charter partyを信用状決済で使うと書類不一致になります。
charter partyは英語で「用船契約書」または「傭船契約書」を意味する海事法上の用語です。この言葉はフランス語の「charte partie」(分割された紙)が語源となっており、昔は同じ内容を一枚の紙に二通り記載し、その紙を二分して契約当事者がそれぞれ署名して保管したことに由来します。
語源が示すとおり、charter partyは契約そのものではなく「契約書」を指す言葉です。「charter」は元来「一枚の分厚い紙」を意味し、「party」は「分解する」という意味から派生した「全体のうち分割された部分」を表しています。
つまり「分解された紙」が原義です。
日本では「C/P」と略記されることが多く、通関業務や海運実務では日常的に使われる用語となっています。穀物などの大量輸送をする場合に、船舶を一定期間貸借する契約を指すのが一般的な使い方です。
charter party B/L(傭船契約船荷証券)と通常のB/L(船荷証券)では、契約内容の開示範囲が大きく異なります。通常のB/Lは船長またはキャリアが発行し、貨物の受領証明と運送契約の証拠として機能しますが、charter party B/Lは傭船者が発行する点で発行主体が異なります。
参考)傭船契約船荷証券 « Japan Import …
最も重要な違いは、charter party B/Lには傭船契約の全ての条件が明示されていないことです。傭船契約の詳細条件は別途作成されたcharter partyに記載されており、B/Lの裏面にその契約内容が摂取されていることが多い形式となっています。このため、貨物を購入した第三者は書類を受け取るまで全ての条件を知ることができません。
参考)http://wareraumizoku.com/unsokeiyaku.html
信用状統一規則UCP600では、複合運送書類(第19条)と船荷証券(第20条)のいずれも、傭船契約に従うことの表示を含めないよう求めています。つまり通常の貿易取引では使えないということですね。信用状取引で傭船契約を用いる場合は、必ず第22条の傭船契約船荷証券の規定に従った内容で作成する必要があります。
信用状統一規則UCP600の詳細解説(東京海上による第三者解説)
通関業務において charter party が登場するのは、主に不定期船を使った大量貨物の輸送案件です。具体的には、穀物、鉱石、石炭、木材などのバルク貨物を満船または船腹の一部を貸し切って運送する際に、この契約形態が採用されます。
定期船による少量貨物輸送では通常のB/Lが使われますが、一度に数千トン単位の貨物を運ぶ場合は船全体をチャーターする方がコスト効率が良くなります。このような場合、荷主と船主の間で個別に運送条件を交渉し、charter partyとして契約書を作成するのが基本です。
参考)用船契約とは
通関士としては、提出された書類が charter party B/L なのか通常の B/L なのかを見分けることが重要な業務となります。書類に「Freight payable as per charter party」などの文言があれば、それは傭船契約に基づく輸送であることを示しています。この場合、信用状決済では受理されない可能性があるため、事前に銀行や荷主に確認することが必要です。
BIMCO(ボルチック国際海運協議会)が作成したGENCONは、航海用船契約において最もよく使用されている世界的標準書式です。GENCONは1922年に初めて導入され、その後1976年、1994年、そして最新の2022年版へと改訂されてきました。
GENCON 2022では、Part Iのボックスが全33項目、Part IIの契約条項が全38条となり、GENCON 1994(全26項目、全19条)から大幅に増加しました。主な追加条項には、ETA通知、荷役準備整頓完了通知、甲板貨物、一般的例外条項、BIMCO制裁条項、BIMCO海賊条項などが含まれています。
国際的な海運実務では、このような標準書式を使うことで、契約交渉の時間を短縮し、紛争が発生した際の解釈も明確になります。
標準書式が基本です。
船主と傭船者は、Fixture Note(個別交渉で合意した内容)を作成し、そこに記載されていない事項についてはGENCONの規定がデフォルトで適用される仕組みです。
GENCON 2022の詳細解説(海事法専門の弁護士による解説)
charter partyには通常、紛争解決のための仲裁条項が含まれています。GENCON 2022では、BIMCO準拠法・仲裁条項2020年版が第37条として組み込まれており、契約当事者間の紛争を裁判ではなく仲裁で解決する枠組みが整備されています。
仲裁条項がcharter partyに記載されている場合、それがB/Lに引き継がれるかどうかが実務上の重要な論点となります。仲裁条項がB/Lに正しく編入されていないと、貨物の受取人が仲裁条項に拘束されない可能性があり、訴訟リスクが高まります。特に中国法下では、仲裁条項の有効性について独自の解釈がなされることがあり、国際的な統一性がない点が課題です。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/1992d51b4dcf2c6bf11aa0a1c45a16b80ce0df62
通関業務では直接関係しませんが、貨物事故が発生した際の責任範囲を理解するためには、charter partyに記載された仲裁条項の内容を把握しておくことが望ましいでしょう。
これが後のトラブル回避につながります。
