CIF価格を正しく申告しないと、増差税額の10%を過少申告加算税として取られます。
CIF価格建てとは「Cost(貨物代金)、Insurance(保険料)、Freight(運賃)」の3要素を含んだ価格表示方式です。輸入品が本船に積み込まれた港から輸入者の港までにかかる費用をすべて含んでいます。
日本の輸入通関では、関税や消費税の課税対象となる「課税価格」は原則としてこのCIF価格に基づいて算定されます。
つまりCIF価格が税金計算の基準です。
具体的には、商品代金10,000ドル、運賃1,000ドル、保険料500ドルの場合、CIF価格は11,500ドルとなります。この金額に関税率を掛けて関税額を計算し、さらに関税を含めた金額に対して消費税が課されます。
FOB価格(Free On Board)は本船に積み込むまでの費用のみを含む価格であり、運賃や保険料は含まれていません。見た目は安いのですが、買主(輸入者)が運賃・保険料を別に払うことになります。
参考)FOBとCIFとは?貿易用語の基本の意味&貿易実務での使い方…
ベースとなる商品価格が同じなら、FOB価格とCIF価格には運賃・保険料の分の価格差がつきます。価格見積もりを比較するときは条件を揃えるか、その分の費用も計算に入れて検討することが重要です。
計算式は単純です。FOB価格+運賃+保険料=CIF価格という関係が成り立ちます。
参考)FOBとCIFの違いは何?費用・リスクの分岐点をプロが徹底解…
輸出側がFOB価格で契約し、輸入側が運送や保険を手配するケースでは、別途運賃・保険料を加えてCIF価格を算定する必要があります。これを理解していないと申告漏れにつながります。
税関での輸入申告では、CIF価格をもとに関税率をかけて関税額を計算します。関税を含めた金額に対して消費税が課されます。
CIF契約の場合はインボイス価格がそのまま申告価格の基礎となりますが、FOB契約の場合は運賃・保険料の証憑書類を別途用意する必要があります。このルールを理解していないと申告漏れや過少申告を指摘される可能性があるため注意が必要です。
たとえば商品代金が5,000ドル(FOB)、海上運賃が200ドル、保険料が50ドルの場合、CIF価格は5,250ドルになります。この5,250ドルに為替レートを掛けて円換算し、その金額に関税率(仮に5%)を適用すると関税額が算出されます。さらに(CIF価格+関税額)に消費税率10%を掛けて消費税額を求めます。
A/N(アライバルノーティス)に通常の運賃に加えてサーチャージ(割増運賃)が記載され、輸入者(荷受人)が負担する場合には、申告価格に加算する必要がある項目(BAF、YAS、CMD等)もあります。
見落としやすいポイントです。
参考)輸入(納税)申告価格の決定方法① ~申告価格(課税価格)って…
過少申告とは輸入時に実際よりも低い価格で申告をし、課税額を少なくしようとする行為です。これは税関にとって重大な違反と見なされ、関税・消費税の追徴課税、過少申告加算税・延滞税の対象になります。
過少申告加算税の金額は、税関から調査通知を受けた日の翌日以後、更正予知の前に修正申告を行った場合は増加税額の5%に相当する金額となります。更正予知の後に修正申告をした場合や税関による増額更正を行われた場合は、増加税額の10%に相当する金額となります。
仮に仕入れ価格が正しくても、送料や保険料を除いて申告してしまうと過少申告とみなされる可能性があります。
10万円の増差税額なら1万円の加算税です。
申告価格に誤りがあった場合には迅速かつ適切に対応することが必要です。修正申告を速やかに行うことで、ペナルティが課されることを回避することが期待できます。自己発見した場合は、修正内容を税関に申告し、正しい申告価格および修正後の税額を記載します。不足税額の納付を速やかに行うことが重要です。
参考)輸入申告価格の間違いに気づいた場合
コンテナ輸送の場合は、本船に積載される前にコンテナターミナルで引き渡されます。それに対してCIF条件、FOB条件は船に積載されてからリスク移転が発生するため、コンテナターミナル内での負担が輸出側に発生する不合理な条件です。
参考)CIF条件とFOB条件の違いは?どちらの条件を使うべきかも解…
よってコンテナ輸送時には、CIF条件の場合はCIP条件(輸送費保険料込)やCPT条件(輸送費込条件)に、FOB条件の場合はFCA条件(運送人渡条件)にするのが合理的です。
これが現代の推奨です。
CIP条件では輸出者が仕向地までの輸送費と保険料を負担します。CPT条件では輸出者が仕向地までの輸送費を負担します。FCA条件では輸出者が運送人に引き渡すまでの輸送費用や通関費用を負担します。
インコタームズ2010年版では、従来から使用されてきたFOB、CFR、CIFの貿易取引条件は、コンテナ輸送の場合はそれぞれFCA、CPT、CIPが推奨されています。FOB、CFR、CIFを適用すると、売主がCYから本船に積載されるまでの危険までも負担することになるという不合理が生じます。
インボイス価格が現実支払い価格より低く輸入申告をしていることを税関が発見した場合、輸入者に対し追加で納付すべき税額(増差税額)に5%または10%を乗じた過少申告加算税が課されます。
不公平があってはならないからです。
参考)インボイス価格の決め方(改ざんすると重たい罰則を受ける事にな…
インボイスに記載されたCIF価格(すでに運賃と保険料を含む)を基に計算されますので、税関審査をスムーズに行うためには品目の具体的な記載が重要です。あいまいな品名("Electronics"だけなど)だと税関で説明が必要になり、通関が止まります。
数量違いや輸入者と荷受人の不一致も、小さなズレでも通関で止まります。貿易条件の違い(FOBとCIFの相違)で費用や責任が変わりますので、書類のチェックはとても大切です。
保険金額はCIF価格の110%が通常です。保険料は保険金額×保険料率(0.3%~0.5%)で計算されます。たとえば製品価格10,000ドル、タイ国内費用500ドル、海上運賃1,000ドルの場合、保険金額は(10,000+500+1,000)×110%=12,650ドルとなります。保険料率が0.3%だとすると、保険料は約38ドルになります。
参考)貨物保険の基礎について解説!保険金額や保険料の計算方法 |貿…
税関公式サイトでは納税申告に誤りがあった場合の修正申告や更正の請求について詳しく解説されています
JETROの貿易・投資相談Q&Aでは輸入税額の計算方法について実務的な情報が掲載されています