業務外の違反でも登録取消しになります。
技術士法第44条は「技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と明確に定めています。これは技術士に課せられる三義務のひとつです。
この規定は技術士という資格全体の社会的信用を守るためのものです。個人の行為が技術士全体のイメージに影響を与えるため、厳格な義務として設定されています。
参考)技術士として働く上で求められる義務と責務とは?
信用失墜行為には、データの改ざんや偽装などが該当します。2017年に発覚した神戸製鋼の検査結果の改ざん・捏造行為が具体例です。技術士資格を持つ者がこのような行為を行えば、義務違反となります。
参考)技術士の3義務2責務とは?わかりやすく解説!【一次・二次試験…
技術士には3つの義務と2つの責務が課されています。義務は法的拘束力を持ち、違反すれば行政処分の対象です。
参考)三義務二責務はしっかりと理解する| 講師匠習作の技術士応援ブ…
三義務は以下の通りです。
二責務には「公益確保の責務」(第45条の2)と「資質向上の責務」(第47条の2)があります。責務は努力目標としての性格を持ちますが、技術士として重要な行動規範です。
これらは技術士試験の適性科目や口頭試験でも問われる重要事項です。
つまり基本中の基本です。
三菱自動車のリコール隠し事件は、技術者倫理に反する代表的な事例です。クレーム情報149件を報告せず、虚偽の報告を行いました。技術者の幹部は業務上過失致死傷罪や道路運送車両法違反で法的責任を問われました。
参考)https://pe.techno-con.co.jp/technovision/series/back9_1604d.html
建設業界では実務経験の不正が問題となっています。大和ハウス工業では、実務経験不備による技術検定の不正受検が発覚し、合格取消しと3年間の受検禁止処分が下されました。パナソニックグループでも資格違反により16社が営業停止命令などの処分を受けました。
参考)建設業法違反で大手グループ企業16社が監督処分、2週間の営業…
関西電力では実務経験が不十分なまま9人が受験し6人が合格した事例があります。内部通報窓口への投書で発覚し、組織ぐるみの不正と見なされました。
厳しいところですね。
技術士法第36条第2項により、技術士が法定の義務に違反した場合、登録の取消しまたは2年以内の期間を定めた名称使用停止の処分を受けます。文部科学大臣は規定違反と思料されるときは職権をもって調査します。
参考)http://blog.livedoor.jp/ohta_geo/archives/51895983.html
登録が取り消された場合、その日から2年間は再登録ができません。これは技術士法第3条で定められた登録欠格事由に該当します。
建築士の場合、違反設計、名義貸し、違反行為の指示、信用失墜行為などが業務停止の対象です。業務停止期間は1~12ヶ月で、業務停止命令違反には免許取消しが適用されます。
これは使えそうです。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/001156519.pdf
通関士は通関業法に基づく国家資格で、「通関書類の審査」と「通関書類への記名・捺印」という独占業務を持ちます。
貿易業界唯一の国家資格です。
通関業務には高度な専門知識が要求されます。関税法や通関実務に関する深い理解が必要で、実務経験がない状態での合格は難しいとされています。試験では通関業法、関税法・関税定率法、外国為替及び外国貿易法などの関係法令に熟知することが求められます。
参考)「通関の知識ゼロ」から実務のプロへ—検定活用の秘訣|キャリア…
通関士試験に合格した者を通関士として従事させる場合、通関業者は財務大臣に届け出て確認を受ける必要があります。
無料ではありません。
技術士法と同様、専門資格には厳格な義務と責任が伴うため、通関業務従事者も信用失墜行為のリスクを理解しておく必要があります。資格の不正取得や業務上の違反は、営業停止や資格取消しといった重大な処分につながるためです。
参考)建設業法の専任技術者違反とは?罰則や違反事例、発注者が知るべ…
日本技術士会の技術者倫理事例集
最近の技術者倫理に関わる問題事例が公開されており、実際の不正事例から学ぶことができます。組織ぐるみの不正など具体的なケースが掲載されています。
国土交通省の技術者倫理資料(PDF)
他資格における技術者個人の処分例について詳しく解説されています。文書注意・戒告、業務停止命令、登録取消など段階的な処分内容を確認できます。