植物検疫早見表輸入の確認方法と必須手続き

通関業務に携わる方なら知っておきたい植物検疫早見表の活用法。輸入時に必要な検査証明書の要件や対象品目の確認手順を詳しく解説します。検疫条件を見落とすとどんなリスクがあるのでしょうか?

植物検疫早見表輸入手続き

検査証明書のコピーでも原本扱いされます。


この記事のポイント
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植物検疫早見表の役割

輸入条件を品目・国別に一覧化したデータベースで、検疫証明書の要否や禁止品の確認が可能

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輸入検査の流れ

植物防疫所への申請、検査証明書の提出、検疫有害動植物の検査という3ステップで実施

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注意すべき例外規定

一部の穀物・木材は証明書なしでも輸入可能だが、2023年から段階的に厳格化

植物検疫早見表とは何か

植物検疫早見表は、植物防疫所が提供する輸入条件データベースです。品目と輸出国の組み合わせごとに、検疫証明書の要否、禁止品目、追加条件などを一覧できます。通関業務では、貨物到着前にこの早見表で輸入可否を確認するのが基本です。


参考)https://www.maff.go.jp/pps/j/search/e_hayami_kamotu.pdf


早見表には「輸入条件詳細情報」と「輸出条件早見表」の2種類があります。輸入業務で使うのは前者で、植物防疫所の公式サイトから無料でアクセスできます。品目名や学名、HSコード、輸出国名などで検索可能です。


参考)輸出入条件詳細情報:植物防疫所


検索結果には、検査証明書に記載すべき追加宣言事項や、くん蒸処理の要否なども表示されます。これにより輸出国の植物検疫機関に事前依頼する内容が明確になるため、手戻りを防げます。


つまり確認の起点です。


植物検疫輸入で対象となる品目

輸入植物検疫の対象は、生きている植物すべてです。苗木、球根、種子などの栽培用植物だけでなく、野菜、果実、切り花、穀類、豆類、木材なども含まれます。加工度が低ければ消費用でも検疫対象になります。


参考)植物検疫の流れを輸入・輸出に分けて解説!|対象外の品目や規制…


ただし、製材や製茶のように高度に加工されたものは対象外です。具体的には、乾燥・焙煎・精製などの工程を経て病害虫が死滅していると認められるものが該当します。一方、生鮮果実や冷凍野菜は加工品でも対象です。


参考)植物検疫とは?輸入時の流れと対象品目をわかりやすく解説【日本…


全ての国・地域から輸入が禁止される品目もあります。土、土付きの植物、植物を害する検疫病害虫、イネワラおよびイネモミ(朝鮮半島・台湾を除く)が該当します。


対象外品目ですね。



参考)輸入植物検疫の対象とならない植物について:植物防疫所


植物検疫証明書の要件と例外

植物を輸入する際は、輸出国政府の植物防疫機関が発行する検査証明書(Phytosanitary Certificate)の添付が必須です。国際植物防疫条約で定められた様式に従い、病害虫が付着していない旨が記載されます。


参考)植物防疫法:日本


検査証明書は原本が原則ですが、実務上は例外が認められています。副本、同時カーボンコピー、輸出国機関が原本証明したコピー、電子媒体で発給され真正性を確認できるものが有効です。電子証明書のコピーを植物防疫所が輸出国システムで確認できれば、原本扱いになります。


参考)よくあるご質問(輸入編):植物防疫所


一部の穀物や木材では、従来は例外的に証明書なしでも輸入を認めていました。しかし2023年から段階的に証明書添付が義務化され、現在はほぼすべての植物に適用されています。


これが原則です。



参考)貨物で輸入される植物等に対する検査証明書添付の徹底について【…


植物検疫輸入検査の流れ

輸入検査は3つのステップで進みます。まず輸入者または代理人が植物防疫所に「輸入植物検査申請書」を提出します。窓口申請のほか、オンライン申請システム「PQ-NUTS」も利用可能です。


次に植物防疫官が検査証明書の様式と記載内容を確認します。輸出国政府機関から提供された様式、輸出国のホームページ、国際植物防疫条約事務局のデータベースなどと照合し、真正性を検証します。様式が正しいと認められるまで手続きは停止されます。

最後に現物検査で検疫有害動植物の有無を調べます。抽出サンプル数は輸入植物検疫規程で定められており、品目や数量により異なります。検疫有害動植物が発見されれば不合格となり、消毒・廃棄・積戻しのいずれかの措置が命じられます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/dl/tp0130-1ag-06.pdf


植物検疫早見表の実務的な使い方

通関業務では、輸入申告前に早見表で禁止品と条件付許可品を区別します。禁止品なら即座に荷主へ連絡し、輸入断念または条件変更を検討します。条件付許可品は、検査証明書の記載事項に過不足がないか確認します。

記載事項の不備は手戻りの最大要因です。例えば特定の病害虫について「栽培地で発生がないこと」という追加宣言が必要な場合、証明書にその文言がなければ再発行を求められます。早見表で事前確認すれば、輸出国の検疫機関に正確な情報を伝えられます。

委任状の準備も重要です。通関業者が検査申請を代行する場合、植物検疫に係る事項を含むことが明記された委任状が必要です。通関業法上の委任状にその旨が記載されていれば、写しの提出で足ります。


委任状は任意様式です。


植物検疫輸入で不合格になるケース

検疫有害動植物が発見されると不合格になります。過去のデータでは、輸入植物検疫により不良植物率が約0.1倍に低下すると推定されており、検査前の平均不良率は0.372%でした。つまり約270件に1件の割合で有害生物が見つかる計算です。


参考)https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result14/result14_40.html


証明書の様式不備も不合格理由になります。輸出国政府機関が定める様式でない場合、または機関印が正しいと確認できない場合、輸入手続きが停止されます。輸出国機関に確認して様式が正しいと認められるまで、貨物は留め置かれます。

輸入禁止品の持ち込みは植物防疫法違反です。土付き植物や特定地域からの特定品目を輸入すると、法的措置の対象になります。輸入港以外から持ち込んだ場合も違反になります。


法的リスクが生じますね。



参考)植物を海外から日本へ持ち込む場合の規制:植物防疫所


植物防疫所の輸出入条件詳細情報データベース
早見表の最新情報と品目別の検疫条件を検索できる公式ツールです。


植物防疫所のよくあるご質問(輸入編)
検査証明書の要件や委任状の扱いなど、実務上の疑問点を解説しています。