違約品の再輸出と戻し税手続き期限保税地域搬入要件

違約品を再輸出する際の戻し税手続きでは、期限や保税地域搬入といった厳格な要件があります。通関業務従事者が知っておくべきポイントや意外な落とし穴について、実務に即して解説します。手続きを誤ると関税が戻らないリスクもあるのをご存知ですか?

違約品の再輸出と戻し税手続き

輸入許可日の7か月後に違約が判明しても戻し税は受けられません。


この記事の3ポイント
6か月以内の保税地域搬入が必須

輸入許可日から6か月以内に保税地域へ搬入し届出をしないと、関税の払い戻しを受けられなくなります

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違約品認定には証明書類が必要

契約内容との相違を証明する書類や輸出者とのメールなど、複数の証拠書類の準備が求められます

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輸出または廃棄の選択肢あり

違約品は再輸出するか税関承認を得て廃棄するか選べ、いずれも戻し税の対象となります

違約品の再輸出における戻し税制度の概要


違約品の再輸出による戻し税制度は、関税定率法第20条に基づく制度です。この制度では、関税を納付して輸入された貨物のうち、品質や数量が契約内容と相違するなど一定の条件を満たすものを再輸出または廃棄する場合に、納付済みの関税を払い戻すことができます。


輸入者は結果として経済的効果を受けないため、救済措置として設けられた制度です。違約品だけでなく、個人が通信販売で購入した物品で品質が予期しなかったものや、輸入後に法令により販売・使用が禁止された貨物も対象になります。


つまり対象は幅広いです。



参考)こんな時は弁護士に~減免税制度の相談~


ただし、輸入時の性質及び形状に変更を加えないものに限定されます。加工や改造を施した場合は戻し税の対象外となるため注意が必要です。この制度を利用するには、税関での事前手続きが絶対に必要で、手続きを怠ると払い戻しは一切受けられません。


参考)貿易における戻し税・減免税とは 制度の概要やポイントを分かり…


通関業務従事者としては、この制度の存在を輸入者に早めに伝えることが重要です。なぜなら、違約判明が遅れると期限切れになるリスクがあるからです。


参考)https://www.customs.go.jp/tokyo/zei/modoshizei_yokuarushitumon.html

違約品の再輸出手続きにおける6か月期限の重要性

戻し税を受けるための最も重要な要件は、輸入許可日から6か月以内に保税地域へ搬入することです。この期限を1日でも過ぎると、原則として関税の払い戻しを受けることができなくなります。


参考)違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税について。 - 通関士…


6か月という期間は意外に短く感じられます。輸入後に製品を使用開始し、不具合が判明するまでに時間がかかるケースでは、気付いた時には既に期限を過ぎていることもあります。例えば、電子部品を輸入して組み立てラインに投入し、最終製品の検査段階で初めて欠陥が発覚する場合、数か月経過していることは珍しくありません。

やむを得ない理由がある場合は、税関長の承認を受けることで6か月を超え1年以内まで延長が可能です。延長承認を受けるには、貨物の品名、数量、搬入予定の保税地域の名称と所在地、搬入予定時期、承認を受けようとする理由などを記載した申請書を提出する必要があります。


延長が認められる条件は厳格です。



参考)https://note.com/otsunakajyuku/n/nea4b32d1ae7f


期限管理を怠ると、数十万円から数百万円の関税が戻らないという大きな損失につながります。輸入者には輸入時点で戻し税制度と期限を説明しておくと、トラブル回避になりますね。


違約品を保税地域に搬入する際の届出手続き

違約品を保税地域に搬入したら、直ちに「違約品等保税地域搬入届」(税関様式T第1630号)を提出しなければなりません。この届出は、搬入先の保税地域の所在地を所轄する税関長に対して行います。


参考)https://www.customs.go.jp/tokyo/zei/modoshizei_tetsuzuki2.html


搬入が確認されると、税関から「違約品等保税地域搬入届受領書」が交付されます。この受領書は、後の輸出申告または廃棄申請時に必須の書類となるため、確実に保管しておく必要があります。


受領書がないと次のステップに進めません。



参考)輸入品を再輸出する際の納付済み関税、消費税の払い戻し手続き:…


保税地域とは、外国貨物を置くことができる場所として税関長が許可または指定した場所を指します。具体的には保税蔵置場保税工場保税展示場などがあります。違約品の搬入先としては、通常は保税蔵置場が利用されることが多いです。


