企業コードや詳細情報(企業名、住所、電話番号、担当者名など)を記載する必要があります。これらの情報は通関時に必須となるため、事前に正確に準備しておくことが重要です。
貿易書類でconsignee情報を記載する際、いくつかの実務上の注意点があります。記載ミスを防ぐため、以下の確認事項を事前にチェックすることが推奨されます。
まず取引前に輸入者の存在を確認することです。輸入者の住所や法人登録情報を事前に確認しておきます。特に新規取引先の場合、実在する企業かどうかの確認は必須です。
B/L発行前にconsignee情報に誤りがないか確認します。一度発行されたB/Lの訂正は非常に困難で、費用と時間がかかります。訂正が必要な場合、船会社やフォワーダーに連絡し、訂正B/L(コレクテッドB/L)の発行を依頼する必要があります。
原産地証明書では、典拠インボイスにconsigneeの記載がある場合、会社名・住所・国名まで完全一致で記載する必要があります。電話番号などの連絡先は必須事項ではありません。
参考)記載欄別記載要領:(2) Consignee(荷受人)|原産…
通関トラブルを回避しやすくするため、L/C取引を活用する方法もあります。L/Cを利用すれば銀行がconsigneeとなるため、荷受人の不在リスクを軽減できます。これは信頼性の低い取引先との初回取引で特に有効です。
通関業務において、shipperとconsigneeはそれぞれ各国法令に定められた義務と責任を負います。通関業者や物流業者は通関業務を代行する立場であり、shipperまたはconsigneeになることはできません。
参考)https://webciss.sankyu.co.jp/portal/sby/asp/newsitem.asp?nw_id=58
関係当局からの承認・許可が必要な場合は、shipper/consigneeが承認・許可書等を事前に取得する必要があります。
例えば輸入ライセンスなどです。
通関トラブルの主な原因として、書類不備・記載漏れやHSコードの誤りがあります。HSコードが未記載だったりインボイスに情報不足があると、申告保留・修正指示・再提出となります。類似品のコードを流用すると、関税率変更やFTA無効化、追加税発生につながります。
参考)通関トラブルの原因と防止対策|実務で使える事前確認リスト付き…
輸入者はB/Lを呈示しなければ貨物を受け取ることができません。「私がこの貨物の荷受人です」と船会社に言うだけでは受け取れないのです。
法的義務が原則です。
向地や品物により法令等の調査を必要とするものがある場合は、商品説明資料(過去の通関書類等)を事前に提供する必要があります。これらの準備をconsigneeが怠ると、通関が大幅に遅延し、追加コストが発生するリスクが高まります。

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