実は塩漬けや乾燥させた食品でも生鮮品扱いになるケースがあります。
生鮮品とは、食品表示基準において「加工食品及び添加物以外の食品」と定義されています。この定義は通関業務でも基本的に同じ考え方が適用されますが、HS分類では生鮮・冷蔵・冷凍といった状態による区別も重要になります。
参考)生鮮食品の表示ルール
農産物、水産物、畜産物の3つに大きく分類され、水洗い、切断、冷凍といった最小限の処理を施したものは生鮮品に該当します。つまり生鮮品とは必ずしも「新鮮なまま」を意味するわけではありません。
参考)生鮮食品と加工食品の区分とは
通関業務従事者にとって重要なのは、この定義が輸入申告時のHSコード選択に直結する点です。コード分類を誤ると関税率が変わり、事後の修正申告や追徴課税のリスクが生じます。
参考)【牛肉の税番は部位で異なる!?】HSコードの調べ方と品目分類…
生鮮品の範囲を正しく理解することが基本です。
生鮮品と加工食品の境界は「素材の本質的な変化」で判断されます。形状や鮮度を保つための最小限の処理は生鮮品ですが、味や食感を大きく変える加工は加工食品となります。
参考)生鮮食品の定義とは?特徴や表示ルールを詳しく解説
具体的には、キャベツの千切りやイカの刺身(単一種類)は生鮮品ですが、複数種類の野菜を混ぜたミックスサラダや3種類の魚介を盛り合わせた刺身は加工食品です。塩蔵したワカメは加工食品であり、それを塩抜きしたものも加工食品に該当します。
参考)http://www.nabe-net.com/foods6.htm
どういうことでしょうか?
輸送中の一時的保存のために加塩した肉は生鮮品ですが、塩漬けして長期保存できるようにした肉は加工食品です。この違いは保存目的と処理の程度によって判断されます。
参考)HSコード一覧表 – 関税削減.com【HSコード分類事例の…
通関時に生鮮品と加工食品を誤って分類すると、適用される検査基準や食品衛生法上の規格が変わります。たとえば加熱後摂取冷凍食品と生食用冷凍鮮魚介類では、大腸菌群や細菌数の基準が異なり、違反事例も実際に報告されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/1-4/0507.html
判断に迷う場合は、税関の事前教示制度を利用して確認するのが確実です。
HSコードは6桁まで世界共通で、輸出入通関で統一されています。生鮮品の場合、第1類から第14類あたりまでの「動物性生産品」「植物性生産品」に分類されることが多く、特に第2類(肉)、第3類(魚介類)、第7類(野菜)、第8類(果実・ナット)が該当します。
参考)HSコードとは?輸出入の手続きに必須の「世界共通ルール」を解…
たとえば牛肉の場合、0201項は「牛の肉(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る)」、0202項は「牛の肉(冷凍したもの)」と明確に区別されています。生鮮と冷蔵は同じコード、冷凍は別コードというわけです。
冷凍食品を輸入する際は、加熱後摂取か生食用か、凍結直前に加熱工程があったかどうかで区分が変わります。これは食品衛生法の成分規格にも影響するため、単なる分類ミスでは済みません。
コード分類が不明な場合は、税関の関税分類事前教示制度を使いましょう。窓口相談や電話、メール、文書で照会できます。
事前確認が損失を防ぎます。
生鮮品には名称と原産地の表示が義務付けられています。通関時には、この表示内容が正しいかどうかが審査の対象になります。
参考)https://www.maff.go.jp/j/jas/kaigi/pdf/kyodo_no21_shiryo_1.pdf
農産物は国産品なら都道府県名、輸入品なら原産国名を記載します。水産物は水域名または水揚げ港名、畜産物は国産である旨または原産国名が必要です。
参考)国産品や輸入品でルールが違う?生鮮食品の農産物、畜産物、水産…
たとえば水産物で「ミナミマグロ」と記載する場合、水域のみの表記は不可で、正しくは「ミナミマグロ インドネシア産(東インド洋)」のように原産国名と水域名を併記します。