charter partyは目的によって、航海用船契約(Voyage Charter)、定期用船契約(Time Charter)、裸用船契約(Bareboat Charter)の3種類に分類されます。前二つは船主が運用する船舶を用いて傭船者が貨物を運送することを目的とした運送契約であるのに対し、裸用船契約は船舶そのものの賃貸借契約です。
航海用船契約は、一航海ごとに船舶を利用する契約形態で、特定の積地から揚地までの運送を対象とします。契約期間は比較的短く、運賃は航海単位で支払われます。通関業務で最も頻繁に遭遇するのがこのタイプです。
定期用船契約は、一定期間を定めて長期的に船舶を利用する契約で、船主が船長・船員を手配し、傭船者は燃料費や港費などの航海費用を負担します。裸用船契約は船舶だけを借り受け、傭船者が船員や修繕、保険等の費用も負担し管理業務も行う必要があります。
この区別が重要です。
参考)TCPとは|用語集|商船三井(MOL)Solutions
charter partyでは、契約の種類によって運送責任の所在が大きく異なります。航海用船契約と定期用船契約は運送契約であるため、船主が運送人としての責任を負い、堪航性(seaworthiness)について相当の注意義務(due diligence)を果たす必要があります。
GENCON 2022では、船主の責任について、①各積込港等において貨物の積込み開始時、および②貨物を運搬する各航海の開始時に堪航性を具備する必要があることが明記されました。これは従来よりも責任範囲が明確化された改正点です。
一方、裸用船契約は船舶賃貸借であり、傭船者が船舶の運航管理を行うため、運送責任も傭船者が負います。通関業務でトラブルが発生した際、どの契約形態かによって責任追及先が変わるため、契約形態の確認が必要です。
責任所在の理解が基本です。
GENCON 2022では、甲板貨物(Deck Cargo)に関する詳細な規定が新設されました。傭船者は船主の書面の同意を得て甲板上に貨物を積み運送できますが、その際には厳格な条件が課されています。
具体的には、(i)甲板・ハッチカバーの許容荷重を超えず、かつ本船の耐航性、安定性及び航行性を損なわず、船長の合理的な満足を得ること、(ii)その貨物に必要な追加の付属品を提供し費用を負担すること、(iii)船長の監督のもと傭船者の危険と費用で貨物を適切に積み込み、積み付け・固縛等をすることが求められます。
特に注意すべきは、甲板積み貨物は傭船者の危険負担とされ、船主は船主の過失・貨物の性質・発生原因がどのようなものであっても免責される点です。信用状統一規則UCP600でも、貨物が「On Deck(甲板積み)」されている旨の表示を含む運送書類は受理されません。
甲板積みは慎重に判断すべきです。
レイタイム(Laytime)とは、荷役作業のために船主が傭船者に無償で提供する時間のことで、charter partyの重要な構成要素です。GENCON 2022では、「SHINC」(日曜祝日を含む)および「SHEX」(日曜祝日を除く)の定義規定が新設され、レイタイムについて詳細な規定が置かれました。
参考)해운실무 용선계약서 CHARTER PARTY 조문해석!…
デマレージ(Demurrage)は、レイタイムを超過した場合に傭船者が船主に支払う滞船料で、GENCON 1994ではデマレージのみが規定されていましたが、GENCON 2022では早出料(Despatch)の規定も設けられました。早出料は、レイタイム内に荷役を終えた場合に船主が傭船者に支払う奨励金です。
レイタイムの計算開始時期については、荷役準備整頓完了通知(Notice of Readiness, NOR)が重要な役割を果たします。NORが正しく提出されない場合、レイタイムの開始が遅れ、デマレージの計算にも影響します。
計算ミスは金銭的損失につながります。
英米法では、契約に明記されない限り不可抗力による免責は認められていません。そのため、charter partyには通常、一般的例外条項(General Exceptions Clause)として不可抗力の規定が含まれています。
GENCON 2022では第18条として一般的例外条項が新設され、契約で明示されない限り、船主・傭船者は天災地変、戦争行為などについて責任を負わないことが定められました。具体的には、洪水、火災、封鎖、暴動、内乱、地震、爆発、伝染病などの事象について免責されます。
ただし重要な点として、これらの事由は用船時間または延滞時間の進行を妨げたり、用船契約に基づいて傭船者が船主に支払うべき金額を免除・軽減するものではないことも明記されました。つまり、不可抗力で遅延しても、デマレージは発生するということですね。COVID-19のパンデミック時には、この条項の解釈が大きな問題となりました。
国際海運では、米国、EU、国連などによる経済制裁が重要なリスク要因となっています。GENCON 2022では、BIMCO制裁条項(Sanctions Clause for Voyage Charter Parties 2020)が第32条として組み込まれました。
制裁条項は、制裁対象国や制裁対象者との取引を回避するための規定で、船主または傭船者が制裁違反のリスクを負う可能性がある場合に、契約の履行を拒否または停止できる権利を定めています。この条項により、制裁違反による船舶の差し押さえや罰金などのリスクを回避することが可能です。
通関業務においても、制裁対象国からの貨物や制裁対象者が関与する取引については、慎重な確認が必要です。charter partyに制裁条項が含まれている場合、船主は制裁リスクを理由に運送を拒否する可能性があります。
制裁リスクの確認が必須です。
