自動車保険に入っていても預かった荷物は補償されません。
個人事業主として通関業務に携わる方の貨物保険料は、月額1,500円〜3,000円程度が一般的です。年間で換算すると2万円〜4万円前後になります。
参考)【個人事業主必見】貨物保険の費用はいくら?おすすめ4社と選び…
補償限度額によって保険料は変動します。補償限度額300万円〜500万円のプランだと年間15,000円〜25,000円程度、1,000万円プランになると年間30,000円〜45,000円程度です。つまり補償を厚くすればするほど保険料は上がります。
免責金額(自己負担額)も保険料に影響します。運送業者貨物賠償責任保険では、免責金額を3万円、5万円、10万円から選べるケースが多く、高く設定するほど保険料は安くなります。仮に免責金額を10万円にすれば月額を抑えられますが、事故時に10万円までは自己負担となる点に注意が必要です。
参考)https://www.aig.co.jp/content/dam/aig/sonpo/jp/ja/documents/products/pamphlets/6A1-121.pdf
保険料を抑えたい場合は、一括見積サイト「インズウェブ」で複数社を比較しましょう。3分程度で最大7社の保険料と補償内容を確認できます。
参考)軽貨物向けの貨物保険の相場はいくら?個人事業主向けの保険料を…
個人事業主向け貨物保険の詳細な費用相場と選び方
運送業務で自動車保険に加入していても、預かった荷物は補償対象外です。自動車保険の対物賠償は、事故相手の車やガードレールなど第三者の財物を補償するものであり、「自分が運んでいる荷物(受託貨物)」には適用されません。
参考)運送保険と貨物保険の違いは?補償内容や選び方を解説 |保険相…
これは通関業務従事者にとって大きなリスクです。荷物の破損や紛失が発生すると、荷主から賠償請求を受けることになります。どういうことでしょうか?
輸送中の衝突事故、積み込み・積み下ろし中の落下破損、仮置き中の盗難や火災など、貨物に関する損害はすべて自己負担になってしまいます。そのため、運送業者貨物賠償責任保険(通称「運賠」)への加入が必須です。
運賠と貨物海上保険の違いも押さえておきましょう。運賠は運送業者が荷主からの賠償請求に備える保険で、貨物海上保険は荷主や運送業者が貨物自体を守るための保険です。通関業務では両方のリスクを想定して、適切な保険を選択することが重要です。
黒ナンバーを使って軽貨物運送事業を行う場合、営業用の軽貨物車を保有していることに加え、賠償能力を有することの宣誓が必要です。実質的に任意保険と貨物保険への加入が前提となっています。
参考)個人事業主の黒ナンバーに任意保険は必要?補償内容・費用・選び…
支払限度額は100万円〜1億円の範囲で設定できます。軽貨物車特定方式の場合は100万円〜1,000万円です。
参考)運送業者貨物賠償責任保険(運賠安心デリバリー) - 運送業総…
支払限度額の選び方には3つのポイントがあります。
免責金額は0円〜100万円で柔軟に設定できます。1事故ごとに損害額から免責金額を差し引いた額が保険金として支払われます。
免責金額を高く設定すれば保険料は安くなります。ただし、事故時の自己負担が増えるので慎重に判断してください。通関業務で高額な貨物を扱う機会が多い方は、免責金額を低めに設定しておくと安心です。
1事故あたりの補償限度額とは別に、年間総支払限度額も設定されます。年間で複数回の事故が発生した場合、総支払限度額を超える部分は補償されません。それで大丈夫でしょうか?
貨物保険が補償する範囲は以下の通りです。
輸送中の衝突事故だけでなく、積み込み・積み下ろし中の落下破損、仮置き中の盗難・火災も補償対象です。通関業務では保管中や荷役作業中のリスクも高いため、これらが補償されるかを確認しましょう。
自然災害は要注意です。台風や地震による損害は特約が必要な場合が多く、標準では補償されないことがあります。
厳しいところですね。
貨物の種類によっては補償対象外になることもあります。美術品、現金、生鮮食品などは保険会社によって取り扱いが異なるため、事前に確認してください。通関業務で特殊な貨物を扱う場合は、追加の特約や別の保険商品を検討する必要があります。
残存物の撤去・運搬・焼却・廃棄等の費用も、実費で支払われます。事故後の処理費用まで考慮されている点は助かります。
貨物保険の保険料は、確定申告で経費として計上できます。
これは知ってると得する情報です。
個人事業主の場合、社会保険料控除として以下が対象になります。
参考)軽貨物ドライバーが支払う必要がある税金をわかりやすく解説!
生命保険や地震保険も控除の対象です。生命保険料控除は一般的な生命保険と個人年金保険で最大5万円ずつ、合計10万円が控除されます。地震保険は所得税で最大5万円、住民税で最大2.5万円の控除が受けられます。
青色申告を行うと最大65万円の控除を受けられます。実質65万円を経費に加算して税計算をしてOKです。
青色申告特別控除が基本です。
参考)【軽貨物ドライバー】僕が個人事業主になって効果的だった節税策…
iDeCo(個人型確定拠出年金)も小規模企業共済等掛金控除という控除対象になります。掛け金を積み立てた際に全額が控除となり、所得税と住民税を節税する効果があります。
個人事業税には290万円の事業主控除が設定されています。課税所得がこの数値以下であれば、個人事業税は発生しません。通関業務で軽貨物ドライバーとして活動する場合、この金額を目安に経費計上を検討しましょう。
外航貨物海上保険の保険金額は、CIF価格に110%を掛けた金額で設定するのが一般的です。CIF価格とは、商品の原価に海上輸送の運賃と海上保険料を加算した金額のことです。
なぜ110%なのでしょうか?
この「110%」は世界的な商習慣に準えたもので、インコタームスでも保険金額は売買契約に定められた代金にその10%を加えた金額とすべきことが規定されています。到達地の価格を基準として、期待利益分の10%を加算するわけです。
CFR条件で輸入する場合の保険金額の計算例を示します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| CFR価格 | 1,000,000円 |
| CIF価格(保険料込) | 1,003,850円 |
| 保険金額(110%) | 1,104,235円 |
| 保険料率(全仕向地共通) | 0.35% |
| 保険料 | 3,850円 |
最低保険料にも注意が必要です。CIF価格が10万円の場合、保険料は385円ですが、最低保険料が3,000円に設定されているケースがあります。少額貨物でも一定の保険料が発生するということですね。
FOBやCFR条件での輸入では、積載船の船上に置かれるまで輸入者にリスクが移転しません。輸出者は倉庫内から船積みまでの間の、自らのリスクをカバーするために輸出FOB保険(内航貨物海上保険)を手配する必要があります。つまり通関業務では、インコタームスの条件によって誰がどの区間の保険を手配するかが変わります。
JETRO:輸入者側で貨物保険を手配する際の留意点