2026年版の旧コードで申告すると差し戻しされます。
実行関税率表は日本への輸入貨物に適用される関税率を定めた公式文書で、税関ホームページで無料公開されています。2025年版は1月1日版と4月1日版の2つが主要な改正として発行されました。
参考)https://www.customs.go.jp/tariff/2025_01_01/index.htm
各バージョンは97類まで分類された商品カテゴリで構成されており、第1類「動物(生きているものに限る)」から第97類まで詳細な品目番号と税率が記載されています。日本関税協会からは書籍版『実行関税率表2025年度版』も発行されており、EPAタリフデータや適用状況表などの附表が充実しています。
参考)https://www.maruzenjunkudo.co.jp/products/9784888955317
書籍版には約3000ページのボリュームがあります。初めて見る方は圧倒されるかもしれませんが、自分が担当する品目の類だけを重点的に確認すれば大丈夫です。
参考)一般特恵関税率とEPA関税率の比較 – 関税削減.com【H…
税関ホームページの実行関税率表は参考用であり、実際の輸入手続きで不明点がある場合は各税関の税関相談官へ問い合わせる必要があります。つまり公式データですが、最終判断は税関との相談が原則です。
参考)https://www.customs.go.jp/tariff/2025_04_01/index.htm
Webタリフというデータベースサービスを使えば、品目番号や税率の検索が容易になります。
手作業で表を探すより効率的ですね。
参考)日本関税協会
実行関税率表には6種類の税率が設定されています。基本税率(General)、暫定税率(Temporary)、協定税率(WTO)、特恵税率(GSP)、特別特恵税率(LDC)、そしてEPA税率です。
参考)「輸入統計品目表(実行関税率表)」の見方を覚えておこう!
これらの税率には適用の優先順位があり、一般的には「暫定税率>協定税率>基本税率」の順で比較され、最も低い税率が自動的に適用されます。特恵税率とEPA税率は、通常の税率より低く設定されている場合が多く、条件を満たせば大幅なコスト削減が可能です。
参考)関税の知識ABC
EPA税率と特恵税率の関係には特殊なルールがあります。EPA税率が特恵税率より高い場合のみ、特恵税率が適用可能です。EPA税率が特恵税率以下の場合、特恵税率は適用できません。
参考)https://www.customs.go.jp/tokyo/content/20170606_gensanchi.pdf
例えばくん製いか(HSコード1605.54-100)の場合、基本税率6.7%に対してTPP11税率は7~8.5%となっており、この場合は基本税率を使った方が有利です。このように、EPA税率が必ずしも最も低いとは限りません。
輸入者は自分で税率を比較し、最も有利な税率を選択する必要があります。
選択ミスは直接コストに影響しますね。
2025年版の実行関税率表では、EPAの拡大に伴う税率変更が主要な改正内容です。CPTPP(TPP11)、日EU・EPA、RCEP協定などの各種EPA税率が年度ごとに段階的に引き下げられており、これらの最新税率が反映されています。
各国の産品について適用される関税の種別が一覧できる適用状況表が附表として提供されており、特恵税率の使用可否を迅速に確認できます。現在発動中の特殊関税に関する情報も収録されています。
2026年1月1日からは新たなHS改正が実施されました。財務省告示第283号に基づき、統計品目番号の統合・分割が行われ、2026年1月1日以降に統計計上される貨物はすべて新コードでの申告が必要です。
参考)2026年版 実行関税率表・統計コード適用開始:年明け通関の…
この改正に対応するため、日本関税協会は『実行関税率表2025年度版(追補)』を発行しました。追補には2026年のHS改正による変更箇所が抜粋されており、EPAタリフデータも収録されています。
参考)https://www.kanzei.or.jp/wp-content/uploads/2025/12/tariff2025tsuiho.pdf
年をまたぐ貨物の申告時に旧コードを使用すると、NACCSでエラーが発生し申告が差し戻されます。これが年明けの通関実務で最も多いトラブルです。
実行関税率表で正しい税率を確認するには、まず輸入品目のHSコード(統計品目番号)を特定する必要があります。HSコードは国際的に統一された商品分類コードで、6桁までは世界共通、それ以降は各国独自の細分です。
確認手順は以下の通りです。まず該当する「類」を特定し、次に各類の冒頭にある「類注」を必ず確認します。類注には、その類に当てはまるものや当てはまらないものに関する重要な情報があるためです。
参考)実行関税率表(輸入統計品目番号表)の見方について 画像ととも…
一見その類に当てはまりそうでも、貨物の種類・大きさ・加工の有無などの注意書きによって、実際には別の類に分類されることがあります。類注の確認を怠ると分類ミスにつながりますね。
統計品目番号を決定したら、適用する税率の列を確認します。実行関税率表は行に統計品目番号、列に各関税率が記載されており、交差した部分がその関税率です。
分類判断が難しい場合は、税関の「事前教示制度」の活用を推奨します。文書で照会した場合、税関から30日以内に文書で回答があり、その回答は3年間輸入審査で尊重されます。
電子メール・窓口・電話でも照会できますが、文書照会の方が正確性が高く安心です。
回答までに時間がかかるのが難点ですが。
最も重要な注意点は、2026年1月1日以降の申告には新コードを使用することです。「昨年と同じコードだから大丈夫」という思い込みは捨て、最新の実行関税率表に基づいたマスタ管理を徹底する必要があります。
日本の統計コードは輸出と輸入で桁数が異なります。輸出は9桁、輸入は10桁(9桁+統計細分1桁)となっており、この違いを理解していないとシステム設定でミスが発生します。
年末年始に船積みされた貨物は特に注意が必要です。2025年12月に船積みされて2026年1月に輸入申告する場合でも、申告日基準で新コードを使用します。
船積み日ではなく申告日が基準ですね。
税関ホームページの実行関税率表には「あくまでご参考としてご利用ください」との注意書きがあります。これは、最終的な税率適用判断は税関が行うことを意味しています。
契約している通関業者との密な連携も重要です。個別品目の分類について判断が難しい場合は、専門家への相談を躊躇しないでください。
HSコード改正の影響は広範囲に及ぶため、自社で扱う全品目のコード見直しを計画的に進めることが推奨されます。一度に全部は無理でも、取引量の多い品目から優先的に確認すれば効率的です。
税関:実行関税率表(2025年1月1日版)
最新の税率とHSコード、類注を確認できる公式ページです。
日本関税協会:Webタリフ
実行関税率表の内容を効率的に検索できるデータベースサービスです。

【通関士ノート】輸出統計品目表/実行関税率表(輸入統計品目表)[EXPORT STATISTICAL SCHEDULE/CUSTOMS TARIFF SCHEDULES]