GENCON 2022では、BIMCO戦争危険条項(VOYWAR 2013)が第33条、BIMCO海賊条項が第34条として組み込まれました。これらの条項は、戦争地域や海賊多発海域への航行に伴うリスクを管理するためのものです。
戦争危険条項では、戦争、テロ、海賊行為などの危険がある地域への航行を拒否する権利や、追加保険料や危険手当の請求権などが規定されています。海賊条項では、ソマリア沖やギニア湾など海賊多発海域を航行する際の追加費用の負担や、武装警備員の乗船についての取り決めが含まれます。
通関業務では、これらの条項が発動された場合、運送遅延や追加費用が発生する可能性があります。特にアデン湾を通過するアジア・ヨーロッパ航路では、海賊リスクが実務上の大きな問題となってきました。航路の安全情報を常に把握しておくことが望ましいでしょう。
危険地域の把握が重要です。
charter partyと船荷証券(Bill of Lading, B/L)の関係は、海上運送法において複雑な論点を含んでいます。GENCON 2022第19条では、発行される船荷証券がGENCON 2022およびCONGENBILL 2022よりも運送人に不利にならないことが規定され、傭船者はそれを超える責任について船主を免責する旨が定められています。
実務上重要なのは、charter partyの条件がB/Lに正しく反映されているかどうかです。傭船契約の詳細条件がB/Lに編入されていない場合、B/Lの所持人(多くの場合は貨物の買主)が charter party の条件に拘束されない可能性があります。
参考)https://www.e-publicacoes.uerj.br/index.php/rdc/article/view/39101
このため、charter party B/Lの裏面には通常、「本船荷証券は用船契約の条件に従う」といった編入文言が記載されます。ただし、この文言だけでは不十分な場合もあり、具体的にどの条項が編入されるかを明示することが望ましいとされています。
編入文言の確認が必要です。
GENCON 2022では、BIMCO電子船荷証券条項2014年版が第20条として組み込まれました。電子船荷証券(Electronic Bill of Lading, e-B/L)は、紙の船荷証券に代わるデジタル形式の証券で、貿易手続きの効率化とコスト削減を目的としています。
電子船荷証券の利点は、書類の郵送時間が不要になることで、貨物の到着前に書類が届かないという問題を解決できる点です。貨物が先に港に到着してしまうと、B/Lが届くまで貨物を引き取れず、保管料や滞船料が発生するリスクがあります。
これは実務でよく起こる問題です。
ただし、電子船荷証券の普及には法的インフラの整備が必要で、全ての国や銀行が対応しているわけではありません。日本の通関業務でも、電子船荷証券の受理体制は徐々に整備されつつありますが、まだ紙ベースが主流です。
デジタル化の進展を注視すべきです。
GENCON 2022第21条では、船級(Class)と保険について規定されており、船舶が認定された船級協会の船級を維持し、適切な保険に加入していることが求められます。また第27条では、船主の責任制限について定められています。
船主の責任制限とは、海上運送において船主が負う損害賠償責任の上限を定める制度です。国際条約であるヘーグ・ヴィスビー・ルールでは、荷物1個または1単位あたり666.67SDR(特別引出権)または重量1キログラムあたり2SDRのいずれか高い方が責任限度額とされています。
通関業務で貨物事故が発生した場合、この責任制限により、実際の損害額全額が補償されない可能性があります。特に高額貨物を扱う場合は、荷主に対して貨物保険の付保を推奨することが重要です。
保険付保の確認が基本です。
GENCON 2022第26条では代理店について、第35条では仲介手数料(Brokerage Commission)について規定されています。海運実務では、船主と傭船者の間に船舶ブローカーが介在し、契約の仲介を行うのが一般的です。
仲介手数料は通常、運賃総額の1.25%から2.5%程度で、船主が支払います。複数のブローカーが関与する場合は、それぞれのブローカーに手数料が支払われることもあります。この手数料は最終的に運賃に反映されるため、実質的には荷主が負担することになります。
代理店(Agent)は、港における船舶の入出港手続き、荷役手配、船員の福利厚生などを行います。通関業務では、船舶代理店から提供される積荷目録(Cargo Manifest)などの書類を受け取ることが多く、代理店との連携が重要です。
代理店の役割を理解しておきましょう。
GENCON 2022第31条には、BIMCO航海用船舶契約ISPS/MTSA条項2005年版が組み込まれています。ISPSコード(International Ship and Port Facility Security Code, 国際船舶・港湾施設保安コード)は、9.11テロ事件を受けて2004年に発効した国際的な保安基準です。
ISPS条項は、保安対策に伴う追加費用や遅延について、船主と傭船者の責任分担を明確にするものです。例えば、港湾施設の保安レベルが引き上げられた場合の追加検査費用や、保安上の理由で入港が遅れた場合のレイタイムの扱いなどが規定されています。
通関業務においても、ISPS対応は重要な要素です。保安レベルの高い港では、書類審査が厳格化され、通関手続きに時間がかかる場合があります。ISPSコードの要件を理解し、必要な書類を事前に準備しておくことが円滑な通関のために重要です。
保安対策の理解が必要です。

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