輸入者番号の検索方法と取得で通関が変わる完全ガイド

輸入者番号を検索する方法と取得のメリットを徹底解説

法人番号があれば輸入者番号の取得は不要と思っているなら、通関で自動補完が効かず毎回の申告が余計に手間になっています。


📋 この記事の3ポイント要約
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輸入者番号の検索方法は属性で異なる

法人は国税庁の法人番号公表サイト、個人・個人事業主は税関発給コードをメールで申請して取得。NACCSのIIE照会機能では個人の番号は検索できないため、通関業者に直接コードを伝える必要があります。

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コードは無料と有料の2種類がある

税関発給コード(無料・個人向け)とJASTPROコード(新規7,700円・3年更新・法人個人どちらも可)が存在。法人は2017年以降、法人番号が輸入者番号の代替として使用されています。

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取得すると税関検査率が下がる可能性も

輸出入実績を継続的に積み重ねることで税関の信頼度が高まり、検査対象になりにくくなる傾向があります。また、関税の口座振替や納税期限3カ月延長などの特典も利用できます。


輸入者番号(輸出入者符号)とは何か:基本知識を整理する

輸入者番号とは、日本で貨物を輸出入する際に税関や通関システムが事業者・個人を識別するために使う番号のことです。正式には「輸出入者符号」と呼ばれ、NACCSという輸出入・港湾関連情報処理システムの申告書に入力する識別コードとして機能します。


呼び名がたくさんあることに戸惑う人も多いはずです。「税関発給コード」「NACCSコード」「JASTPROコード」「輸出入者符号」——これらはすべて同じ「輸入者番号」の体系に属しています。ただし発行機関と費用が異なるため、混同しないことが重要です。


通関申告の際、この番号を入力するだけで名称・住所・電話番号がNACCS上に自動補完されます。つまり、毎回の手入力が不要になるということです。継続して輸入取引をする場合には、この自動補完の恩恵は非常に大きく、申告ミスの防止にもつながります。


2017年10月のNACCS更改を境に、制度が大きく変わりました。それ以前は法人にも「税関輸出入者コード」が発給されていましたが、マイナンバー制度の「法人番号」(13桁)を輸出入者符号として使えるようになったことで、法人向けの税関輸出入者コードの新規発給は2017年4月1日に停止されています。現在、税関発給コードの対象は個人・個人事業主、および法人番号を持たない海外企業等に限定されています。これが基本です。




































コードの種類 発行機関 対象 費用 有効期限 桁数
税関輸出入者コード(税関発給コード) 税関 個人・個人事業主など法人番号を持たない者 🆓 無料 原則無期限(長期未使用で削除) 17桁
JASTPROコード(日本輸出入者標準コード) JASTPRO(日本貿易関係手続簡易化協会) 法人・個人いずれも可 💴 新規7,700円 3年毎に更新(更新料あり) 12桁
法人番号 国税庁 法人(株式会社・NPO等) 🆓 無料(自動付与) 無期限 13桁


📄 税関公式 Q&A(PDF):税関発給コードと JASTPRO コードの違い、申請方法、削除時の注意事項を詳しく解説(税関発給コード Q&A 一覧 2025年6月更新版)


輸入者番号を検索する3つの方法:法人・個人・海外取引先それぞれの調べ方

輸入者番号の検索方法は、相手が法人か個人かによってアプローチがまったく異なります。それが条件です。


法人の輸入者番号(法人番号)を調べる方法は最もシンプルです。国税庁が運営する「法人番号公表サイト」(https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/)にアクセスし、会社名・所在地・法人番号のいずれかで無料検索できます。このサイトには株式会社・有限会社・NPO法人・一般財団法人など、法人番号を付与されたすべての団体が公開情報として登録されており、誰でも自由に閲覧可能です。英字情報(英語社名・英字住所)は法人番号自体には含まれていない点は知っておきましょう。


個人・個人事業主の税関発給コードを調べる方法は少し複雑です。個人のコードはNACCSの「輸出入者情報照会(IIE)業務」では検索できません。税関が正式に案内しているとおり、個人の税関輸出入者コードはプライバシー保護の観点からIIEでの照会対象外となっています。そのため、通関業者に輸出入手続きを委託している場合は、自分のコードを直接通関業者に通知する必要があります。


