記帳義務 酒税|通関業務従事者の罰則と保存期間

酒類を輸入する通関業務従事者が知っておくべき酒税法上の記帳義務について、対象範囲、記載事項、罰則規定、保存期間を詳しく解説します。記帳を怠るとどんなリスクがあるのでしょうか?

記帳義務と酒税の基本ルール

記帳せず放置すると50万円の罰金です。


📋 記帳義務の3つのポイント
📝
記帳対象者

酒類販売業者・特例輸入者は全員が対象。通関業務で酒類を保税地域から引き取る際も記帳が必要

⚖️
罰則規定

記帳義務違反は1年以下の懲役または50万円以下の罰金。帳簿未作成・虚偽記載も同じ罰則対象

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保存期間

帳簿閉鎖後5年間の保存義務。販売場ごとに常時備え付けが必須条件

記帳義務の対象者と酒税法の適用範囲


酒税法第46条により、酒類販売業者および特例輸入者には記帳義務が課されています。通関業務従事者の場合、保税地域から酒類を引き取る「特例輸入者」に該当するため、輸入許可を受けた時点で記帳義務が発生します。


参考)酒類販売業者の記帳義務


この義務は酒類製造者や酒類卸売業者にも課されていますが、それぞれ異なる記帳事項が定められています。通関業務では特に輸入に関する事項の記載が重要です。


参考)https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hambai/moderutekisuto/pdf/r07_07_04.pdf

記帳義務は酒税という個別間接税の適正な徴収を確保するための制度です。たばこ税や揮発油税にも同様の記帳義務がありますが、酒税では品目別・税率の適用区分別という細かい記載が求められます。


参考)【記帳例あり】お酒の帳簿には何を記帳する?記帳のポイントやコ…


つまり輸入業務では必須です。


特例輸入者が記帳すべき具体的事項

特例輸入者は酒類の品目別および税率の適用区分別(アルコール分別など)に、以下の項目を記帳する必要があります。

  • 輸入する数量
  • 輸入の許可年月日
  • 輸入許可書の番号

品目とは、清酒・果実酒・ウイスキー類などの酒類の分類を指します。税率の適用区分別とは、同じ品目でもアルコール度数によって税率が異なる場合があるため、その区分ごとに記載することを意味します。


参考)酒税法上の記帳義務


実務上は銘柄ごとに記帳すれば品目・税率別の記帳要件を満たすことができます。例えば、ワインであれば「〇〇ワイナリー シャルドネ 2023 750ml アルコール分13%」のように、銘柄が異なれば自動的に品目や税率区分も分かれるためです。

銘柄単位が基本です。


記帳義務違反の罰則は懲役または50万円の罰金

記帳義務を履行しなかった場合、酒税法第58条により1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがあります。この罰則は記帳をしなかった場合だけでなく、虚偽の記載をした場合にも適用されます。


参考)酒類販売業免許取得後の義務とは?押さえておきたいポイント3つ…


「10万円以下の罰金」という情報もありますが、これは別の条文の罰則です。記帳義務違反の主な罰則は50万円以下の罰金または1年以下の懲役ですので、混同しないよう注意が必要です。


参考)【一般酒類小売業免許】守らないと罰則規定あり!取得後の義務と…


さらに、義務違反は免許取消の対象にもなります。通関業務で酒類を継続的に扱う場合、免許取消は業務の継続に重大な影響を及ぼします。記帳は日常業務として確実に実施しなければなりません。

免許取消もありえます。


帳簿の保存期間と備え付け場所のルール

作成した帳簿は、販売場ごとに常時備え付けておき、帳簿閉鎖後5年間保存する必要があります。「帳簿閉鎖後5年間」とは、その帳簿の最終記載日から5年間という意味です。


参考)一般酒類小売業免許取得後の義務


通関業務の場合、酒類を引き取る保税地域に対応する事業所または営業所が「販売場」に相当します。複数の営業所で酒類の輸入業務を行っている場合、それぞれの営業所ごとに帳簿を備え付ける必要があります。


参考)一般酒類小売業免許取得後の義務

帳簿の様式は法令で定められていません。エクセルで作成した帳簿でも、手書きの帳簿でも構いません。ただし、必要な記載事項がすべて含まれていることが条件です。


参考)記帳義務と数量報告|酒類販売業免許申請サポート大阪


様式は自由です。


電子帳簿保存と特例申告制度の活用

関税法では輸出入に関する帳簿・書類・電子データの保存が義務付けられており、電子帳簿等保存制度も利用できます。酒税法の記帳義務についても、電子データでの保存が可能です。


参考)https://www.customs.go.jp/shiryo/chobo.htm

税関の帳簿書類の保存義務と電子帳簿等保存制度について詳しい情報
特例申告制度を利用している場合、輸入許可を受けた日の属する月の翌月末日までに特例申告書を提出します。関税とあわせて課される消費税については納期限の延長が受けられますが、酒税については別途手続が必要です。


特例申告貨物の記帳については、酒税法施行令第52条第4項に特別な規定があります。特例申告者は関税法第67条の輸入許可に関する事項を記帳する必要があり、通常の記帳事項に加えて輸入許可書の番号などを記載します。


参考)酒税法施行令 (記帳義務)|Lawzilla(迷わない法令デ…

酒税は別手続が必要です。


記帳業務の効率化と実務上の注意点

記帳は日々対応する必要がある義務です。輸入業務が頻繁にある場合、記帳作業を効率化する工夫が重要になります。エクセルのテンプレートを作成しておけば、データ入力の手間を減らせます。

実務上、以下の点に注意が必要です。仕入伝票や輸入許可書のコピーを保存しておくことで、記帳内容の根拠資料になります。3か月を超えない期間ごとに棚卸しを行うことも推奨されています。これにより帳簿の記載内容と実際の在庫が一致しているか確認できます。

毎年4月には、前年度の酒類の販売数量等報告書を税務署に提出する義務もあります。この報告を正確に行うためにも、日々の記帳が重要です。e-Taxを利用すれば、税務署に赴くことなく電子的に提出できます。


参考)https://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/sake/teishutsu/index.htm


e-Taxファイル作成ツールを利用した酒類の販売数量等報告書の提出方法
報告書提出も年1回あります。


通関業務における酒税記帳の独自視点

通関業務では、一般的な酒類販売業者と異なり、関税法と酒税法の両方の記帳義務を同時に満たす必要があります。関税法上の帳簿書類保存義務と酒税法上の記帳義務は、記載事項が一部重複していますが、それぞれ独立した義務です。


どういうことでしょうか?
関税法では品名・数量・価格等の記載が求められ、酒税法では品目別・税率適用区分別の記載が求められます。両方の要件を満たすには、輸入許可書の情報に加えて、酒類の品目とアルコール度数を明記する必要があります。


実務的には、輸入許可書の番号を記載することで関税法の要件を満たし、酒類の銘柄とアルコール度数を記載することで酒税法の要件を満たす形が効率的です。1つの帳簿で両方の義務を満たすように設計すれば、二重管理の手間を避けられます。


通関では二重義務があります。


特例申告制度を利用する場合、特例申告書への記載内容と帳簿への記帳内容の整合性にも注意が必要です。減免税や軽減税率の適用を受ける場合は、その適用を受けた旨と法令の条項を特例申告書に記載しますが、帳簿にもその事実を記録しておくと後日の確認がスムーズです。

整合性の確認が重要です。




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