通関業務に従事しているあなたが税理士に挑戦する際、簿記論・財務諸表論の受験資格はすでに不要です。
税理士試験の受験資格は、令和5年度(2023年度)の税制改正により大幅に緩和されました。最も重要な変更点は、会計学科目である簿記論と財務諸表論について、受験資格が完全に撤廃されたことです。これにより、学歴や職歴を問わず、誰でもこの2科目を受験できるようになりました。
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この改正の背景には、税理士試験の受験者数減少があります。従来は、会計学科目を受験するためにも一定の学歴や資格が必要でしたが、この要件が新規受験者の参入障壁となっていました。改正後は、高校卒業者や社会人など、より幅広い層が税理士を目指せる環境が整いました。
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税法科目については、引き続き受験資格の条件があります。つまり、現在の制度では「税法科目を受験するための資格」が必要という位置づけになっています。会計学科目から始められるので、まずはそこで実力を試せますね。
税法科目を受験するには、学識・資格・職歴・認定の4つのうち、いずれか1つの条件を満たす必要があります。学識による受験資格は、大学・短大・高専を卒業し、社会科学に属する科目を1科目以上履修していることが条件です。社会科学には、法律学、経済学、経営学などが含まれます。
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資格による受験資格では、日商簿記検定1級または全経簿記上級の合格者が該当します。これらの資格は、税理士試験の受験資格を得るための代表的なルートとして、長年活用されてきました。公認会計士短答式試験の合格者や司法試験合格者も、資格による受験資格を満たします。
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職歴による受験資格は、2年以上の会計・法律事務経験が必要です。この実務経験は、税理士事務所や会計事務所での補助業務も含まれます。学歴がなくても、この条件を満たせば税法科目の受験が可能になります。
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通関業務に従事している方が税理士の受験資格を得るには、いくつかのルートがあります。まず、会計学科目(簿記論・財務諸表論)については、受験資格が撤廃されているため、今すぐにでも受験可能です。これらの科目は税理士試験の必須科目であり、全員が合格しなければなりません。
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通関業務の実務経験が2年以上あり、その業務内容に法律事務や会計事務が含まれている場合、職歴による受験資格を満たす可能性があります。ただし、具体的にどのような業務が該当するかは、国税審議会による個別認定が必要な場合もあります。在職証明書などで実務経験を証明する必要があるため、事前に確認しておくと安心です。
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もし職歴による受験資格が難しい場合は、日商簿記検定1級の取得を目指すのが現実的なルートです。簿記1級は難関資格ですが、税理士試験の簿記論と出題範囲に重複部分が多く、学習の相乗効果が期待できます。受験資格取得と試験対策を同時に進められるメリットがあります。
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税理士試験は全11科目で構成され、そのうち5科目の合格が必要です。会計科目は簿記論と財務諸表論の2科目で、これらは必須科目となっています。税法科目は9科目あり、そのうち3科目の合格が求められます。
参考)【解説】税理士試験とは?科目別合格率と難易度、おすすめの科目…
税法科目には、所得税法と法人税法という選択必須科目があります。このどちらか1科目は必ず合格しなければなりません。残りの2科目は、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、事業税、住民税、固定資産税から選択します。各科目の合格率は10~20%程度で推移しており、難易度の高さが伺えます。
参考)税理士試験の難易度や合格率は?難しすぎる?科目別ランキング付…
税理士試験の特徴は、科目合格制度を採用している点です。一度合格した科目は生涯有効なため、働きながら数年かけて5科目の合格を目指すことが可能です。通関業務と並行して受験する場合、この制度は大きなメリットになりますね。
税理士試験に合格しただけでは、税理士として業務を行うことはできません。税理士登録には、税理士試験の合格に加えて、租税または会計に関する事務の実務経験が通算2年以上必要です。この実務経験は、税理士試験の受験と同じタイミングである必要はありません。
参考)税理士登録に必要な「実務経験」はどこで積む?税理士のキャリア…
実務経験を積む場所としては、税理士事務所、会計事務所、企業の経理部門などがあります。通関業務の経験が税理士登録の実務経験として認められるかは、業務内容によって判断されます。具体的な業務内容を在職証明書で証明する必要があるため、詳細は日本税理士会連合会に確認することをおすすめします。
税理士資格を取得するまでの一般的な期間は、5年から10年程度と言われています。働きながら科目合格を重ねていく場合、計画的な学習スケジュールが重要です。通関業務で培った貿易関連の知識は、国際税務の分野で活かせる可能性があります。
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国税庁の税理士試験受験資格の詳細ページでは、各条件の具体的な要件を確認できます
国税庁の受験資格Q&Aページでは、よくある質問と回答が掲載されています

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