コンテナ最大積載重量と道路交通法の基準と罰則を解説

コンテナの最大積載重量と道路交通法の関係を知っていますか?2軸・3軸シャーシの使い分けや過積載の罰則、輸入荷主が知らずに違反リスクを抱えるケースを徹底解説。あなたの輸入貨物は大丈夫?

コンテナ最大積載重量と道路交通法の基準・罰則を正しく理解する

コンテナの重量制限を「運送会社が管理するもの」と思っていると、あなたが荷主として罰則の対象になります。


この記事の3つのポイント
⚖️
2軸・3軸シャーシの使い分けには法的根拠がある

道路交通法が定める重量制限により、コンテナの総重量に応じてシャーシの種類が決まります。基準を超えると公道走行は法律違反です。

🚨
過積載は荷主にも罰則が及ぶ

「過積載と知りながら運送を依頼した荷主」は道路交通法第58条の5で規制され、最大6か月の懲役または10万円の罰金が科される可能性があります。

📦
ISOの最大重量と国内道路法の制限は別物

ISO規格では40ftコンテナの最大総重量は30.48トンですが、日本の道路上での制限は軸数・軸距により異なります。この「2つの基準」の違いを知ることが重要です。


コンテナ最大積載重量の基本:ISOと道路交通法の「2つの基準」とは


コンテナの重量管理を考えるとき、まず「ISOが定める最大総重量」と「日本の道路交通法・道路法が定める走行制限」の2種類が存在することを押さえる必要があります。この区別を知らないと、港に届いた貨物を陸送しようとした段階でトラブルが発生します。


ISO規格による最大総重量は、コンテナそのものの構造強度に基づいた上限です。20フィートコンテナは30,480kg、40フィートコンテナも同じく30,480kgがISO規格上の最大総重量です(2018年改定後)。この数字は「コンテナ自重+積み込んだ貨物の重量」の合計を指します。つまり最大積載量ではありません。


一方、道路上で実際に走れる重量は別の法律が規定しています。日本では道路法・道路交通法・車両制限令などが絡み合い、車両の軸数や軸距に応じて上限が細かく定められています。これが輸入実務で頻繁に問題になる「2軸・3軸シャーシの使い分け」につながる根拠です。


たとえばONE(Ocean Network Express)ジャパンが公開している重量制限表によれば、20フィートコンテナを2軸シャーシで輸送できる最大重量(コンテナ自重含む)は20,320kg。同じコンテナを3軸シャーシにすると24,000kgまで対応できます。数字だけ見ると差は3,680kgですが、これは大型乗用車3台分ほどの重量差です。


つまり2つの基準があります。ISOが定める「コンテナの構造的上限」と、日本の道路法が定める「公道を走れる上限」は別物ということですね。


関税や輸入手続きに慣れている方でも、「B/Lに書いてあるグロスウェイト(G.W)が通関後の陸送に直結する」と意識している方は多くありません。ここを見落とすと、実際の配送手配の段階で「3軸シャーシが必要です」という連絡が突然来る事態になります。


ONEジャパン:日本国内コンテナ輸送における重量制限(公式ページ)


※軸数別の最大重量の数字が一覧表で確認できます。輸送手配前の確認に使えます。


コンテナ最大積載重量と2軸・3軸シャーシの使い分けの実務ルール

コンテナ輸入が完了した後、港から倉庫や工場へ陸送する場面では「どのシャーシを使うか」が重量制限を守るための核心になります。判断基準はシンプルですが、数字を正確に覚えておく必要があります。


まず確認すべきは「コンテナの自重+積み込んだ貨物の重量=最大積載重量(グロスウェイト)」という計算式です。コンテナ本体の自重は、20フィートが約2.5トン、40フィートが約4.5トンが目安です。これを踏まえると、貨物のみの重量(ネットウェイト)だけで判断すると誤りが生じます。


以下が実務上の使い分け基準です。


| コンテナサイズ | 最大積載重量(G.W)| 必要シャーシ |
|---|---|---|
| 20フィート | ~20,320kg | 2軸 |
| 20フィート | 20,321kg~24,000kg | 3軸 |
| 40フィート | ~24,000kg | 2軸 |
| 40フィート | 24,001kg~30,480kg | 3軸 |


「20フィートで3軸が必要になる基準(24トン)」は「20フィートコンテナの貨物だけで21.5トン以上」ということです。貨物1トンあたり軽自動車1台分の重さと考えると、21.5台分の重量が箱の中に入っている状態です。これは産業機械・精密機器・化学原料など、単位重量が大きい品目を輸入する際によく発生します。


3軸シャーシは2軸よりも料金が高くなります。平均で2軸に対してプラス5,000円程度の割増が発生します。これが条件でないと思い2軸を手配してしまうケース、あるいはコスト削減のために意図的に2軸で依頼するケースがありますが、いずれも法令違反になります。3軸が条件です。


また、複数のコンテナをまとめて輸入している場合は注意が必要です。B/Lにまとめて重量が記載されている場合は、コンテナの本数で重量を按分し、1本あたりの重量を算出してください。内容物の重量分布が均等でない場合はパッキングリストで確認するのが原則です。


container119:3軸シャーシが必要なケースの基準と道路交通法の関係(詳細解説)


※B/L上の重量から3軸の必要性を判断する手順が詳しく解説されています。通関後の陸送手配で役立ちます。


コンテナ過積載の道路交通法違反:罰則と荷主が問われる責任

「過積載の責任はドライバーや運送会社にある」という認識は半分しか正しくありません。日本の道路交通法は、荷主にも明確に責任を課す構造になっています。関税や輸入業務を担当している方が直接関係する話です。