海外取引先(仕出人・仕向人)のコードを調べる場合は、税関の「海外仕出人・仕向人コード一覧」ページ(https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/zeikancode/oshirase/ichiran.html)で確認できます。ただし個人の海外仕出人コードはここにも掲載されていないため、取引先に直接確認するしかありません。


では、自分の取得済みコードを確認したい場合はどうするかというと、申請時に送付された「発給通知書」が基本の確認手段となります。通知書の閲覧にはパスワードが必要なため、申請時に設定したパスワードは紛失しないよう厳重に管理することが必要です。
























対象 検索・確認手段 注意点
法人(国内) 🔎 国税庁法人番号公表サイトで無料検索 英字情報は自動補完されないため、JASTPROコードの「紐付け登録」が推奨
個人・個人事業主 📧 発給通知書(申請時にメールで届く)を確認 NACCSのIIEでは照会不可。通関業者には直接コードを伝える
海外仕出人・仕向人 📋 税関の海外コード一覧ページを確認 個人の海外取引先は一覧に未掲載のため直接確認が必要


📄 税関公式ページ:個人の税関輸出入者コードはNACCS IIEで照会できない旨の正式アナウンス(通関業者への通知方法も記載)


🔎 国税庁法人番号公表サイト:法人番号・商号・所在地で法人の輸入者番号を無料で検索できる公式サービス


輸入者番号の取得申請手順:税関発給コードを個人・個人事業主が申請する流れ

個人・個人事業主が税関発給コードを申請する流れは、意外とシンプルです。税関の窓口に出向く必要はなく、すべてメールで完結します。


ステップ1:申請書式のダウンロード


税関の発給コード申請ページ(https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/zeikancode/shinki.htm)にアクセスし、申請書式のExcelファイルをダウンロードします。Excelファイルが開けない場合は、同ページの「申請書式項目一覧」を使い、メール本文に記入する形でも受け付けてもらえます。


ステップ2:必要書類の準備


個人の場合は発行から6カ月以内の住民票の写しが必要です。屋号で登録したい場合は、青色申告承認申請書や開業・廃業等届出書の写しも追加で必要になります。ただし、屋号証明書類の住所と現住所が違っていても問題ありません。


ステップ3:メールで申請


申請書と必要書類を添付して、担当税関にメール送信します。申請書には任意のパスワードを設定します。このパスワードは発給通知書の閲覧に必要となるため、必ずメモしておきましょう。


ステップ4:発給と翌日から利用開始


書類受領から約1週間で発給通知書がメールで届きます。翌営業日(土日祝除く)からNACCSで利用できます。つまり発給日当日は使えないということです。


なお、家族が代理申請する場合も「委任証明書」が必要です。様式は任意のものでよく、押印も不要という点は覚えておくと便利です。



  • 📎 申請書類:Excelの申請書式+住民票の写し(6カ月以内発行)

  • 📧 申請方法:メール添付のみ(窓口・電話での受付なし)

  • 📅 発給目安:書類受領から約1週間後、利用開始は翌営業日から

  • 🔐 パスワード:発給通知書の閲覧に必須、必ず保管する

  • 👨‍👩‍👧 代理申請:委任証明書が必要(家族でも同様)


費用は完全に無料です。住民票の取得費用(多くの自治体で200〜300円程度)のみ実費がかかります。コスパという面では税関発給コードは最良の選択肢のひとつです。


📄 ジェトロ 貿易・投資相談Q&A:輸出入者符号(JASTPROコード・税関発給コード)の取得メリットと概要を日本語で詳しく説明(2025年1月更新)


法人の輸入者番号は法人番号でOK?JASTPROコードとの違いと使い分けの実務ポイント

「法人番号があるから輸入者番号の取得は不要」と考えている法人担当者は多いでしょう。しかし実際の輸入申告実務では、法人番号だけでは不便な場面があります。これは意外なポイントです。


法人番号はそもそも、会社名・住所・電話番号の英字情報を持っていません。NACCSでの輸入申告では、英文社名や英字住所を申告書に記入する必要がありますが、法人番号単体では自動補完が機能しないため、毎回手入力が必要になります。