搬入届の提出は、実際に貨物を保税地域に搬入した後に行います。搬入前に届出を出しても受理されないので、タイミングに注意が必要です。また、保税地域への搬入は輸入許可日から6か月以内という期限が厳守されるため、違約判明後は速やかに手配することが求められます。


違約品等の輸出申告に必要な証明書類

違約品として認定されるためには、複数の証明書類を揃える必要があります。最も重要なのは、違約品であることを証する書類です。具体的には、輸入者から輸出者への違約品である旨を報告する通知メール、違約品であることを証明する検査書、品質条件などが記載された売買契約書、返送を承諾する旨が記載された輸出者のメールや書類などが使用されます。


参考)輸入通関後のシップバック(再輸出)と関税戻し税のこと


輸入許可書またはこれに代わる税関の証明書も必須です。これは、当該貨物が確かに関税を納付して輸入されたものであることを証明するために求められます。輸入許可書を紛失している場合は、税関に申請して証明書を発行してもらう必要があります。


前述の「違約品等保税地域搬入届受領書」も添付書類となります。これら3種類の書類を「違約品等の輸出に係る関税払戻し(減額・控除)申請書」(税関様式T第1640号)2通に添付して輸出申告を行います。


通信販売で購入した個人用物品の場合は、カタログ、注文書、納品書などが違約品であることを証する書類となります。また、法令により販売・使用が禁止された貨物の場合は、当該法令を掲載した官報または広報の写しが必要です。書類に不備があると認定が遅れるため、事前に税関に相談することをおすすめします。


違約品の再輸出における税関審査と対査の実務

税関による違約品認定は、提出された書類の審査と、書類と実際に搬入された貨物との対査により行われます。対査とは、書類に記載された内容と現物が一致しているかを税関職員が直接確認する作業です。

この審査プロセスで重要なのは、契約内容との相違を客観的に証明できることです。単に「品質が悪い」という主観的な主張だけでは認められません。数値データ、写真、第三者機関の検査結果など、客観的な証拠が求められます。例えば、規格値が10mmであるべきところが8mmしかない、含有成分の濃度が契約の50%に対して30%しかない、といった具体的な相違点を示す必要があります。


審査には時間がかかる場合があります。特に技術的に複雑な製品や、違約の判断が微妙なケースでは、税関が追加の資料提出を求めることもあります。戻し税の手続きを検討している場合は、事前に税関に相談することが推奨されています。

対査の際には、貨物が輸入時の性質及び形状を保っていることも確認されます。開封して使用した痕跡がある場合や、一部を消費している場合は、戻し税の対象外となる可能性が高いです。違約が疑われる場合は、できるだけ早期に判断し、使用を控えることが賢明ですね。

違約品を廃棄する場合の承認手続きと留意点

違約品を再輸出ではなく廃棄する場合も、戻し税を受けることができます。廃棄の場合は、再輸出の手続きとは異なる流れになります。


まず、保税地域への搬入と搬入届の提出は再輸出の場合と同じです。その後、「滅却(廃棄)承認申請書」(税関様式C第3170号)2通を提出します。この申請書には、違約品であることを証する書類、輸入許可書またはこれに代わる証明書、違約品等保税地域搬入届受領書に加えて、廃棄がやむを得ないものであることを証する書類を添付する必要があります。

税関の承認を受けた後、実際に廃棄を行い、税関職員の立会いのもとで廃棄した確認を受けます。廃棄方法は、貨物の性質によって異なりますが、焼却、破砕、埋立てなどの方法が取られます。


環境法規制にも配慮が必要です。



廃棄の確認を受けた後、「違約品等の廃棄に係る関税払戻し(減額・控除)申請書」(税関様式T第1660号)1通に、廃棄の確認を受けた「滅却(廃棄)承認書」を添付して申請します。この一連の手続きを経て、初めて関税の払い戻しが行われます。

廃棄にはコストがかかるため、可能であれば再輸出を選択する方が経済的です。しかし、貨物の状態が極めて悪い場合や、輸送コストが貨物価値を上回る場合は、廃棄が現実的な選択肢となります。


税関のカスタムスアンサー「違約品等の再輸出又は廃棄する場合の戻し税の手続」では、制度の詳細と必要書類の一覧が確認できます
JETROの「輸入品を再輸出する際の納付済み関税、消費税の払い戻し手続き」では、実務上の留意点が分かりやすく解説されています




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