道路交通法第58条の5第1項は、「過積載になると知りながら運転者に積載物を引き渡した荷主」への行為を禁止しています。これに繰り返し違反した場合、警察署長から「過積載の再発防止命令」が発令されます。この命令に従わなかった場合は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。これは荷主に直接適用される罰則です。


一方、実際に運転したドライバー(中型・大型トラック)に対する罰則は下表のとおりです。


| 過積載の割合 | 違反点数 | 罰則(中型・大型) |
|---|---|---|
| 5割未満 | 2点 | 反則金3万円 |
| 5割以上10割未満 | 3点 | 反則金4万円 |
| 10割以上 | 6点(免許停止) | 懲役6か月以下または罰金10万円以下 |


10割以上(最大積載量の2倍以上)の過積載になると、ドライバーは即時免許停止処分(6点)になります。これは飲酒運転の酒気帯び(0.15mg以上)と同等の重さです。痛いですね。


さらに、運送事業者(トラック会社)に対しても貨物自動車運送事業法に基づく行政処分があります。車両の使用停止、最悪の場合は事業許可の一部取り消しも対象になります。重要なのは、荷主が「過積載の重量で発注した」という事実は、関係者全員のリスクにつながるという点です。


輸入業務において、自社でコンテナの重量をB/L段階で確認・管理しておくことは、こうした法的リスクを回避するための第一歩です。グロスウェイトを確認するだけで対応できます。これだけ覚えておけばOKです。


hacobu:過積載の罰則・運送事業者・荷主ごとの責任の詳細(2025年更新)


※荷主への再発防止命令から懲役・罰金の条件まで整理されています。自社の輸入実務のリスク確認に使えます。


コンテナ最大積載重量の特殊な例外:44トンが認められる重要物流道路制度

「コンテナトラックは25トンまで」という常識をお持ちの方は多いですが、実は条件を満たした場合に最大44トンまでの走行が許可されています。これは多くの輸入実務担当者が見落としている制度です。


重要物流道路制度は、2018年3月に国土交通省が創設した制度で、全国約36,000kmの幹線道路網を「重要物流道路」として指定したものです。この道路上では、40フィート背高コンテナ車(国際海上コンテナ車)について特殊車両通行許可が不要になる区間が設けられています。


通常、道路法では車両の総重量の一般的制限値は最大25トンですが、重要物流道路上では40フィート背高コンテナの諸元に合わせて最大44トンまでの通行が認められています(軸数・軸距に応じた条件あり)。これは一般的な制限の約1.76倍に相当します。


ただし、この許可不要制度を使うには3つの条件をすべて満たす必要があります。


- ETC2.0車載器の搭載・登録:走行データを収集・記録することが条件です
- 書類の携行:コンテナの重量証明書(VGM証明)などの書類を車内に備えておくこと
- 指定区間内の走行:許可不要区間として指定された重要物流道路内のみが対象


この3条件を外れた区間を走る場合は、従来の特殊車両通行許可申請が必要です。申請の標準処理期間は新規で約3週間かかります。許可なく通行した場合は道路法違反となり、別途罰則の対象になります。


また、45フィートコンテナについては2025年現在、宮城県の「みやぎ45フィートコンテナ物流特区」などの特区を除いて公道走行が認められていません。これはアジア主要国や米国ではすでに一般的に利用されている規格ですが、日本では道路構造の制約から規制が続いています。この点は輸出入の貨物量が45ftコンテナで計算されているケースで問題が生じます。


一般財団法人道路保全技術センター:重要物流道路における国際海上コンテナ車の特殊車両通行許可制度の詳細


※重要物流道路における44トンまでの通行条件と手続きの流れが確認できます。


コンテナ最大積載重量の確認方法と輸入実務での活用:BLとVGMの読み方

実際の輸入実務でコンテナの重量を管理するには、どの書類のどこを見るべきかを理解しておくことが重要です。理解が曖昧なまま通関業者任せにしていると、陸送の段階で不意なコスト増や違反リスクが発生します。


まず確認すべき書類はB/L(船荷証券)です。B/LのGross Weight(G.W)の欄に記載されている数字が「コンテナ自重+積み込んだ貨物の合計重量」です。この数字をそのまま先ほどの2軸・3軸の判断基準と照らし合わせることができます。


次に重要なのがVGM(Verified Gross Mass:確認済み総重量)です。2016年7月以降、SOLAS条約(海上人命安全条約)の改正により、輸出者はコンテナを船積みする前にVGM(コンテナの確認済み総重量)を計測・申告することが義務化されました。これによりB/L上のG.Wの信頼性が高まっています。日本からの輸出荷物ではすでに定着している手続きですが、輸入の際も相手国からのVGM申告値が関連書類に反映されています。


実務上の確認手順は以下の通りです。


1. B/LのG.W欄で総重量を確認する
2. コンテナの本数で按分し、1本あたりのG.Wを算出する
3. 先述の軸数判断基準と照らして2軸か3軸かを確認する
4. 基準を超える場合は通関業者・運送会社に3軸シャーシの手配を依頼する


通関業者や海貨業者に確認を依頼する方法もあります。重量が高い貨物(産業機械、金属原料、化学品、食品原料の大量輸入など)を扱う場合は、B/Lが手元に届いた段階でこのチェックを行うのが原則です。3軸シャーシを後から手配する場合、配車の都合上リードタイムが延びることもあります。


また、コンテナの重量情報を事前に管理する手段として、物流管理ツールやTMS(輸送管理システム)を導入している企業では、このチェックを自動化しているケースもあります。大量輸入を定期的に行う場合、手動チェックのミスリスクを下げるために検討する価値があります。これは使えそうです。


チューリッヒ保険:最大積載量と過積載の罰金・違反点数の早見表


※シャーシの種類ではなく運転車両別(普通車・大型)の過積載罰則一覧として確認するのに便利です。




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