air-naccsは業務エラーを見落とすと1件で数万円の損失が生じます。
air-naccs(エアナックス)は、航空貨物における税関その他の関係行政機関に関する手続きおよび関連する民間業務をオンライン処理するシステムです。正式名称はNippon Automated Cargo Clearance Systemで、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社が運営・管理しています。
参考)事業概要
1978年8月に成田空港で稼働を開始した当初は、輸入のみを対象にしていました。その後1985年より輸出も行えるようになり、現在は成田、関西、新千歳、仙台、羽田、名古屋、小松、広島、岡山および福岡の10空港を含む37地区を対象としています。
参考)NACCS - Wikipedia
つまりair-naccsです。
システムは航空会社、通関業者、航空貨物代理店、保税蔵置場、銀行などの相互を繋ぐ電子的情報通信システムとして機能します。輸入においては航空機の入港、貨物の到着から輸入申告・許可を経て国内引取りまで、輸出においては保税地域への搬入から輸出申告・許可を経て船積み、出港までの一連の手続を処理対象としています。
参考)https://www.customs.go.jp/seisakuhyouka/H18hyoukasho/zeikan-it-houkoku3.pdf
NACCSとは | 輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社
公式サイトでは、NACCSの事業概要やシステム全体の仕組みが詳しく説明されており、air-naccsを含む全体像を理解できます。
air-naccsが処理する業務は多岐にわたります。税関業務では輸出入申告等の受理、許可・承認の通知、手数料等の徴収を行い、通関業務では輸出入通関のための税関手続を処理します。
航空貨物代理店業務としては、保税蔵置場に対する搬入伝票の作成、混載貨物についての税関手続、混載業務の情報管理、着払貨物の運賃情報管理を担当します。保税蔵置場業務では貨物搬出入についての税関手続、貨物の在庫管理、貨物保管料等の計算を行い、機用品業務では貨物搬出入についての税関手続と機用品の在庫確認を実施します。
基本機能が全てです。
銀行業務では関税等の口座振替による領収を行います。これらの機能により、貨物の到着時間などの情報を瞬時に把握でき、お客様からの問い合わせにも迅速な対応が可能となります。オフィスを離れることなく、貨物到着、保管場所、行政手続の進捗状況を即座に理解できるのが特徴です。
参考)https://www.naccs.jp/aboutnaccs/brochure/pan/07_pan.pdf
2010年2月のシステム更改により、air-naccsは24時間365日のノンストップ運転を実現しました。これはSea-NACCSとの統合によって可能になった大きな改善点です。
参考)https://www.naccs.jp/archives/unkyou/20100324/sankou2.pdf
従来のair-naccsは、毎日午前4時30分より午前6時までの90分間、システムメンテナンスのため運用を停止していました。しかし現在は月に1~2回程度の計画停止(保守)を除き、24時間稼働しています。
参考)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/mondai/subject/199810713.html
ノンストップが原則です。
メインセンターの稼働率目標値は99.99%以上、バックアップセンターの稼働率目標値は99.9%以上と設定されており、危機管理対策としてバックアップセンターが設置されています。この高い信頼性により、国際物流の円滑な運営が支えられています。約1万トンの貨物を処理する成田空港の物流量に例えると、東京ドーム約8個分の容積に相当する貨物情報を日々処理していることになります。
air-naccsを利用する際、業務エラーメッセージへの適切な対応が重要です。エラーメッセージは業務プログラム変更等により更新されるため、最新のエラーメッセージ集を常に参照する必要があります。
参考)業務エラーメッセージ集
よく発生するエラーとして、IDA業務での「S0160」エラー、共通エラー「E518」、UTB業務での「S0005」エラー、共通エラー「W301」などが報告されています。これらのエラーは、入力項目チェック、輸入申告DBチェック、予備申告の登録状況など、複数の条件が関係しています。
参考)航空
エラーは即座に確認が必須です。
輸入申告業務では、入力者チェック、入力項目チェック、輸入申告DBチェックなど複数の段階でチェックが行われます。予備申告が正しく登録されていること、搬入時申告の登録がされていないことなど、申告条件を満たす必要があります。エラーを見落とすと、申告が受理されず、貨物の引き取りが遅延し、1件あたり数万円規模の保管料や遅延コストが発生する可能性があります。
参考)https://bbs.naccscenter.com/system/air/idc-01_adm.pdf
業務エラーメッセージ集 - NACCS掲示板
業務別のエラーメッセージが一括取得できるzipファイル形式で提供されており、エラー対応の際の参考資料として活用できます。
第7次NACCSでは、エラー表示の改善が図られています。入港前統一申請(WPT)などの複数申請を行う際、従来はエラーがまとめて表示され、どの申請の項目かが分かりづらい問題がありましたが、この点が改善されました。
参考)https://www.naccs.jp/archives/7g_naccs/kihonshiyou/shiryou4.pdf
air-naccsの利用料金は、基本料金と従量料金で構成されています。プランAの場合、基本料金は月額5,000円で、従量料金(A)はシステム利用規程NACCS従量料金表に掲げる単価(A)に基づき、各業務の「月間利用件数」×「単価(A)の合計額」として計算されます。
参考)料金プラン
2010年2月のシステム更改では、Sea-NACCSとAir-NACCSの統合により、ハードウェアの集約、メンテナンスの効率化などを通じてシステム運用コストが低減され、利用料金が約3割引き下げられました。
参考)財務省/NACCSのシステム改良で24時間365日利用可能に…
コスト削減が実現済みです。
しかし、air-naccs更改に伴い料金体系が定額制から従量制に変更された結果、小口の多くの宅配便を扱う国際宅配便業者の費用負担が増加したケースもあります。NACCSは通関情報処理センターと税関、通関業者、船会社・航空会社、銀行等が専用回線で繋がれており、その運営経費は税関及び民間利用者の利用料金で賄われています。
参考)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/oto/otodb/japanese/mondai/subject/200200401.html
通関情報処理センターはNACCSを独占的に運営・管理している上に、総経費を賄うように利用料金が設定されるため、コスト削減のインセンティブが働きにくいという指摘もあります。月間1,000件の輸入申告を行う中規模通関業者の場合、従量課金により月額約15万円から20万円のシステム利用料が発生することになります。利用者等による不断の監視に資するため、情報公開を進めて料金に関する透明性を高めるべきとの提言もなされています。
第7次NACCSでは、利用者の要望を踏まえた多数の改善が実施されました。品名欄の改行が可能になり、従来禁則文字であった「_(アンダーバー)」「̃(チルダ)」等の入力が可能になるなど、入力の自由度が向上しています。
運送申告業務では、運送申告番号から対象のエアウェイビルを呼び出せるよう呼び出し業務のAUT11業務が新設されました。また、1回の補正運送申告に最大12エアウェイビルの登録ができるため、AUT業務のエアウェイビル番号欄が12欄まで入力可能となりました。
12件まで一括処理できます。
第7次NACCSの詳細仕様説明は、EDI編、共通編、UI・端末編、通関編、貨物(共通)編、貨物(航空)編、貨物(海上)編、輸入食品編、動物検疫編、植物検疫編、外為編、海上入出港編、利用申込編など、多岐にわたるテーマで提供されています。自動保存機能の追加や、エラー表示の改善により、どの申請の項目でエラーが発生したかが明確になり、業務効率が大幅に向上しました。
【全体概要編】第7次NACCS詳細仕様説明動画
第7次NACCSの全体概要を約47分の動画で詳しく解説しており、各業務編ごとの変更点を体系的に理解できます。