日本の総合保税地域は全国で4か所だけ
総合保税地域は全国でわずか4か所しか存在しません。最も有名なのは愛知県常滑市にある中部国際空港セントレアで、日本の空港では唯一の総合保税地域です。
参考)https://www.centrair.jp/corporate/business/air-cargo/forwarder/advantage/sougouhozeichiiki.html
東日本では横浜港国際流通センター(Y-CC)が東日本で最初の総合保税地域として機能しています。
この2つが代表的な施設ですね。
参考)https://www.yokohama-cargo-center.jp/feature/hozei
総合保税地域は一団の土地として税関長が許可した場所であり、複数の保税機能を集約した特別なエリアです。通常の保税蔵置場とは異なり、大規模な施設群を統合した形態になっています。
参考)https://www.customs.go.jp/hozei/contents/gaiyo.pdf
税関公式サイトの保税地域一覧
全国の保税地域の詳細情報を確認できます。総合保税地域の正確な所在地や許可番号が掲載されています。
総合保税地域は保税蔵置場・保税工場・保税展示場の3つの機能を総合的に持つ点が最大の特徴です。一般的な保税地域では単一の機能しか持ちません。
地域内の各施設間では保税転送の許可手続きをせずに外国貨物を移動できるため、税関事務手続きが大幅に軽減されます。
つまり施設間移動が自由です。
蔵置期間は原則2年間で、必要に応じて延長も可能です。保税蔵置場の原則3か月(最長2年)と比べると柔軟性が高いのが特徴です。
| 項目 | 総合保税地域 |
保税蔵置場 |
|---|---|---|
| 機能 | 蔵置・加工・製造・展示を総合 | 主に蔵置のみ |
| 施設間移動 | 手続き不要 | 保税転送手続きが必要 |
| 蔵置期間 | 原則2年(延長可) | 原則3か月(最長2年) |
| 設置数 |
全国4か所 |
全国多数 |
外国貨物の搬入・保管・荷捌き・流通加工・通関などの一貫物流が可能になり、流通コストを削減できます。複数の施設を使う場合でも手続きが簡略化されるため、時間とコストの両方が節約できますね。
外国部品と国内部品を地域内で加工・組み立て・梱包してそのまま輸出できるため、関税や消費税の削減にもつながります。
製造業にとっては大きなメリットです。
税関諸手続きの簡略化と24時間稼働により、ジャストインタイムの輸入物流が実現できます。
納期が厳しい貨物の取り扱いに最適です。
中部国際空港セントレアの総合保税地域案内
日本唯一の空港総合保税地域の具体的な活用事例とメリットが詳しく説明されています。
総合保税地域では施設間移動が自由ですが、貨物が亡失した場合には例外的に関税が徴収されるケースがあります。
貨物管理には十分な注意が必要ですね。
課税物件の確定時期は「輸入申告の時」ではなく「置くことが承認された時」(蔵入承認または総保入承認の時)となります。このタイミングが通常の保税蔵置場と異なります。
参考)貨物に税金を課すための課税要件の1つ「課税物件」の概念を正し…
総合保税地域は全国で4か所しかないため、利用できる企業や地域が限られます。地理的な制約がある点は理解しておく必要があります。
総合保税地域の許可を受けるには、一団の土地及びそこに設置される複数の施設が必要です。
単独の建物では認められません。
税関長が許可する形式で、設置者は総合保税地域の運営者(被許可者)として各施設の管理を統括します。A社、B社、C社など複数の企業が各施設の管理者となり、運営者がそれらを総合的に管理する構造です。
輸入の促進や対内投資事業の円滑化を目的として、各種の輸入インフラの集積メリットを助長するために制度が設けられました。
地域経済の活性化という政策目的があります。
税関の保税制度解説資料
総合保税地域の制度概要、許可要件、手続きの流れが図解付きで説明されています。通関業務従事者向けの基礎資料として有用です。
総合保税地域は2019年8月30日に開業した愛知県国際展示場において、日本初となる常設の保税展示場が用意されています。展示と商談を同時に行える環境が整っているということです。
中部国際空港では空港敷地内に愛知県国際展示場などの施設が配置され、航空物流と展示機能が一体化しています。見本市や展示会で使用する外国貨物をそのまま展示できるわけですね。
横浜港国際流通センターでは入居者向けのサポート体制を整備し、施設利用・税関業務などの側面で利便性を強化しています。単なる保税施設ではなく、物流全体を支援する拠点として機能しています。
総合保税地域は設置数が極めて少ないため、実際に業務で関わる機会は限定的です。しかし制度の特徴を理解しておくことで、大規模な輸出入案件や複合的な物流提案が必要な場面で選択肢として提示できます。
これは使えそうです。