ここでJASTPROコードが力を発揮します。JASTPROコードを取得し、かつ法人番号との「紐付け登録」を行っておけば、法人番号で申告した際にもJASTPROコードに登録した英字情報が自動補完されます。継続的に輸入申告をしている企業にとっては、この自動補完機能があるかないかで業務効率が大きく変わります。これが原則です。


また、JASTPROコードを取得すると以下の制度が利用できるようになります。



  • 💰 口座振替による関税・消費税の納税:毎回の銀行振込が不要になる

  • 📅 納税期限の最大3カ月延長:銀行または保険会社の担保を条件に輸入時から3カ月間の猶予が得られる(キャッシュフロー改善に直結)

  • 📦 包括審査・簡易申告制度の適用:頻繁に輸入をする企業はまとめて申告できるため、通関コストを抑えられる

  • 🛡️ 海上保険の包括保険適用:デビットノートの省略が可能になり、事務処理の手間が減る

  • 🏪 特定輸出申告制度・包括評価申告制度の利用:輸出においても手続きを一括処理できる


JASTPROコードの費用は新規登録で7,700円(税込)、3年ごとに更新料が発生します。東京ドーム(建設費約350億円)の話ではなく、年間2,500円前後の維持費で上記メリットを享受できると考えると、月次で複数回輸入を行う事業者には投資対効果が十分あるといえます。


一方、年に数回程度しか輸入しない法人であれば、法人番号のみで対応し、英字情報はその都度入力するのが現実的な選択です。使い分けが条件です。


輸入者番号を活かした独自戦略:税関検査率を下げるために実務でできること

輸入者番号を持っているだけで通関がスムーズになる——これは事実ですが、さらに踏み込んだ使い方があります。多くの解説記事が触れていない視点です。


税関は貨物を審査する際、輸出入者の「過去の取引履歴」をデータベースで参照します。輸入者番号を継続して使い、問題のない通関実績を積み重ねるほど、その番号は「低リスクの輸入者」として認識される傾向があります。結果として、検査対象になりにくくなる可能性があります。


逆に、輸入者番号がない状態や取得したばかりの実績ゼロの状態では、新規輸入者として扱われ、抜き取り検査の対象になりやすい状況です。これは制度として明示されているわけではありませんが、税関が「リスクベース」のアプローチを採用していることは公知の事実です。検査が増えると通関に余分な時間がかかり、保管料・遅延コストが発生します。1回の検査で荷物が1〜3日留め置かれた場合、冷蔵品や期日付き納品の現場では数十万円単位の損失になることもあります。


また、引っ越しや社名変更など登録情報が変わった際の手続きを怠ると、古い情報が自動補完されてしまいます。これは申告内容と実態の齟齬を生む可能性があり、税関から追加確認を求められる原因になりかねません。特に法人の場合、税関輸出入者コードと法人番号が紐付けられていた状態で登記変更が起きると、変更申請の受付が既に停止されているため「削除申請」→「法人番号での申告切り替え」という手続きが必要になります。


この登録情報の最新化は、大手通関業者に委託している企業でも見落としがちな盲点です。気づかないうちに古い住所で申告書が出力され続けているケースは実際に起きています。これは注意すべき点です。


輸入者番号を活かすための実務チェックリストを整理すると以下のようになります。



  • ✅ 住所変更・社名変更が生じたら速やかに削除申請(法人)または変更申請(個人)を行う

  • ✅ 長期間輸入申告をしていない場合、コードが削除されていないか確認する

  • ✅ JASTPROコードを持つ法人は更新期限(3年毎)をカレンダーに登録しておく

  • ✅ 通関業者に委託している場合は、自分の輸入者番号を通関業者に正確に伝える

  • ✅ 口座振替制度を使っている場合、コード削除前に銀行窓口でコード変更手続きを完了させる


コードを活かすか死蔵させるかは、日常の情報管理の質で変わります。通関のプロである通関業者とこまめに情報共有することが、長期的に見てもっとも確実な「通関リスク管理」といえます。


📄 JASTPRO公式「コード利用のご案内」:JASTPROコードの新規登録・更新・変更・抹消の手続き詳細(すべてオンライン受付)


📄 税関公式:法人番号導入に伴う税関輸出入者コードの新規発給終了の経緯と、削除申請が必要なケースを解説