賦課決定では修正申告ができません。
賦課決定とは、輸入貨物に対する関税の納付すべき税額を、税関長の処分によって確定する仕組みのことです。通常の輸入申告では納税者自身が税額を計算して申告しますが、賦課課税方式では税関長が調査を行い、課税標準や納付すべき税額を決定します。
参考)https://www.zeiken.co.jp/readersclub/zeimuyougo-41.html
この方式では、税関長が賦課決定通知書を納税者に送達することで税額が確定します。納税者は自ら税額を計算する必要がなく、通知された金額を納付する流れです。
賦課課税方式が適用されるのは限定的なケースのみです。原則として輸出入貨物は申告納税方式が採用されており、賦課課税方式は特定の貨物や状況でのみ適用されます。つまり賦課決定は例外的な税額確定方法ということですね。
賦課決定が適用される主な貨物は、課税価格が20万円以下の輸入郵便物です。海外通販などで購入した商品が郵便で届く場合、20万円以下なら賦課課税方式で処理されます。20万円を超える郵便物は申告納税方式に切り替わりますが、寄贈物品などは例外的に賦課課税方式が継続されます。
入国者の携帯品や別送品も賦課決定の対象です。空港や港で入国する際に税関で申告する手荷物やお土産は、税関職員が税額を計算して通知します。旅行者は「携帯品・別送品申告書」を提出し、税関の審査後に算出された関税・消費税を納付する仕組みです。
参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1301_jr.htm
その他にも、過少申告加算税・無申告加算税・重加算税といった加算税や延滞税も賦課決定の対象となります。これらは特定の事実が発生した際に税関長が職権で税額を決定するものです。これらは自動的に決定されるペナルティということですね。
参考)賦課決定 - エフシースタンダードロジックス株式会社 - 青…
申告納税方式では、納税者自身が課税価格や税額を計算し、輸入申告時に税関へ申告します。税関の審査・検査が終了すると納付書が返却され、銀行や郵便局の窓口で納税する流れです。この方式では納税者の申告によって税額が確定するため、誤りがあれば修正申告や更正の請求を行えます。
一方、賦課課税方式では税関長が税額を決定するため、納税者は自ら計算や申告を行いません。税関長から送られてくる賦課決定通知書に記載された税額をそのまま納付する形です。
参考)【税務コラム】申告にまつわる話 1.申告納税方式と賦課課税方…
最も重要な違いは、賦課決定された関税については修正申告や更正の請求ができない点です。申告納税方式なら後から誤りに気づいても訂正できますが、賦課課税方式では一度決定された税額は原則として変更できません。どういうことでしょうか?
つまり税関長の判断に不服がある場合は、不服申し立てや訴訟といった別の手段を取る必要があるということです。通関業務従事者は、この違いを理解した上でどの方式が適用されるか判断することが求められます。
参考)重加算税の税率は?税務調査で指摘されたときのリスクや対応も確…
賦課決定の実務では、まず税関長が輸入貨物について調査を行います。この調査で納税義務者、課税物件、課税標準などを確認し、納付すべき税額を算出します。
参考)https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kihon/TU-S47k0100-s02-03~05.pdf
税関長は決定した課税標準及び納付すべき税額を記載した賦課決定通知書を作成し、納税義務者に送達します。郵便物の場合は、郵便事業会社を通じて関税額に相当する金銭と納付書が交付され、これが賦課決定通知書とみなされます。
参考)http://kumashikaku.web.fc2.com/7yuubintsuukan.pdf
納税者は賦課決定通知書を受け取った後、記載された税額を指定の期限内に納付する必要があります。入国者の携帯品の場合は、税関検査場内の銀行窓口または税関職員に直接納付するケースもあります。納付が完了すると貨物を引き取ることができます。
賦課決定通知書には税額だけでなく、課税標準やその根拠となる情報も記載されています。通関業務従事者は、この通知書の内容を確認し、適用された税率や計算方法が妥当かどうかチェックすることが重要です。税額に納得できない場合は、納付前に税関へ問い合わせるのが基本です。
参考)賦課課税方式による関税の徴収について
税関ホームページの賦課課税方式に関する通達では、賦課決定の具体的な手続きや書式について詳細が記載されています。
賦課決定の最大のリスクは、一度確定した税額を修正申告や更正の請求で変更できないことです。申告納税方式なら後から誤りに気づいた際に修正できますが、賦課課税方式ではその手段がありません。
例えば税関長が課税価格を誤って高く算定した場合でも、納税者は賦課決定通知書の内容に従って納税しなければなりません。不服がある場合は、不服申立制度を利用して異議申立や審査請求を行う必要があります。これらの手続きは修正申告よりも煩雑で時間もかかります。
厳しいところですね。
また賦課課税方式では、納税者側が税額の計算根拠を十分に把握できないまま納税するリスクもあります。申告納税方式なら自分で計算するため内容を理解していますが、賦課決定では税関の判断を受け入れる形になります。
このリスクを軽減するためには、賦課決定通知書が届いた時点で速やかに内容を確認し、疑問点があれば納付前に税関へ問い合わせることが大切です。領収書やカード利用明細など、課税価格を証明できる書類は必ず保管しておきましょう。海外通販の購入履歴や請求書なども、税額の妥当性を確認する際の重要な資料になります。
通関業者に依頼している場合は、賦課決定の対象となる貨物について事前に相談し、適切な対応を確認しておくことをおすすめします。賦課決定後のトラブルを避けるため、輸入前の準備が重要ということですね。
通関士の実務解説サイトでは、賦課課税方式と申告納税方式の違いについて実務的な観点から詳しく説明されています。