原産地表示を誤ると景品表示法や食品表示法違反となり、通関が留保されたり、販売停止・回収命令が出される可能性があります。実際に、パッケージが原産国と異なる印象を与えたため輸入が認められず、全量返品になった事例も報告されています。
参考)原産地表示の表示ミスが招く輸入通関トラブル
これは使えそうです。
表示内容は輸入前に必ず確認し、不明点は検疫所や税関に照会しておくことで、通関トラブルを回避できます。
生鮮品を輸入する際は、農林水産省の防疫所・検疫所、厚生労働省の食品検疫所、税関の3段階で確認を受けます。税関での審査は区分1(簡易審査)、区分2(書類審査)、区分3(検査扱い)に分かれ、区分2と3では書類提出や現物検査が必要です。
厳しいところですね。
検査区分は通関実績やHSコードなどを基に決定されるため、分類ミスがあると想定外の検査対象になることもあります。
実際の失敗事例として、食品検疫で検査を指導された際に必要検体量を把握しておらず、全パッケージを開封した結果、販売可能な商品が残らず、商品代20万円、検査料3万円、通関諸費用5万円の合計28万円が無駄になったケースがあります。
参考)食品輸入の失敗事例│輸入食品の通関専門サイト
別の事例では、指定検疫施設のない国から食肉製品を輸入しようとして結局積戻しとなり、積戻しの通関諸費用だけで5万円の損失が出ています。
痛いですね。
また、輸入食品の違反事例として、生鮮マツタケに金属製異物が混入し全量積戻しになった事例や、冷凍フグが有毒魚だったために全量焼却処分になった事例もあります。成分規格不適合(大腸菌群陽性など)による廃棄・積戻し指示も頻繁に報告されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/1-4/0209.html
こうしたリスクを避けるには、輸入前に相手国の検疫制度を確認し、必要な衛生証明書を整え、検体採取量も事前に把握しておくことが不可欠です。食品衛生法違反の場合、命令に違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金という重い罰則もあります。
参考)生鮮食品の義務表示とは?加工食品との違いやルール、表示方法を…
事前の情報収集が損失を防ぎます。
通関業務で生鮮品かどうか迷った時に使える、現場での独自チェックポイントを紹介します。まず「複数種類の食材が混ざっているか」を確認しましょう。
単一種類なら生鮮品の可能性が高く、複数種類が混在すれば加工食品です。次に「調味料や添加物が使われているか」をチェックします。
味付けや保存料の添加があれば加工食品です。
それで大丈夫でしょうか?
もう一つの視点は「輸送中の一時的保存か、長期保存目的か」です。輸送中の塩漬けは生鮮品ですが、塩蔵品として長期保存できるようにしたものは加工食品になります。
さらに「加熱調理されているか」も重要です。生、冷蔵、冷凍の状態であれば生鮮品の可能性がありますが、煮る・蒸す・焼く・油で揚げるなどの加熱調理がされていれば加工食品です。
こうした基準を社内マニュアルに落とし込んでおくと、判断ミスを減らせます。判断が難しい品目は事前教示制度を活用し、税関から文書回答をもらって保管しておけば、同じ品目を扱う際の根拠資料になります。
税関の「輸出入品目分類の概要」資料には、HSコード決定のための具体的事例が掲載されており、品目分類の基礎を学ぶのに役立ちます。
参考)https://www.customs.go.jp/yokohama/notice/150622hinmokubunruikouenshiryo.pdf
農林水産省の「生鮮食品の表示について」資料では、名称と原産地の記載ルールが表形式でまとめられており、輸入時の表示確認に便利です。
継続的な学習と社内での情報共有が、通関業務の精度を高めるカギです。つまり属人化を防ぎ、チーム全体で正確な判断ができる体制を整えることが重要ということですね。

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