施行令施行規則違い|通関業務で混同すると命取りになる理由

通関業務従事者が日々確認する施行令と施行規則の違いを理解していますか?実務での混同は重大なミスを招き、通関業務の許可や届出に直結します。あなたは正しく使い分けられていますか?

施行令と施行規則の違い

施行規則より施行令の方が上位と知らないと監査で指摘されます。

この記事の3ポイント
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施行令と施行規則の違い

施行令は内閣が定める政令で法律の大枠を規定し、施行規則は各省大臣が定める省令で具体的手続きを定める

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法体系での位置づけ

法律>施行令(政令)>施行規則(省令)という上下関係があり、下位の規則は上位の規定に反せない

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通関業務での実務適用

通関業法施行令は許可要件や営業区域を、施行規則は届出様式や細かい手続きを規定している

施行令と施行規則の法的位置づけ


施行令と施行規則は、どちらも法律を具体化するために制定されるルールです。
参考)政令(施行令)と省令(施行規則)の違い とは?基本を解説!


ただし、制定する主体と法的効力が異なります。施行令は内閣が定める「政令」で、法律の直下に位置する命令の最高位です。一方、施行規則は各省大臣が定める「省令」で、政令よりも下位に位置します。
参考)法令とは?条例や規則などとの違いを解説!


法体系のピラミッドでは「憲法>法律>政令(施行令)>省令(施行規則)」という順序になっています。下位の規則は上位の規定に反する内容を定めることができません。
参考)税理士業界の法律、政令(施行令)、省令(施行規則)、通達の違…


つまり、施行規則は法律や施行令の委任の範囲内でのみ規定を設けられるということですね。
参考)法律、法令、規則、条例の違いは?意味や違いを基礎から解説。 …

罰則についても違いがあります。施行令・施行規則ともに、法律の委任がない限り、国民の権利を制限したり義務を課したりする規定は定められません。

通関業法における施行令の役割

通関業法施行令は、通関業の許可や営業区域など、業務の根幹に関わる事項を定めています。
参考)第39回 通関業法関係(解答・解説)・・・時間45分


具体的には、従業者の異動に関する届出のタイミングや、営業所で取り扱える通関業務の範囲などが規定されています。通関業の許可を受けた者が、許可に係る税関の管轄区域外で業務を行える条件についても、施行令で詳細が定められています。
参考)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/05519670801122.htm


営業所の設置に関する基準も施行令の重要な規定です。政令で定める地域以外の地域でのみ業務を行う場合や、取り扱う貨物が一定の種類に限定されている場合の取り扱いが明記されています。​
これらは通関業者の業務範囲を左右する重要な規定です。
通関業法施行令は、法律の大枠を受けて、実務で必要となる基本的な要件や条件を設定しています。この規定を把握していないと、許可申請や営業所設置で誤った判断をするリスクがあります。
参考)【論点解説】明確に理解!行政法における施行令と施行規則の違い…

通関業法施行規則で定められる具体的手続き

通関業法施行規則は、通関業法や施行令を実施するための具体的な手続きや様式を定めています。
参考)e-Gov 法令検索


届出書類の書式や添付書類、提出方法などが詳細に規定されています。例えば、通関業の許可申請に必要な書類の様式や、許可に係る登録免許税の納付通知書の書式なども施行規則で定められています。
参考)https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kihon/TU-S47k0105.pdf


通関士試験の公告に関する規定も施行規則に含まれます。試験の実施時期や受験資格、試験科目などの詳細が規定されています。
参考)https://www.customs.go.jp/tsukanshi/56_shiken/koukoku20220701.pdf

つまり、日々の業務で使う書類の多くは施行規則で定められているということですね。
施行規則は「法律●条の定める~~~とは、……である」という形式で書かれることが一般的です。法律や施行令の条文を受けて、その具体的な内容を明らかにする役割を担っています。実務担当者が最も頻繁に参照するのは、この施行規則かもしれません。

関税法施行令と施行規則の実例

関税法施行令では、特例申告貨物の輸入許可に関する事項や、承認要件などが定められています。
参考)関税法施行令

輸入許可の年月日や許可書番号、税率や納付すべき税額の記載事項などが規定されています。また、関税の軽減・免除・控除を受けようとする場合の適用条項の記載についても施行令で定められています。​
関税法施行規則は、施行令で定められた事項をさらに具体化し、実際の手続きで使用する書類や様式を規定しています。国税通則法施行規則の交付送達の手続きなども準用されています。
参考)e-Gov 法令検索

つまり、関税法の体系でも施行令が大枠、施行規則が細部という構造です。
通関業務では、関税法施行令で定められた要件を満たしているか確認したうえで、施行規則に従って書類を作成・提出する流れになります。両者を混同すると、必要な要件を見落としたり、誤った様式で提出したりするミスにつながります。
関税法施行規則の全文は、e-Gov法令検索で確認できます。実務で迷った際の参考として、こちらで最新の条文を確認するとよいでしょう。

施行令と施行規則の調べ方と実務での使い分け

法律に「政令で定める」という文言があれば、該当する施行令を探します。​
施行令の頭書きに「○○法の規定に基づき、この政令を制定する」といった記載があるため、どの法律に対応する施行令かが分かります。法律の条文番号と同じ番号の施行令の条文を探すと、該当する規定が見つかることが多いです。​
「省令で定める」や「厚生労働省令で定める」といった文言があれば、施行規則を参照します。施行規則は「法第●条第●項第●号の省令で定める事項は、次のとおりとする」という形式で書かれています。​
どういうことでしょうか?
法律で大まかな方向性を示し、施行令で基本的な要件や条件を定め、施行規則で具体的な手続きや様式を規定するという3層構造になっているのです。実務では、まず法律で何が求められているかを確認し、次に施行令で要件を把握し、最後に施行規則で実際の手続きを確認する流れが基本です。​
e-Gov法令検索を使えば、法律・施行令・施行規則を横断的に検索できます。このサイトをブックマークしておくと、実務での条文確認がスムーズになります。
通関業務では、施行令で許可要件や営業範囲を確認し、施行規則で届出書類の様式や添付書類を確認するという使い分けが重要です。この区別を意識することで、ミスを防ぎ、正確な業務遂行につながります。




農業振興地域整備法(1)―法律・施行令・施行規則 (重要法令シリーズ)